新宿版 千一夜物語【1】 | SHAKALABBITSオフィシャルブログ「Vamos A La Marcha」Powered by Ameba

新宿版 千一夜物語【1】


1968年、初演のポスター
2015年、再演のポスター

47年もの時を超えて、現代の『新宿版 千一夜物語』が
鮮やかに動き出し、夢かと思うような一瞬で
幕を閉じました。

わたし演劇のことは何も分かりません。
寺山修司を知ったのも、宇野さんの絵に魅かれてからで
駄作と言われていたらしい今作も
再演不可能と言われていたことも
理由はたくさんあるのでしょうが。。
こんなに面白い奇跡に巻き込んでもらえて
めちゃくちゃに幸せ者です。

以前から宇野さんに誘ってもらい
Project Nyxの作品を何作か観劇していました。
前回の『宝島』公演の終演後に
プロデューサーの水嶋カンナさんに本をいただき
「絶対Shakalabbitsに出てほしいの!!」と
最初は未知すぎて想像がつかなすぎたのと
宙ぶらりんなバンド態勢でもあったので
現実味がなかったのです。
でも何だかブンッと引っぱられて
「やります」って言ってしまった。
とにかく本が面白かったから、、、
だけどどうやって音楽を絡めてゆくのか、、、

まだ真っ白状態の昨年の9月中旬、フライヤー撮影で初顔合わせ
役者のみなさんに混じって新鮮かつフワフワしていた記憶。


いま見るとこの写真、未知が溢れていて面白い、、

10月、本を何度も何度も読んで戻って進んで戻って
Shakalabbitsの既存曲から自分なりに選曲

すると不思議と、宇野さんに出会った頃の楽曲たちが光った。
2007年、4枚目のアルバム『嘘を混ぜ込んだ真実のスープ』から
"ダズリングスープ" "少年と白い犬" "MutRon"
カンナさんが好きな"満天の星を探そうとも空は見ない"も候補で。
2005年の"SADISTIC AURORA SHOW"
去年リリースしたミニアルバムから"Hello World"


11月、劇場下見/音響打ち合わせ/本読み/懇親会


本読みの時までどう聴こえるかわからなかったけれど
本の中、お芝居とお芝居の間に書かれた詩が
自然に繋がってみえたのです。
演出の金さんから「本当に寺山のこと知らないの?」と
「予言していたかのようだ、運命だね」と言ってもらい
そこで初めて前進した気がしたのでした。

12月中旬から稽古に参加
稽古場でズンズンギャンギャン
新宿のマグマ化、がShakalabbitsの役割
というヒントを得ました。
それは光がバシューンと突き抜けた時。

まさかお芝居ゾーンにも参加するとは
思ってもみなかったけれど、、、


金さんのアイディアで、我々は学生運動のアジトにて
麻雀に明け暮れる学生を演じることに。
しかもキャプテンと私はセリフを与えられた、、、!!!!
麻雀やったことないし、勝手が分からないので
とりあえずAmazonで麻雀セットを買ったのだ。
練習する隙はなかったけれど、、笑

クリスマスにはパンフレット撮影をしたり
役者のみなさんと飲んだり食べたり
稽古場の"満天星"の居心地も良く
年末最後の稽古では、年明けにまた会えることが
楽しみで仕方なかったのです。




年明けて1月7日、キャプテンの誕生日にレコーディング
まぼ誕おめでとう大きくなったね。


歌入れ終わってからは、ほぼ毎日、満天星に通って
通し稽古やフィッティングや積込み
私物のコートを宇野さんにリメイクしてもらったり
バスドラのヘッドに魔法をかけてもらったり



1月14日、東京芸術劇場入り
今までイメージデザインや想像上のセットだったので
この世界の中で演奏できる喜びでもって場当たり




↓まだツノやシッポが生える前
メイクもライト


1月16日、公演初日
女子部屋のうきのこスペースを盛り上げ



本番ギリギリまで場当たり
いざ、始まるとあっと言う間に初日は終わっていた、、

今までホールでライブすることはあっても
観客席の全員が静かに座ってという場面で
演奏をしたことがないので、まったく初めての感覚でした。
いつも同じ空間にいるメンバーはずっと2Fに居る。
顔が見えない、熱も、音もそばにない。
異空間で4つの音を合わせる難しい宿題。。

拍手がある時とない時と、どちらが正しいもなくて
どう受け入れられるのが正解、と言うのもなくて
ただ観客席からの眼差しに対して、体中で返す
お芝居のエネルギーを受けて放つ、または鼓舞する
こちらから仕掛ける
日に日に面白くなってきて、それはおんなじ日がないからで。
新宿のマグマ化に終始集中できたのも
キャスト、スタッフみなさんのおかげなのです。



つづく