喧嘩の次の日。


元々午前中に美容室の予定を入れていると言っていた夫は
すぐに家を出てしまい


家にいると色々考えて嫌だったので
息子、娘と公園に行く。


お昼の時間も過ぎて一度帰宅したが
夫はまだ帰っていないようだった。



なんだか家を離れたくて
昼寝している娘を抱っこ紐に入れて
元気いっぱいの息子の手を引き街に出かける。




娘の洋服を見たり
子どもたちとカフェで軽食をとって



夕方外に出ると、
気づけば街ではクリスマスの飾りやイルミネーションが始まっていた。



時刻はもう16時半になっていた。



子どもたちも一緒で
普段なら帰宅する時間だ。



さすがにもう帰ろうか…と迷っていたら


タイミングよく
隣県に住む妹からメールがあり
近くに来ていて早めに用事が終わったから少し会わないかとのこと。



子ども達を連れ回して大丈夫か少し心配になったが、
昨年末会えず、今年はコロナの件もあって子ども達は1年以上会えていなかったので、
会うことに。




久しぶりに会った妹は、
なんだか大人っぽくなった気がして、
ふと時間の長さを感じる。



デパートの屋上でイルミネーションをやっていて
時間的に人も少なかったので
腰を下ろして妹の近況を聞いた。



妹は私と比べて自由を大切にする生き方をしてきて、今も恋愛や遊びを楽しんでいる。



私は社会人になって数年はブラックな部署で、精神的にもきつく、
その部署からの異動に合わせるように結婚、出産をしているため、



自分が経験しなかった、
華やかな20代を生きる妹の存在は
まるでテレビ番組を観ているように
刺激的で眩しくて、いつも話を聞くと面白くて元気が出る。



少し元気が戻ってきて、
私も夫との喧嘩の話を愚痴る。



自分の話…特に暗い話をするのが得意ではなく、解決した後に話すことはあるが、悩んでいるときに人に話すことが少ない。



そのため、少しずつ溜まる鬱憤を
発散することができず、
積もり積もってしまうのが私の悪いところだ。


ひととおり経緯を話して


「ごめんなさいが照れ臭い人だから
きっと、このままスルーしてたら、
花束とか買ってきてご飯作って、
それで許してって顔するよ」



私が言うと、妹も



「ごめんって言葉ひとつだけでいいのにね」



と同調してくれた。



口に出して妹に話を聞いてもらうと
本当にくだらない、夫婦のすれ違いだなと気づいて恥ずかしくなった。



それでも笑い飛ばすことなく、
話を聞いてくれた妹に感謝し、
時計の針が18時を指すころ解散した。




ちょうど解散した頃に
夫からメールが来ていた。



昨日はごめんなさい
いい夫婦の日ということでご飯を作ったから
帰っておいで、という内容だった



子ども達も連れ回してしまったことを反省しながら、メールには返信せずに帰宅した。




夫は帰宅した私を見て


「これ…」


と隣の部屋から大きな紙袋をとってきた



中から香りの良い
私の好きなピンク色の花束を取り出す。




やっぱり。花束。



予想が的中したことで、

少し笑ってしまった。




「ご飯ももう少しでできるから」




私の頬が緩んだのを見て
ほっとしたように夫が言う。



ちょっと躊躇ったが、
なぁなぁにしたくなくて、



「あのね、昨日の件だけど、正直私のこと人間として対等に思ってないなと思えて嫌だった。
私は、たとえば同僚や友人よりも、あなたのことを尊重して生活してる。
でも、あなたは他の同僚や友人に対する態度よりも私への態度の方が悪いよね?
なんだか下に見てる?
それならもっと尊重できる他の人と暮らせばって思うよ。」



「そんなつもりはなくて…
でも、確かに他の人に言われても「悪ぃ」って流せるかもしれない。これからは気をつけます。」




夫も、これ以上弁明したり、言い争っても仕方ないと思ったのだろう。


特に反論せず、

私もそれ以上は言わず、




綺麗な花束を花瓶に移して

作ってくれたご飯を一緒に食べた。




その後も結局細かい家事を

私がひとり忙しなく行うのを

見ているだけなのは変わらなかったが



夫は喧嘩が終わったーと上機嫌で、

私も家事のことについては

他に何を担当してほしいかなど

上手く考えがまとまらなくて

昨日は何も言えずに終わってしまった。




ずっと冷戦状態が続くよりも

こうやって態度では反省を表してくれるだけ

いいのかな…と思うこともあるけれど

反面、100%無理!!と思える出来事がないから

優しいときがあるから

こうやって同じような喧嘩をして

そうして今日も家族でいる。




どこがゴールなんだろう

自分の中の理想さえはっきりしない