新型インフルエンザH1N1による、飼い猫のインフルエンザ肺炎のレントゲン写真。
両側の肺に肺炎があり、普段よく見えないはずの気管支が木の枝のように黒く透けて見えています(画面下の左右で肋骨の下が肺炎。写真は上が頭側、真ん中の白いのは心臓。心臓の両脇に黒く正常な肺がみえ、その下に続くのが病気の肺)。
この猫は、その後症状がよくなったそうです。メデタシメデタシ。
ネコもインフルエンザを発症するのでしょうか?
かつて、ネコはインフルエンザウイルスに感染しても発病しないと思われていました。
ところが2004年のオランダでの研究で、ネコの気管の中に鳥インフルエンザH5N1ウイルスを注入し、さらにそのウイルスに感染したトリを餌にして飼育することで、ネコにインフルエンザ肺炎を起こすことができることが証明されました(論文はここ、登録者のみ閲覧可能)。ちょっとかわいそうな実験ですね。
この鳥インフルエンザH5N1ウイルスは、中国でも散発的にトリからヒトへの感染が報告されています。中国では2003年から今までで、52例の発病、うち31例の死亡が報告されています。現在大きな流行はありません。つい先日はまた別のH5N6ウイルスの感染についての報道がありましたね。
そして2010年には、現在ヒトでも感染が起きている新型インフルエンザH1N1ウイルスによって、ネコに肺炎が起こることがわかりました(上の写真。論文はこれ)。このネコはアメリカのアイオア州で呼吸困難を起こしているところを発見されたのです。翌年にはイタリアからも、同様に新型インフルエンザH1N1ウイルスによってネコの集団感染、つまりアウトブレイクが報告されています。
いま上海で発生しているA型インフルエンザウイルスの多くはこの新型インフルエンザH1N1です。
ちなみに今の日本では、全体でみると、新型インフルエンザウイルスでなくH3N2(いわゆるA香港型)ウイルスが流行しています。ただし秋田県などでは新型インフルエンザウイルスが流行の主体であり、日本国内が一律の状況だということではありません。
さらに、各地域における流行株は時とともに変わるので、今後もこの傾向が同様に続くということはできません。
現時点では、新型インフルエンザH1N1に感染したネコは周囲のネコに感染を広げることができると考えられています。また、このウイルスはヒトからネコに感染が広がりうると推測されています。逆にネコからヒトへの感染がおこるのかははっきり分かっていません(参考論文)。
結論。ネコのためにも(?)、人間がインフルエンザにかからないことが大切です。

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両側の肺に肺炎があり、普段よく見えないはずの気管支が木の枝のように黒く透けて見えています(画面下の左右で肋骨の下が肺炎。写真は上が頭側、真ん中の白いのは心臓。心臓の両脇に黒く正常な肺がみえ、その下に続くのが病気の肺)。
この猫は、その後症状がよくなったそうです。メデタシメデタシ。
ネコもインフルエンザを発症するのでしょうか?
かつて、ネコはインフルエンザウイルスに感染しても発病しないと思われていました。
ところが2004年のオランダでの研究で、ネコの気管の中に鳥インフルエンザH5N1ウイルスを注入し、さらにそのウイルスに感染したトリを餌にして飼育することで、ネコにインフルエンザ肺炎を起こすことができることが証明されました(論文はここ、登録者のみ閲覧可能)。ちょっとかわいそうな実験ですね。
この鳥インフルエンザH5N1ウイルスは、中国でも散発的にトリからヒトへの感染が報告されています。中国では2003年から今までで、52例の発病、うち31例の死亡が報告されています。現在大きな流行はありません。つい先日はまた別のH5N6ウイルスの感染についての報道がありましたね。
そして2010年には、現在ヒトでも感染が起きている新型インフルエンザH1N1ウイルスによって、ネコに肺炎が起こることがわかりました(上の写真。論文はこれ)。このネコはアメリカのアイオア州で呼吸困難を起こしているところを発見されたのです。翌年にはイタリアからも、同様に新型インフルエンザH1N1ウイルスによってネコの集団感染、つまりアウトブレイクが報告されています。
いま上海で発生しているA型インフルエンザウイルスの多くはこの新型インフルエンザH1N1です。
ちなみに今の日本では、全体でみると、新型インフルエンザウイルスでなくH3N2(いわゆるA香港型)ウイルスが流行しています。ただし秋田県などでは新型インフルエンザウイルスが流行の主体であり、日本国内が一律の状況だということではありません。
さらに、各地域における流行株は時とともに変わるので、今後もこの傾向が同様に続くということはできません。
現時点では、新型インフルエンザH1N1に感染したネコは周囲のネコに感染を広げることができると考えられています。また、このウイルスはヒトからネコに感染が広がりうると推測されています。逆にネコからヒトへの感染がおこるのかははっきり分かっていません(参考論文)。
結論。ネコのためにも(?)、人間がインフルエンザにかからないことが大切です。

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