トローチいりますか?

写真はよくみる明治のSPトローチ25mg(上海の明治製)。穴が特徴的ですね。気管に入っても窒息しないようにした工夫とのことですが、世界的にみて、トローチは穴なしが普通ですから、真偽のほどは不明です。


わたしは最近は患者さんから希望がある場合のみにトローチを処方するようにしてます。

トローチって意味あるの?


かぜとかのどが痛いとかいう時に使うトローチには特徴があります。


<利点>
1.使うとすっきりする。上の写真のトローチの場合、メントール(ハッカ)が入っているので、気分がすっきりします。
2.副作用がほとんどない。薬としては珍しい高い安全性。たまに過敏症がおきるそうですが、みたことない。
3.わずかながら、殺菌作用がある。上のトローチの場合、界面活性剤に分類される弱い殺菌剤である塩化デカリニウムが主成分です。ただしのどの殺菌を完全に行うには十分ではありません。
4.海外旅行保険が使えたら薬剤費がかからない。お金のことはあまり言いたくないけど。

<欠点>
1.これだけで風邪やインフルエンザを治す力はない。成分から考えて当然。
2.咳や痰を減らすというデータもない。成分から考えて当然。なお、高濃度の酢酸亜鉛含有のトローチは、最近ヘルシンキから出た論文で、鼻水や咳など、頭痛と熱以外の症状に早期改善効果があると報告されています。ただし上記写真のトローチを始め、日本の医療機関で入手できるトローチには亜鉛は入っていません(肝レンズ核変性症に用いられる、ノベルジンというカプセルタイプの薬はあります)。

ですので、医療機関で処方されるものの、薬というより「のどあめ」のように使ってもらうのが一番で、希望する人だけに処方するのがベストですね。


では「のどあめ」そのものはどうか?



医師ながら、わたしはのどあめも効果あると思います。しかも結構中国製はいけてる。お店で買えるなら医療機関受診の手間が省けます。

私の個人的使用感から、京都念慈菴の製品はなかなかいいと思います。香港製でいろんなところで売ってる。京都とは北京のことらしいけど、なんでこういう表記なのか意味はわかりません。美味しいので、風邪ですさんだのどと心を癒してくれる。これだけで病気が治るとは思いませんが。


あと、金嗓子喉宝もいいですね。これは中国製。コンビニとかで売ってますね。日本にお土産に買います。おじさんの写真が最近おばさんの写真になったけど、どうして?

のどあめ界は奥が深いし、中国製があなどれません。

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