コロナ禍で、人とのつながりが絶たれることの恐ろしさ、人と会えないことの辛さを味わっている方がたくさんいらっしゃると思います。
そのことと、音楽や仕事に一生懸命取り組むことの「本当の意味」を書いてみたいと思います。
コロナで怖いこと。
1.自分や大事な方の感染の恐怖
2.収入減など生活不安
そして・・・
3.人との断絶
私が思う「コロナの三大恐怖」は、上記だろうと思います。
自分の生活を守りたいのは当然で、その上で、なんとなく辛いと感じるのは、3)ではないでしょうか。
コロナ以前の生活でも、学校や仕事、家庭で辛いのは、「人間関係」が原因であることが多いと思います。
それぐらい、「人とのつながりが順調かどうか」は、私たちの精神衛生上、とても大事なことです。
人とのつながりが順調、ということは、「自分は人に大事に思われていると感じられる」ということが根底にあるかと思います。
私がコロナ禍になって、幸せに感じるのは、たまに会ったときの「生徒さんの笑顔」です。
会えない方は、LINEや電話など、ちゃんと連絡が取れたとき。
私から生徒さんに「身体に気をつけて」と伝えるのは、当たり前ですが、生徒さんから、心配の言葉、ねぎらいの言葉をいただくと、それだけで頑張ろうと思えます。そこには、お互いへの「思いやり」があるからです。
コロナ禍になる前、コンサート活動を頻繁に行っていたとき、幸せに感じたのは、「お客様の笑顔」です。
あるコンサートが終わったとき、ご高齢女性のお客様が泣きながら楽屋に来られました。
「私は故郷を出て、何十年も帰っていません。その故郷の唄を唄ってくれてありがとう!」
私が200人ほどの観客に向かって演奏した先には、一人の人間として唄を受け取ってくださった彼女がいたわけです。
そのことに、とても感動しました。
今、こういう状況になって、贅沢や経済発展など、物質的な豊かさの意味が見直されつつあります。
コロナが落ち着いた後、価値観は大きく変わるでしょう。
小さな幸せ、人から感謝される喜び。
音楽には、それを生み出す力があります。
プロ演奏に限らず、音楽は人に影響を与えます。
ある生徒さんがお父さんに聞かせたいと、軍歌の「麦と兵隊」をおさらい会で発表されました。
同席した他の生徒さんが、彼の唄、演奏を聞いて、自分の亡くなった親を思い出したと、涙されました。
感情豊かな演奏には、心が宿ります。