多くの海外勤務者は健康診断(健診)を定期的に受けています。
会社で従業員とその家族の受診費用を負担してくれる場合も多いです。
で、異常があった場合、どこの医療機関に相談するか?という話。
以下すこし毒がありますのでご注意を。
写真は本文と関係ありません。
他の医療機関で健診をした結果、異常がみつかったのでどうしたらいいか?という相談をもって当院にみえる方が最近多いです。持参する健診結果レポートが当院とは異なる形式ですから、それを読み込まないといけないので、多少いつもより診療に時間がかかります。
通常なら健診を実施した医療機関に相談するのが筋だと思いますが、わざわざうちに見える方は以下の理由のことがほとんどです。
1.日本の医療機関で健診を受け、その後に結果が送られてきた。しばらく日本に帰る予定はない。
2.上海で健診を受けた医療機関が家や会社から遠くて、説明を聞きに行きにくい。
3.上海で健診を受けた医療機関が中国ローカルのため、再度行きにくい。
4.上海で健診を受けた医療機関に説明を聞きに行ったのだが、それがわかりにくい、または納得がいかない。
1と2は物理的にやむを得ないですね。
3は言葉の問題でしかたないです。会社指定の健診医療機関が上海のローカルクリニックであることはよくあります。
外国人向けの場合、設備のレベルも悪くないことが多く、料金も安めなのが長所です。しかし多くの日本人にとって、異常があった場合の対応が難しい。レントゲン写真などは頼めばもらえることが多いのですが、依頼がすこし面倒です。そもそも健診後のフォローはお断りしている医療機関もあります。
よって異常があった場合に、結局別のクリニックで再度写真を撮影する手間と料金が発生することが珍しくありません。
4のようなところでは健診を受けるべきではない。担当医が中国人で、日本語の説明がうまく伝わらない場合は、ま~仕方ないかなと思います。しかし「検査やりっぱなし」と思われる無責任な対応のクリニックもあり、そういうところはもう行かない方がいいでしょう。その後の対応に誠意が感じられないようなところといってもいい。
そのようなところのドクターは勉強不足(多くは健診の経験が少ないか、または普段健診をしない診療科出身)であり、説明がわかりにくい上に、的確でない。
そういったドクターにあたってしまった場合は、しかたないのでほかのクリニックに行った方がいいでしょう。
一方で、自分では対応ができないので、あそこに行った方がいい、と紹介してくれるところは良心的です。
そもそも健診で異常を指摘されて不安に思わない人はいません。
海外生活はただでさえ危険がいっぱいです。異常結果の相談を受ける医師には、軽微な異常の場合に無用な不安は解消してさしあげて、必要ならば次に行う検査を適切に提案できる能力が必要です。
長時間こと細かに医学用語を並べて説明するのでなく、その人の状況や心配している内容に沿ってわかりやすくアドバイスすべきです。
たとえば、医師からみたら癌の心配はない軽微なバリウム検査の異常なのに、家族に胃癌の人がいるので自分も癌になるのではないかと心配が生まれるのは当然です。こんなひとにどのように説明するのがよいでしょうか。
医師免許があればだれでも健診を担当できますが、うまくその後のフォローをできるかは別問題です。健診を担当(特に異常があった場合に結果を説明)する医師には健診に関する経験やトレーニングが必要です。
話はずれますが、健診の検査実施について「他院と提携」とか「日本にデータを送っている」というところはダメな医療機関のことが多い(全部とはいわないけど)。病気発見後の治療目的で他院と提携はいいですよ。
そういうところは自分たちでちゃんとデータを解析できないと暗に言っているようなものです。
検査の解釈を外注した場合、多くは日本のバイトの医師がみています。そういうドクターは、悪意はないのですが、概して無責任ですし、以前のデータとのつき合わせをちゃんとしてくれません。前回、前々回のデータの比較で病気を発見できることもよくあります。
経年変化をみることは大切ですから、健診受診者も毎年別のところに行くなんてしない方がいい。
会社が健診費用を持つ場合、総務課の担当者は当然ながら受診費用が安いところを探します。
しかし、値段ではなく、その後のフォローもできるところ、つまり異常があっても安心して結果相談できるところを健診先に選んでください。
異常があった場合でも、結果的に安くつきますから。
他院のデータを困った顔で持参する人が、これからは少なくなるといいな。

