五輪景気、偏る恩恵・富裕層「政府すばらしい」  【NIKKEI NET(日経ネット)】


8月8日の北京五輪開幕まで、あと100日に迫った。チベット騒乱に端を発した聖火リレーの各国での混乱や、ギョーザ中毒事件で再燃した食の不安などをよそに、北京市内ではプレ大会が相次ぎ開かれるなど、お祭りムードが高まりつつある。一方、建設ラッシュで変容を遂げた街の隅々では、人びとの暮らしも変化を迫られている。世界最大の祭典に沸き立つ街の光と影を追った。


北京市の中心、天安門広場から北へ約20キロ。東京の臨海部を思わせる新興住宅街「天通苑北」には真新しいマンションが立ち並ぶ。五輪開催に伴う再開発による立ち退きで、政府から多額の補償金を得た“五輪長者”ばかりが暮らす街だ。人民大会堂の裏から移り住んだ夫婦には、築30年、床面積24平方メートルの古びた平屋建ての売却で、市民の平均年収の60年分に当たる130万元(約1900万円)が転がり込んだ。うち30万元で政府が用意した115平方メートルの3LDKを購入した。


北京オリンピックの開催まで、3か月を切り、北京では急ピッチで工事が進められている話です。会場スペースを確保するということは、そこに住んでいる人々が移動しないといけないわけですが、中国では、その土地から出る人に補助金がでます。


好景気なため、物価が上がり始めていますが、その分、国も経済に余裕があるのか、補助金の金額も高額です。もともと、昔の中国では結婚なども政府の許可を得ないとできないものでした。しかし、結婚すれば、仕事も家も保障してくれる制度があったので、多くの人が国から与えられた土地に住んでいます。上海でも築50年を過ぎる家に住んでいる人と知り合いました。


共産主義でありながら、資本主義が入ってきて、市場は完全に資本主義となってきていますが、今後どのような形で共産主義と資本主義の折り合いをつけるのかは、頭を悩ませるものだと思います。


現在は、地震やそのほかの問題から切り分けて、世界が非難をしているようです(上海にいるとそういった情報に疎くなるので、日本の友人から日本のニュースの内容を聞きました)。悪いところはニュースで取り上げているので、もちろんありますが、良い面も含めて客観的な評価を下すことが、他国にとっても、大切なことですね(実際には政治家は認識した上で牽制していそうですが)。