#みんなはダメだって言うけど自分は良かった映画『黄金の犬』 | 戯画日誌

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キネマ旬報でやっていた連載を受け継ぎつつ、アニメーションに限らず映画全般、書きたくなったものを書いていこうと思います。

#みんなはダメだって言うけど自分は良かった映画
『黄金の犬』

この映画を誉めている評を未だかつて一度も読んだことのない私ですが、酷評嘲笑その他どれを読んでも全然賛同できず、何度観ても荒唐無稽極まる設定の中から全ての登場人物が一匹の犬に某かの奇跡を委ねていく過程に涙してしまいます。

地井武男扮するチェスカを持った凶暴な殺し屋は、日本映画史上に残る優れもの。

これが最後の主演ヒーロー映画となった鶴田浩二の一つ一つの台詞の滋味、特にラストの「冷たいビールが飲みたい」の枯れた哀愁がたまらない!

島田陽子の絆創膏なんてビデオ時代になって騒がれた重箱の隅つつきでしかない。

そして大野雄二のダイナミックな音楽!

山根成之監督、万歳!