「The MELT -Cross of Roots-」(5月2~5日、KOSE新横浜スケートセンター)には、エンターテイナー・高橋大輔が歩んできた道程が凝縮されていた。


「 The MELT 」とは2017年から開始した「氷艶」シリーズで共演したメンバーが集うアイスショー。他分野で活躍する演者達が、氷上で華麗な演技を繰り広げる。


氷艶第一弾「破娑羅」で舞った『阿国の舞』を

今回はスケート靴を履いたまま、氷上に設えた板上では無く、氷上を滑りながら表現する、原点回帰とも言える作品として再演された。


公演の中盤、「始まりは『氷艶』」というアナウンスが流れた後、高橋が登場。青い縁取りが鮮やかな和風の衣装を身に着け、歌舞伎役者のような隈取りをほどこした顔の半分を白い仮面で覆っている。長唄の速いリズムを細かい手の振りで表現し、高橋ならではの深いエッジワークを駆使して、グルーヴ感を氷上から客席に広げながら滑っていく。リンク外のエンターテインメントを経験して得たものを再びスケートに還元するパフォーマンスに、大きな喝采が送られた。


K7D1は『 黒い鷲 』を「LUXE」以来5年振りに披露した。それは、プロとして磨いてきた魅せる技術が滲み出て、さらに深みのある演目に進化していた。名プログラムの再演に膨らんだ期待を上回ったパフォーマンスであったことは、滑り終わった二人に送られた盛大な拍手に表れていた。


高橋がスケーター、そしてパフォーマーとして得てきたものを開花させた「The MELT」。彼が進む唯一無二の道を示すアイスショーたった。



AERA DIGITAL(文:沢田聡子)より

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