みなさん、こんにちは!

 

今回は、福沢諭吉『学問のすゝめ』の紹介、最終回ということで、まとめに近いことを書いていきます!

 

福沢は、『学問のすゝめ』の後半部分で、次のようなことを主張しています。

 

○議論はとても大切である。日本の人は、これが苦手。議論とは、個人個人の心の中にあるものを、言葉にして発したり、書いたりして人に伝えていくことである。「議論」や「演説」こそ、堂々と個人の考えを主張し、世の中を変えていくための一歩となるものであり、どんどん推奨すべきことである。

 

○一方、議論するにしても、演説するにしても、自分自身の心の中でしっかりと考えを深め、それを人に伝える話し方、タイミングなどはよく考えなければならない。むやみやたらと喋るのが正しいわけではない。何度も繰り返すが、自分の心の中でしっかりと考えることが大切なのである。

 

○しっかりとした志・決意をもち、世の中のために働いていこうとすることが大切。それができない人は、やたらと愚痴を言ったり、自分の不遇を嘆いたりする。自分の心の中で考え、決断し、動いていこうとする気持ちがやはり大切なのである。

 

自分に関わりのある分野に限らず、たくさんの人と出会って、学びを深めていくべきである。学者が学者だけで交流していたり、医者が医者にしか会っていなかったり、かつて同じ塾で学んだのに社会人になってから立場が変われば全く会わなくなるなど、良くないことである。単に友達を増やすためだけではなく、たくさんの人と交流することで、自分自身の考えや学びも深まってくる。あまり制限をかけず、どんどん人と出会って、交流していくことが、自己研鑽にもつながるのである。

 

 

福沢は、『学問のすゝめ』の中で一貫して、「自分で考え、学び、行動していく大切さ」を訴え続けました。ただ権力者から言われたことを鵜呑みにして、考えずに動いている当時の人々(江戸末期~明治初期の人々)に警鐘を鳴らしたのでしょう。しかし、このことは、現代に生きる私たちにも大切なことを教えてくれています。私たちもついつい、自分で考えずに動いてしまうこともあります。「組織で決まってるから」「上司がそうしろと言ってくるから」「自分が何をしても日本が変わることはない」「教育委員会が言ってくるから」などと言い訳をして、自分のため、社会のために行動していくことを忘れてしまうことがあります。それで自分の人生が充実するわけがありません。社会がよくなるわけがありません。福沢が言うように、一人一人の自覚を深めていくことが、現代でも大事になってくるのです。

 

あと、福沢が主張する「人と出会う大切さ」は本当にその通りなのですが、私はこれを読んで、出口治明さんのことを思い出しました。出口さんは、私が尊敬する人物で、「日本生命→ライフネット生命立ち上げ→立命館アジア太平洋大学学長」という経済界から教育界まで、様々な立場を歴任され、本も一万冊を読破されているすごい方なんですが、出口さんは各著書の中で常に「人・本・旅」の大切さを伝えてくれています。人と出会うことで、自分自身だけでは見えないような世界に出会うことがあり、それが、自分自身の考えを深めたり、新たな人生経験を積むことにつながったりします。福沢諭吉と出口さんの主張は一緒だなぁと思いました。出口さんの著書、私は10冊以上持っているので、また読み返そうという気持ちになりました。また新たな道が見えましたね!

 

さてさて、ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございます。私、自分なりに決意して、「古典」をもっと読んでいこうと考えているんです。社会科教員として、古典からもっと学ぶべきだと、37歳になった今、つくづく思うのです。上記の出口治明さんも、古典をもっと読もうと各著書で主張されています。

 

今回は、福沢諭吉『学問のすゝめ』に大変お世話になりました。またこれからも、私が読んだ古典についてどんどん紹介していきます。みなさんも、もしお時間があれば、私の文章を読んでもらい、「ふ~ん、その人の名前は聞いたことあるけど、そんなことを考えてたんかぁ」と思ってもらえたら幸いです。

 

ということで、長々とお読みいただき、ありがとうございました!

 

またこれからもよろしくお願いします!!