伝染病にはかかりたくないですね。
中国では法定伝染病が定められていて、大きく甲、乙、丙類に分類されています。指定されている病気の分類法や種類は、日本の感染症の法律とはだいぶ異なります。
甲類と乙類にはコレラとか鳥インフルエンザなどの重い病気が多く含まれますが、それらの中で今発生が多いものはなんでしょうか?
下は今月1月11日に発表された2015年12月の全国法定伝染病概况から上位を抜き出したものです。
これは1ヶ月間の発生(届け出)数で、死亡数ではありません。データは国家卫生和计划生育委员会の発表から。
1位 ウイルス性肝炎(116,845)
2位 肺結核(89,818)
3位 梅毒(38,801)
4位 淋病(10,046)
5位 猩紅熱(8,878)

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中国では法定伝染病が定められていて、大きく甲、乙、丙類に分類されています。指定されている病気の分類法や種類は、日本の感染症の法律とはだいぶ異なります。
甲類と乙類にはコレラとか鳥インフルエンザなどの重い病気が多く含まれますが、それらの中で今発生が多いものはなんでしょうか?
下は今月1月11日に発表された2015年12月の全国法定伝染病概况から上位を抜き出したものです。
これは1ヶ月間の発生(届け出)数で、死亡数ではありません。データは国家卫生和计划生育委员会の発表から。
1位 ウイルス性肝炎(116,845)
2位 肺結核(89,818)
3位 梅毒(38,801)
4位 淋病(10,046)
5位 猩紅熱(8,878)
◆
1位がウイルス性肝炎。このなかで特に多いのはB型で、約8割を占めます。B型肝炎になると一部の患者さんは慢性化し、肝硬変から肝臓がんを発症します。中国ではすごーくこの患者さんが多い。中国で生活するのなら、肝炎ワクチンはぜひしたほうがいいです。このほかの肝炎ウイルスにはA,C,D,E型があります。
2位は肺結核。日本でもまだ多くの患者さんがいますが、発症者は年間で約2万人ですから、中国は桁が違う。原因のわからない咳が2週間以上続いたら、医療機関を受診しましょう。
3位と4位が性病。なんか残念な気持ちになります。日本人駐在員のかたで、淋病で当クリニックを受診する人は結構います。淋病については後日別に書きます。
2位は肺結核。日本でもまだ多くの患者さんがいますが、発症者は年間で約2万人ですから、中国は桁が違う。原因のわからない咳が2週間以上続いたら、医療機関を受診しましょう。
3位と4位が性病。なんか残念な気持ちになります。日本人駐在員のかたで、淋病で当クリニックを受診する人は結構います。淋病については後日別に書きます。
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5位に猩紅熱は意外な感じもしますが、この病気はA群溶血性連鎖球菌(いわゆる溶連菌)によって発症します。子供に多い、皮疹が特徴的な病気です。まれに死亡例があります。
日本では猩紅熱は1998年をもって法定伝染病でなくなったので、猩紅熱の発生数は不明です。かわりにA群溶連菌による咽頭炎について定点観測を行っています。
この菌はのどの腫れや扁桃腺の化膿も起こし、今、日本でもこの菌の感染者が多いです。昨年12月の段階でも増加傾向にあり、この5年の同時期よりかなり多い(国立感染症研究所のデータ)。
猩紅熱については世界的な増加が起きているかもしれないといわれています。このことは後日改めて書きます。
これらの予防。
A型肝炎は水や食物から経口感染しますし、B型肝炎は血液などを介して感染します。汚染された可能性のあるものや生水は口にしないこと、出血を伴う事故や不潔と思われる注射(特に針)には接触しないよう注意することが大事です。なお性行為によっても感染は起こります。逆に咳や握手からは感染しません。
性病の予防については今回は書きません。
猩紅熱は手洗いが大事。特に子供さん。
結核の予防は咳をしている人に近づかないことや、マスクをすることくらいでしょうか。
リスクはゼロにはできませんが、可能な予防策はできるだけ行っていきましょう。
日本では猩紅熱は1998年をもって法定伝染病でなくなったので、猩紅熱の発生数は不明です。かわりにA群溶連菌による咽頭炎について定点観測を行っています。
この菌はのどの腫れや扁桃腺の化膿も起こし、今、日本でもこの菌の感染者が多いです。昨年12月の段階でも増加傾向にあり、この5年の同時期よりかなり多い(国立感染症研究所のデータ)。
猩紅熱については世界的な増加が起きているかもしれないといわれています。このことは後日改めて書きます。
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これらの予防。
A型肝炎は水や食物から経口感染しますし、B型肝炎は血液などを介して感染します。汚染された可能性のあるものや生水は口にしないこと、出血を伴う事故や不潔と思われる注射(特に針)には接触しないよう注意することが大事です。なお性行為によっても感染は起こります。逆に咳や握手からは感染しません。
性病の予防については今回は書きません。
猩紅熱は手洗いが大事。特に子供さん。
結核の予防は咳をしている人に近づかないことや、マスクをすることくらいでしょうか。
リスクはゼロにはできませんが、可能な予防策はできるだけ行っていきましょう。

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