この冬、日本でのインフルエンザ患者発生はまだ少ないらしいです。
今後に流行がくるそうです。

このシーズン、上海でインフルエンザ患者は例年と同じく増えているのでしょうか?
下記のグラフは2014年と2015年の、わたしの勤めるクリニックのインフルエンザ患者数です。
検査キットで確定した人のみカウントしています。

この2年の患者数の増減をみてください。

縦軸は患者実数で、どちらの年も同じスケールです(縦軸の数値は消してあります)。またA型とB型両者を足した数字です。

この冬は12月までは例年通りの患者数で推移しています。この後、1月にさらに増えるのでしょう。ちなみに7-8月の夏にも患者数の増加がありますが、これは沖縄を始め、中国など南方地域の特徴です。

だめおしで中国政府発表のデータもみてみましょう。これは中国を南北に分け、南の地方で救急外来を受診した人におけるインフルエンザ様の患者さんinfluenza like illness [ILI] の割合(%)です。横軸は1月から数えた週数で、5月から始まっています。赤線が2015-2016年のデータです。

中国ではインフルエンザ検査キットが使われないことが多いので、確定例でないものを含めてILIと呼んでいます。2015年を含めて、ほぼ毎年の1月までは変わらない割合で推移していますね。その後、どの週に発生のピークが起きるかは年によって違います。なお2015年は夏のインフルエンザが多かったようですね。

結論として、
今のところ1月初めまでの上海のインフルエンザ発生は例年と同じと推測されます。

日本の流行状況はどうか?


見にくて恐縮です。これは国立感染症研究所が発表しているデータです。日本でインフルエンザウイルスが分離された件数です(患者数でありません)。横軸は週数で、8月からはじまった書き方になっています。上段が12月までの今シーズン(2015-2016)、下段が昨シーズン(2014-2015)です。

ぱっと見て、棒の高さから、今シーズンの方が件数が多そうですが、スケールが違うので注意してください。縦軸の目盛りは上段が最大40、下段が最大700です。つまり今シーズンは2015年48週付近(12月に入ってからくらい)の増加が全然みられません。

結論として、
今のところ1月初めまでの日本のインフルエンザ発生は例年より少ないと推測されます。

この違いの理由は不明です。日本は今年は比較的温暖な冬で、湿度も低くなかったのが一因のようです。

流行しているインフルエンザの種類も上海と日本ではちがうのですが、これは次回アップします。


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