なんだよ…。なんなんだよ!
あの新聞記事だけ切り取られてるのは
明らかにおかしい。
大野さんは絶対に何か隠してる。
「くそっ…。」
俺は、そう呟いた後
「松本!」
と、櫻井先輩が俺を呼ぶ。
「なんすか…」
俺は、ぶっきらぼうに答えた。
櫻井先輩は真剣な顔で
「その…。お前も…やっぱり、あの事件が智くんに関わっていること 疑ってるのか?」
俺は、無言で頷く。
「俺もそう思う。俺、智くんが海辺で変なこと 言ってたんだ。」
「変なこと…ですか?」
櫻井先輩は頷き
「"翔太兄さん 。俺、あの人達に会ったよ。俺も頑張るからね" って、智くん言ってたんだ。翔太って…あの藤山翔太のことかと驚いたけど。俺がその人 誰?って聞いたら、山崎翔太っていう、智くんが小さい頃 遊んでもらってた近所のお兄さん。でも、その人は自殺した って言ってた。でも、多分、智くんが呼んでた人は、あの藤山翔太と思う。」
「そう…ですか。俺…あの優しそうな大野さんのこと、信頼してたのに…アイツと何か深い関係があるんですよね…。俺、どうしたら…。 」
俺は、俯く。
櫻井先輩は、手を俺の肩にそっと置き
「智くんとあの事件の関係を調べよう。俺も協力するから…。な?」
そう微笑みながら、櫻井先輩は言う。
俺は、あぁ、やっぱり櫻井先輩は優しくて俺の憧れの先輩だな…。撫で肩の先輩だけど。
と改めて思う。
俺は、
「ありがとうございます。」
頭を下げて、微笑んだ。