桐光学園高校を見学に行った日。私の心はザワザワしていました。

 

「そうか、桐光学園に英検2級で単願推薦を志願して、さらに一般入試で特待生枠を取って学費免除という選択肢は確かにある。この選択肢はもしかして検討に値するものなんじゃないか。」

と思い始めました。

 

以前にも書いた通り、娘の成績は社会と理科がどうしても伸びず、英語と国語で点数を稼ぐ典型的な「3教科タイプ」なことはわかっており、本当は3教科の私立向きなんです。もしも学費が免除になるのであれば、神奈川県私立の名門である桐光学園に入学するのはあり得るストーリーなのではないか?と妄想し始めていたのです。

 

そんな折、娘から「特待生を取れば桐光学園に行かせてもらえるならそうしたい」という発言が。

一応娘なりにネットで色々と調べて考えたようで、

・このまま5教科で苦戦して希望する公立高校に行けるかどうかわからないし、同じ苦労するならネットで偏差値70と表示される桐光学園にチャレンジして苦労する方が良い

・桐光学園に入れれば大学の推薦枠もたくさんあるので大学受験で苦労しないで済むかも

・学校の雰囲気も制服も良かったので自分としては行きたいと思えている

 

といったことのようでした。娘は無駄な事をするのが大嫌いで、超合理的な性格なので確かにそう考えてそうだなとは思ったのですが、「結果がどうあれ桐光学園には行けるから、この選択肢の方が自分にとって都合が良い」ともご都合主義に考えていそうな雰囲気も感じ取りました。

 

そこで家のホワイトボードに娘が取りうる選択肢を書いてみました。

 

【選択肢A】特待生が取れた場合

・大学で思いっきりJKとしてエンジョイしてよし

・クラシックバレエもそのまま通ってよし

・大学も推薦枠を取れればどの大学へ行っても基本的にはOK

 

【選択肢B】特待生が取れなかった場合

・大学は国公立のみで私立の学費は出しません(自分で払うならいいよ)

・桐光学園の国公立大学推薦はたった2校しかなくほぼ無理だから地力で受験合格するしかない

・国公立大学に合格しなかったら高卒で働いてもらいます

・クラシックバレエはやめてもらいます(自分で払って習うならいいよ)

 

他にも公立高校を目指す場合なども書き出しましたがここでは割愛します。

要は桐光学園特待生チャレンジがいかに自分の人生にとってリスキーであるかを理解させようとしたわけです。

娘は少し考えこんだようでしたが、「チャレンジしたい」とハッキリ宣言しました。

 

私もその場では即答せず、本当に可能性があるかどうか、このチャレンジに投資してよいのか冷静に考えました。

娘の今の実力では、桐光学園の一般入試で合格することも難しいでしょう。

なのに目指すのはその合格者たちのトップである特待生枠です。受験日まであと2か月ちょっと。

普通に考えてたら無謀なチャレンジですし、完全なギャンブルです。

 

ですが、娘は定期テストなどでも時々信じられないような集中力を発揮することがありました。

プロ選手が持ついわゆる「ゾーン」のような状態とでも言うのでしょうか。

そうなると別人のように我を忘れて勉強に没頭するという姿を何度か見てきたことがあり

(これを毎回やってほしいのですが世の中そう甘くはない)

この子がその底力を発揮できればあるいは届くかもしれないと思わせる何かを持っているのも知っていました。

 

悩んだ末、このチャレンジに賭けてみる事に決めました。宝くじは買わなきゃ当たらない。

娘を呼んで「取りに行くぞ特待生。君の可能性に賭けてみようじゃないか。」と宣言。

 

自分がどこまで冷静に判断できたのかわかりませんが、山は高くても道がわかりやすい方がいいはず。

そんな事を思っての決断でした。あまりにも突然の方向転換になりましたが、決めた後は気持ちはスッキリ。

あとは選んだ選択肢を最良のものにすべく全力疾走するだけです!