作品名:坂の上の雲
司馬遼太郎は、この作品を書き上げるのに
構想5年、そして執筆に5年弱、約10年という期間をかけたそうだ。
執筆を終えた時には、普段感傷を覚えない筆者も呆然とした。と書かれていたが
今回読んだ版でも全6巻、各巻約450頁にわたる大作だった。
読むだけの私でしたが、それでも読み終えた時は呆然とした。
読み終わった〜って感じだった。
公式書類からの内容はもちろん、戦後に関係者から聞いた話として
人に語った内容や、従軍兵が家族に出した手紙や手記などさまざまな
記録を調べ尽くし、さらに戦争当事国以外の同盟国や周辺国の記録、
当時のことがわかる全ての情報を取材に取材を重ねて拾い集めたんだと思う。
ものすごい膨大な情報を元に
これだけの長編を書き上げるって
作家の頭の中ってどうなってんだろうかね。
私なら途中で前後の繋がりがわからなくなって飽きて放り投げてしまうな。
ほんと凄い作業だね。
小説なんて書いたことないけど
書き上げて呆然としたというのがわかる気がする。
内容の方はというとは、秋山兄弟の軍人と友人の正岡子規を主人公として
彼らを通して明治や日露戦争の戦況について、陸軍や海軍の戦いっぷりが
詳細に描かれている。
多くの方がこの戦争で亡くなられているが、
小説からは、その凄惨な惨状を強く感じることはなかった。
そういう事を訴えているものではないように思った。
明治と明治の日本人の思想というか生き様というか
信念なのか、何かそういう類のものを伝えたいのかなと思った。
先頭当事者達側の話が主だったので
その反対側にいる一般の人たちが
この当時どのように思っていたのか知りたいと思った。
小説では国民の意思も対戦に傾いているように感じたので
実際にはどうだったのかと思う。
映画、二百三高地では戦争反対と叫んでいる人々が描かれていたが
実際はどんなだったんだろうか。
他にも戦時中の暮らしはどんなだったのかな、とか。
さらに小説の中で軍人達は漢詩を詠んだりするシーンが書かれている。
今の人たちに漢詩って馴染みなさすぎではないですか
学校で習うぐらいですよね。
普通に詠んでたってのが不思議だった。
あと引用される手記の内容が、カタカナ混じりだったり
明治って昭和とは一線画していますね。
江戸の色合いを濃く残してるんでしょうね。
そういう違いが感じられたりしてとっても面白かった。
なんせ読み応えは十分にたっぷりとある小説だった。