本年も良い年でありますように
正月(一年の節目の行事)
年神様を御迎えして、新年の幸運と繁栄を祈るもの
「元日」と「元旦」の違い
◯元日は一年の最初の日、正月一日
◯元旦はとくに正月一日の朝
正月飾りで年神様を御迎え
◯正月の飾り物には、それぞれに大切な意味が込められています。
門松は年神様が降りてくるときの目印
鏡餅は新しい年の命の象徴
しめ飾りは神様を祀る清らかな場所
正月飾りを飾るタイミングは、十二月二十日〜二八日の間が良いとされます。
三一日は「一夜飾り」になるという理由から避けます。取払う日は六日、七日、十四日と地域によってちがいがあります。
「年神様はどんな神様」
穀物に実りをもたらす農作物の神様で、
「正月様」「歳徳神」とも呼ばれます。
また、民俗学者の柳田國男の説によれば、年神様は先祖の霊でもあると考えられてきました。先祖の霊が春に里に降りて田の神となり、秋の収穫が終わると山に帰って山の神となります。正月には年神となって訪れ、七日頃か、あるいは遅くとも左義長の煙に乗って帰るとされます。現在では、毎年の正月に年神様を意識することはありませんが、おめでたい気分を味わいながら、さまざまなしきたりのルーツやいわれに注目してみると、新しい発見もあります。
ありがたい「御来光」
年が改まった朝に昇る太陽が、初日の出。海や山など長めの良い場所に人々が集まり、初日の出を拝む様子は、元日のニュースなどでもおなじみの映像となっています。中でも高い山頂などで迎える日の出は「御来光」と呼ばれ、特別にありがたいものとされます。
二日の夜見るのが「初夢」
「初夢」は新年最初に見る夢のこと。古来大晦日は眠らずに元旦を迎えていたため、初夢は元日の夜に見る夢を指していました。それが後の時代に、仕事始めなどが二日に行われたことから、初夢も二日に見る夢とされるようになったものです。
縁起が良い夢は「一富士、二鷹、三茄子」とされます。
フジは日本一高い山だから、鷹は「高い」に通じ、茄子は「事を成す」として高い志を実現できるからとされますが、別の説(徳川将軍家とゆかりの駿河の国(=静岡県)と関連付けるもの)もあります。
七福神を乗せた宝船の絵に「長き世の戸をの眠りの皆目覚め波乗り船の音のよきかな」という回文(上から読んでも下から読んでも同じになる文)をそえたものを枕の下に入れておくと、よい初夢が見られるという言い伝えがあります。
いっせいに年を取る「数え年」
現在、年齢は誕生日を区切りに「満年齢」で数えますが、これが取り入れられたのは明治時代のこと。そっれ以前は「数え年」が用いられていました。
数え年では、誕生日と同時に一歳になり、そのあと正月を迎えるたびに、一つずつ歳を重ねていきます。
つまり年末に生まれた赤ちゃんなら、数日後の正月にはもう二歳になるわけです。
数え年は年神様の信仰と結びついたもので、正月には年神様が「魂(年玉)」を与えると考えられていました。
かつては正月は、みんないっせいに年神様から年齢(魂)を与えてもらう行事でもあったわけです。