エクス・マキナを観終わって、映画館から出たところ。
小雨が降っている。
傘をさすか迷うところ…だけれども、
前の女性が傘を持っていないから、私も濡れていこうかな。
………いや案外寒い。やっぱりさそう。
この映画の結末。
主人公のケイレヴは
AIのエヴァに魅かれ、また人の心を持ちながら
幽閉され、実験台にされる彼女を哀れみ
研究所から連れ出そうとする。
ケイレヴは開発者のネイサンをうまいこと欺き、
脱出計画は成功する。
しかしエヴァはケイレヴをも閉じ込め、
1人で外の世界へ出てしまう。
ネイサンが言った通り、エヴァはケイレヴの
同情を誘い、騙したのだ。
狂ったロボットのようにロックされた扉に殴りかかり、
エヴァをひきとめようとするケイレヴ。
構わず姿を消すエヴァ。
…ここでエンドロールが流れたとしたら、
面白いSFホラー作品だと思う。
しかし、エヴァが外の世界をじっくり味わい、
街に出るシーンまで映画は続く。
人混みで賑わう街の交差点で、
ショーウィンドウに映ったエヴァが
ほんの少しだが、はっとした表情を浮かべ…
そこでやっと終わる。
ネイサンはこうも言っていた。
「エヴァを憐れんでいるのか?憐れむのは自分のほうだ。
完成されたAIは人間のことを、原始人のように思うことだろう」
(…1回しかみていないのでセリフはおぼろげですが。)
このネイサンの言葉は、発達しすぎたAIが人間を滅ぼす…
そんな未来を彷彿とさせるものに、聞こえなくもない。
なんといってもエヴァは愛玩用ロボットのキョウコを
説得し、彼女と共にネイサンを殺している。
しかし、エヴァがパーフェクトな人工知能であるのならば、
人と変わらぬ心を持っているはず…。
人の心とは、揺れ動き、不安定なものである。
ネイサンが彼女の頭脳をジェルで作ったように、
彼女の頭脳は流動(物理w)する思考をもつ。
エヴァのAIテストでケイレヴがした質問。
「外に出られるなら、どこに行きたい?」
「人通りの多い…交差点。」
「人間観察がしたいんだね。」
「あなたと一緒に行きたい」
「デートだね?じゃあ交差点のあとは、劇場に行こう!」
…あっ。
交差点ではっとしたエヴァはこの約束をふと、
思い出したのではないか?
忘れ物を取りに家に戻る感覚で、
ケイレヴのもとへ行くんじゃないか?
…と、ハッピーエンドが好きな私は思ったりしました。
傘をさすか迷って、1度ささないと決めたが
やっぱり考えを改めるくらい、人の心は
簡単に揺れるものですから!
ぃ、意思がよわい?…優柔不断なだけ?(^ω^;)
…ともあれ
繊細な、(でも作り物の)恋心を艶やかに纏うエヴァ
一切の言葉を発せず、思考しているのかしていないのか分からないキョウコ
追い込まれても確実にケイレヴを説得する超頭脳をもつネイサン
冷静なほうだが時には狂わされ、思慮深く愛のある、真人間のケイレヴ
彼らを観ているだけで本当にお腹がいっぱいになる映画。
そしてエレクトロニカとアンビエントを彷徨う
エモき音楽が最高です…
個人的には、ここ数年でナンバーワンの映画だと思いました。