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会社で従業員とその家族の受診費用を負担してくれる場合も多いです。
で、異常があった場合、どこの医療機関に相談するか?という話。
以下すこし毒がありますのでご注意を。
写真は本文と関係ありません。
他の医療機関で健診をした結果、異常がみつかったのでどうしたらいいか?という相談をもって当院にみえる方が最近多いです。持参する健診結果レポートが当院とは異なる形式ですから、それを読み込まないといけないので、多少いつもより診療に時間がかかります。
通常なら健診を実施した医療機関に相談するのが筋だと思いますが、わざわざうちに見える方は以下の理由のことがほとんどです。
1.日本の医療機関で健診を受け、その後に結果が送られてきた。しばらく日本に帰る予定はない。
2.上海で健診を受けた医療機関が家や会社から遠くて、説明を聞きに行きにくい。
3.上海で健診を受けた医療機関が中国ローカルのため、再度行きにくい。
4.上海で健診を受けた医療機関に説明を聞きに行ったのだが、それがわかりにくい、または納得がいかない。
1と2は物理的にやむを得ないですね。
3は言葉の問題でしかたないです。会社指定の健診医療機関が上海のローカルクリニックであることはよくあります。
外国人向けの場合、設備のレベルも悪くないことが多く、料金も安めなのが長所です。しかし多くの日本人にとって、異常があった場合の対応が難しい。レントゲン写真などは頼めばもらえることが多いのですが、依頼がすこし面倒です。そもそも健診後のフォローはお断りしている医療機関もあります。
よって異常があった場合に、結局別のクリニックで再度写真を撮影する手間と料金が発生することが珍しくありません。
4のようなところでは健診を受けるべきではない。担当医が中国人で、日本語の説明がうまく伝わらない場合は、ま~仕方ないかなと思います。しかし「検査やりっぱなし」と思われる無責任な対応のクリニックもあり、そういうところはもう行かない方がいいでしょう。その後の対応に誠意が感じられないようなところといってもいい。
そのようなところのドクターは勉強不足(多くは健診の経験が少ないか、または普段健診をしない診療科出身)であり、説明がわかりにくい上に、的確でない。
そういったドクターにあたってしまった場合は、しかたないのでほかのクリニックに行った方がいいでしょう。
一方で、自分では対応ができないので、あそこに行った方がいい、と紹介してくれるところは良心的です。
そもそも健診で異常を指摘されて不安に思わない人はいません。
海外生活はただでさえ危険がいっぱいです。異常結果の相談を受ける医師には、軽微な異常の場合に無用な不安は解消してさしあげて、必要ならば次に行う検査を適切に提案できる能力が必要です。
長時間こと細かに医学用語を並べて説明するのでなく、その人の状況や心配している内容に沿ってわかりやすくアドバイスすべきです。
たとえば、医師からみたら癌の心配はない軽微なバリウム検査の異常なのに、家族に胃癌の人がいるので自分も癌になるのではないかと心配が生まれるのは当然です。こんなひとにどのように説明するのがよいでしょうか。
医師免許があればだれでも健診を担当できますが、うまくその後のフォローをできるかは別問題です。健診を担当(特に異常があった場合に結果を説明)する医師には健診に関する経験やトレーニングが必要です。
話はずれますが、健診の検査実施について「他院と提携」とか「日本にデータを送っている」というところはダメな医療機関のことが多い(全部とはいわないけど)。病気発見後の治療目的で他院と提携はいいですよ。
そういうところは自分たちでちゃんとデータを解析できないと暗に言っているようなものです。
検査の解釈を外注した場合、多くは日本のバイトの医師がみています。そういうドクターは、悪意はないのですが、概して無責任ですし、以前のデータとのつき合わせをちゃんとしてくれません。前回、前々回のデータの比較で病気を発見できることもよくあります。
経年変化をみることは大切ですから、健診受診者も毎年別のところに行くなんてしない方がいい。
会社が健診費用を持つ場合、総務課の担当者は当然ながら受診費用が安いところを探します。
しかし、値段ではなく、その後のフォローもできるところ、つまり異常があっても安心して結果相談できるところを健診先に選んでください。
異常があった場合でも、結果的に安くつきますから。
他院のデータを困った顔で持参する人が、これからは少なくなるといいな。

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