『風とともに去りぬ』 マーガレット・ミッチェル | ほんとなかよし

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輝く美貌と、火のような気性の持主スカーレット・オハラが、南北戦争時代に波瀾の人生と立ち向い、真実の愛を求める壮大なドラマ。


内容紹介より


南北戦争という風が吹き、アメリカ南部白人貴族文明が去ってゆく激動の時代を不屈の精神と類稀な熱情をもって生き抜き、真実の愛を求め続けたスカーレット・オハラの青春~青年期の物語。著者マーガレット・ミッチェルは病弱であったこともあり「風とともに去りぬ」以外に執筆はなかった、1936年に発刊、ピューリッツァ賞を受賞し1939年同名映画「風とともに去りぬ」が世界的空前のヒットを期に不朽の名作となる。日本でも敗戦と復興の時代がシンパシーを呼び広く長く愛読される一冊となっている、また帝国歌劇団や宝塚による演劇で広くファンを集め知名度も抜群の作品といえる。超大作ではあるが主人公スカーレットが青年期で終幕を迎える事から続編を望む声が強かったがマーガレット・ミッチェルは生涯続編を発表・言及する事は無かったという、2011年に著作権が失効する事で無用で低級な続編が出現しない為にと著作権相続人が続編執筆を有名作家に依頼、1991アレクサンドラ・リプリー「スカーレット」2007年ドナルド・マッケイグ「レット・バトラー」が公式続編として発刊されている。超大作の続編だけに評価は非常にシビアであるが注目の価値はあり。「風とともに去りぬ」は奴隷制度の残っていたアメリカ南部が舞台の作品なだけに、白人至上主義的な観点の作品と度々非難が絶えない作品である、差別と実際に立ち向かった人々の意見は尊重しなければならないし、黒人差別に馴染みの浅い一日本人としての見解であると前置きした上でこの点を考察したいのだけども、「風とともに去りぬ」を読み黒人差別問題に話題を持っていくのは作為的すぎるし本当に作品を読んだのかと疑いが生じる。たしかにそういった主張が生まれても変ではないある種奴隷制度を美化した描写が多いと感じる事は事実だが「風とともに去りぬ」はまさにスカーレット・オハラの人生でもあり人物そのものが描かれた作品である、様々な苦境や困難を激動の時代の中で打ちやぶり生き抜いた一人の女性の物語、彼女は狙った獲物は確実に手中に収めるある種欲求の塊にも近い人間元来のバイタリティを備えた人物である、社会や世間がどうなりどう思おうとも自らの信念と目標に向かってひたすらに前進し続ける!周囲の酸素を糧に燃焼し火の玉の様に転げる彼女の人生を前に下らない世間の論争なんぞは脇に追いやられる事だろう、彼女自身が言っているではないか、戦争だ国家だと言う暇があるんだったら目の前の食事にありつく方法を考えた方が人生にとって大事な事だと・・・一見して厚顔無恥で利己主義的、それでいて刹那主義的なスカーレットは馬鹿で幼稚に見えるかもしれない、世間が狭いといえばそれで終いである、しかし「風とともに去りぬ」の読者でスカーレットをそんな言葉で片付けてしまう人はいないだろうと思う。紳士・淑女の貴族文明は現代に比べると女性と男性の区別をハッキリと線引きした時代だと思う、その文明が破壊され男女の価値観が変容する時代にまさに生きる為に変化した一人の女性!おそらくスカーレットは女性のあるべき姿だとか陳腐な理念があって歩んだ人生では無いだろう、魂を持って自らの人生を切り開くという人間の精神の極みを体現したのではないだろうか?スカーレット・オハラに出会うために「風とともに去りぬ」は読むべき作品といっても過言ではない。そんなスカーレット・オハラの人生を描いた作品であるのに世間一般における差別問題や社会構造に話題を転換するのは如何なものか?本当の意味で作品を楽しめていないんじゃないかと訝しく思ってしまうのは、私が論理飛躍できない凡愚だからなのだろうか・・・この辺りの見解に関しては各々読者に委ねられるべきかもしれません。

最後に、「風とともに去りぬ」を読んで。私はは物凄く恋をしたくなりました!激情に狩られるとはこの事でしょう、火の玉と表現しましたが圧倒的な存在のスカーレットを前に心が揺さ振られました、あぁ一生懸命生きねば!一生懸命愛を求めねば!そんな燃え上がる感想を持たせてくれた素晴らしい作品でした。


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