中国では地方によって使う漢字がちがうんだけど、
基本的には大体 "簡体字" という
わたしたちの馴染みのある漢字よりも
少し簡単にされていて、
でも中国の広州や香港、台湾では
みんな "繁体字" とよばれる
日本語の漢字とほぼ同じ漢字が使われています。
わたしの名前が本名で "陽子" なんだけど、
"簡体字" にすると "阳子" なの
まぁ、よーく見れば、あー。って感じでしょ?
でね、とある日のこと。
仕事で日本にいたわたしは、
銀行で新しい口座をつくろうと思い立ち、
行ったんですよ、銀行に。
なんだか書類をいろいろ渡されて、記入をして提出。
銀行員さん、書類を見つめること10分
なにかに苦戦している様子。
「お待たせいたしましたー!」
お、きたきた。
「すみませんが、お名前が間違っています。
パスポートと同じ名前を書いてください。」
(わたし外国人なので、どこに行くにもパスポートが必要なの。笑)
いやいや… あ゛!
ついつい いつものくせで "陽子" と書いてしまった。
間違ってはないんだけどなぁ… とココロの中では思いながらも
口には出せるはずもなく…
しかもなぜか口座をつくりたかっただけなのに、
別のところに連れてかれて、あれやこれやと質問攻め、
調べられること1時間。
取り調べか!!
わたしは日本ではやっぱり外国人だから、
法的上にたくさん制限があるの。
みたいになってもあたしは行けない。
車も家も、ローンが組めない。
ビザの更新が近いと、携帯すら契約できない。
わたしが海外旅行に行くには、
市役所、銀行、旅行会社、保険会社、あちこち駆け回って
お金を払っていろんな書類を作成してもらって
両親は行かなくても なぜか両親の会社証明や銀行残高、
しまいには親子証明をする書類。
十何枚のもいろんな書類を持って、
午前中しかやっていない大使館の領事部に提出に行く。
それから待つこと2週間、長いときは1ヶ月
大使館からの連絡がきたらビザが発行される。
つい半年前、わたしはスペインに行こうと
書類をそろえて大使館へ向かった。
待つこと2週間、大使館から一通のメールが。
"今回はビザを発行することができません。"
次の日 朝一で領事部に向かい かけ合うが、
相手にもされず書類を突き返される。
大使館を出て歩いていると、
なんだか涙が 止まらなかった。
六本木のビルに囲まれてあたしは号泣した。
なんで?なんで??なんでなの??
なんであたしは旅行にも行けないの??
急にいろんな思いがこみ上げて
あたしはその場で泣き崩れた。
くやしかった。
悲しかった。
急に日本が遠く感じた。
いくら日本で成長していても、
いくら日本語を話していても、
いくらみんなと同じように生活していても、
あたしはみんなとは違うんだ。
こんなに心が日本でも、
やっぱりあたしは外国人なんだ。
時が経てば、こういうこともなくなるのかな?
あたしの子供が大きくなるころには
こんな思いしないですむかな?
もっとみんなが自由に行き来できるかな?
あれ?ごめん!なんの話してたんだっけ??
あ!漢字だ、漢字!
だいぶ話がふくらんでしまった。
なんだかちょっぴりセンチになってしまったので、
漢字の話はまた今度!
yoko