前回の続き。今回は真面目な内容です。
PM2.5の測定値をAQIに換算する方法です。
さきにまとめると;
1.PM2.5測定濃度から計算式でAQIに換算する。
2.中国式計算では低濃度のAQIがアメリカ式計算より少なく算出される。
◆中国政府の方法
まず上の表を使います。ここには書きませんがPM2.5以外の汚染物質については別の表を使います(計算法はこちらのpdfをみてください。ただし中国語)。
PM2.5の測定値が、どの列のPM2.5区域下限aとPM2.5区域上限bの間にあてはまるか、その列を探す。そこの列の数値と測定濃度を下の式に当てはめて計算します。
AQI=(d-c)÷(b-a)×(測定値-a)+c
たとえばPM2.5が100(μg/m3)だったら3列目をみて
AQI=(150-101)÷(115-76)×(100-76)+101
=131 [小数点以下四捨五入]
たとえばPM2.5が200(μg/m3)だったら5列目をみて
AQI=(300-201)÷(250-151)×(200-151)+201
=250
PM2.5濃度が200のときのAQI値は、100のときのAQI値のちょうど2倍にはなっていません。
◆アメリカの方法(具体例は略)
計算方法はこちらのpdfをみてください(英語)。
ほぼ同様ですが、低濃度でよりAQIが高く出るように設定されています。
◆両者の比較
計算が面倒な場合、このグラフを使うといいですね。横軸に測定濃度をとっています。
赤線のアメリカの計算の方が低濃度のPM2.5でAQIが高く出るように、低濃度で線が上方になっています。一方青線の中国はそうでありません。いいかえると中国式では低濃度のPM2.5汚染に対して甘いAQIがでてきます。
なお測定濃度が150以上なら両者どちらも同じ値になります。
本来AQIは最大値が500なのですが(このとき測定濃度も500になる)、測定濃度が500以上なら、グラフの線を延長してAQIの数値を読み取るようです。
まじめな話におつきあいありがとうございました!
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