重症筋無力症で症状が悪化し即座に回復しないといけない状況での治療は大きく分けて3つあります。

1、ステロイドパルス療法

ステロイド(プレドニゾロン)500~1000mgの点滴を3日行います。 

重症筋無力症はステロイドを身体に入れる事で免疫の抑制が働き症状を抑える効果があります。


副作用としては一度に大量のステロイドを一気に入れるので投与後3~5日くらいに初期増悪の可能性がでます。その他ムーンフェイスや不眠 細かいのはもう少しあります。


メリットは短期間の入院で効果がでる。 


2、免疫グロブリン療法

免疫グロブリン製剤(免疫グロブリン抗体を点滴を3~5日ほど行います。 これを1クールとして効果が現れない場合は2クール目をおこないます。

症状が軽い場合は通院などで週1で4回1クールとしても行う時もあります。

血液製剤なので輸血同意書記入があります。


副作用としてはアナフィラキシーショックや急性腎不全など輸血の時の副作用と発熱や悪寒などがあります。


メリットは効果の即効性が高い。 重症筋無力症だけでなく多くの免疫系の病気に使われている。

入院でも通院でも行う事ができる。


3、血漿交換療法

単純血漿交換-血液を血漿分離機で血球成分と血漿成分に分離をし除去した血漿成分と同量の補充液(新鮮凍結血漿)を身体に戻す。 

免疫吸着-血液を血漿分離機で血球成分と血漿成分に分離をし血漿吸着器(フィルター)に抗アセチルコリンレセプター抗体を吸着し除去をして身体に戻す。 

この二種類が血漿交換にはあります。 

2日に1度約二時間月に最高7回までが保険適用なのですが5回ほどやればかなり回復する。

ステロイドパルスや免疫グロブリンは点滴でしたが血漿交換は首もしくは太ももからカテーテルを入れます。その際麻酔などをし入れていくのですが押し込むので結構な痛みあり。 


副作用は感染症(首にカテーテルを入れてるため)低血圧など


メリットは即効性が一番ありかなり抗体値も下がりますが首にカテーテルを入れるなど他2つに比べるとデメリットもあります。


自分は血漿交換とステロイドパルスしか行っていないのですが入院までの症状なら血漿交換で即時回復が個人的にはいいと思い治療してます。 ただ感染症など大きなリスクもあるので担当医と相談ですね。 


症状立ち上げを優先するなら血漿交換からのステロイドパルスもしくは免疫グロブリンからのステロイドパルスなども有効らしいので治療の一つとして報告させていただきます。 逆に免疫グロブリンからの血漿交換はグロブリンが血漿交換によって除去されてしまうようなのでほとんどやらないとのことでした。


今回は緊急性がある時に行う対処療法の説明でした。次は分子標的薬 ウィフガードやユルトミリス等をかいていきます。