古代インドの伝統医学であるアーユルヴェーダにはいろいろな治療法があります。
写真は、ごま油をひたいに垂らすシローダーラーShirodharaと呼ばれる治療法です。


上記写真はこちらのHPから引用。


シローダーラーが、不眠解消にいいという論文が岡山大学の研究グループから昨年末に発表されました。
この研究では20人の睡眠障害がある人に対し、ごま油をつかった本来のシローダーラーと、お湯をつかった比較対象のシローダーラーを各7回実施し、その効果を比較しています。
その結果、大きな差ではないものの、ごま油をつかったシローダーラーの方がお湯の場合よりも、睡眠の質が改善したとのことです[注]。また昼間の眠気が増えるなどの副作用はなかったそうです。

わたしは西洋医学の医師(西医)ですが、効果があるならば中国医療(中医)や他の代替医療も治療や健康増進に積極的に取り入れるべきだと思います。しかし効果がない「眉つば医療」は避けたいし、患者さんにも行ってほしくないと強く考えています。たとえば、最近有名な「がんの放置療法」は、客観的なデータをみても「眉つば」です(放置推進派は謎のデータを出してきますが、よく見ると科学的説得力がない)。


上の写真はインドに以前旅行したときに、わたしが受けたシローダーラーを施術してくれた先生。後ろに油の壺がみえますね。シローダーラーは非常にリラックスできます。睡眠障害が改善するのもわかる気がします。自分で受けたのはたった1回なので、体調変化までは感じませんでした。
ただ、シローダーラーは髪の毛がおそろしくべったべたになり、全身ごま油臭くなるのが難点でした。やり方によるのかもしれませんが(笑)。

わたしは最近肩こりがひどいので、上海でよく行われるカッピング(陰圧で皮膚に圧力をかけて吸引する)をしてもらいたいのですが、施術後の跡がはっきり残るので踏み切れずにいます。そこがいいのでしょうが(笑)。


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[注]論文によるとシローダーラー施術はお湯施術よりも、PSQIと呼ばれる睡眠スコアを1.83改善したのですが、95%信頼区間は3.37 ~0.30であり、確実な改善がおきるとはこのデータだけで断定できません。