#タイトルからしてすでに傑作な映画『明治天皇と日露大戦争』1957年 | 戯画日誌

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キネマ旬報でやっていた連載を受け継ぎつつ、アニメーションに限らず映画全般、書きたくなったものを書いていこうと思います。

#タイトルからしてすでに傑作な映画


『明治天皇と日露大戦争』1957年


傑作というかケッサクというか、とにかく一度見たら忘れられないインパクトのタイトル!


ポスターの「大シネスコ」がまたたまりません!

(地方では西本正による別撮影のスタンダード版も上映)


日本映画史上初めて天皇を画面に登場させた作品で、明治天皇を演じたのは戦前戦後時代劇の大スターだった嵐寛寿郎。


初公開時は右だけでなく、大宅壮一らリベラル派も観て「不覚にも涙してしまった」といった記録が残されていますが、戦後の傷がまだ生々しかった頃の日本人の複雑怪奇な心情を露呈させた作品と言えるかもしれません。


観客動員2000万人という記録は、2001年の『千と千尋の神隠し』が登場するまでの日本映画トップ。


因みにこの後、時の新東宝社長・大蔵貢は『天皇・皇后と日清戦争』『明治大帝と乃木将軍』『大東亜戦争と国際裁判』『皇室と戦争とわが民族』と、嵐寛寿郎主演のアナクロ戦争映画を連打。同社倒産後もそれらをまとめた『明治大帝御一代記』や、70ミリ映画超大作『太平洋戦争と姫ゆり部隊』を製作しました。


みんなそれぞれ、すごいタイトルです……。