■食っていける声優になりたいですか? | たかみゆきひさオフィシャルブログ「shadowcube」Powered by Ameba

■食っていける声優になりたいですか?

言い換えると声優は食っていけるのか!?

生々しい話ですね~。

いよいよ今週末、3月8日に木原浩勝さんとのトークショー( 詳しくはこちら )もあることですし、こういう現実的な話題も書いておきましょう。

声優ってバイトをしないと食っていけないほど厳しいとよく言われています。

ということで、声優は食っていけるのか

「食っていける」というのは即ち「プロ」としてやっていける。
ということでもあります。

プロっていうのは、この資本主義社会に於いて専門的技能を用いて必要とされるものを納め、見合った対価を恒常的に得て生活をしていくということです。
決して学校のクラブ活動の延長ではない。


声優が活躍する場はアニメ以外にナレーションだったり、映画の吹き替えだったり、ゲームだったり、CD出したりなど様々です。
そんな中で近年多いのはやっぱりTVアニメに出たい!という人。

以前にTVアニメをベースに声優のギャランティの話を書きましたが、先日、ブログを読んだという某音響監督さんに「まさしくその通り!」と言って頂きました。恐縮です。
ベテランの音響監督さんにそう言って頂けるととても心強いです。
これね↓

■声優のギャラについて考えてみよう~その1
(↑これ、ちなみに1~4まであります。他のはこちら→その2その3その4

ここではタレントと事務所の取り分の比率を8:2で計算してますが、これだけもらっても全然稼げないということがわかります。

それじゃ、食っていけないのか?

そんな事はありません。
上記のブログでも書いていますが、スタイルキューブではかつて所属してた人も今所属してる人(新人も含めて)でも余裕で食えるほどの手取りの人がたくさんいます。
それはスタイルキューブのマネージメント方針として「プロ」として育てるという部分があるからで、タレントが「食っていける=プロとしてやっていける」ようにしてあげることも事務所の仕事としてはとても大切であると考えているからです。
ネットではどういう訳かスタイルキューブはタレントの取り分が通常の声優事務所に比べて少ないから所属の子たちはギャラもらってないみたいな事言う人がいますが、そんなことはないです。
また、ギャラをダンピングすることで仕事を取って来ているという書き込みも見ますが、そんなこともしません。
そんなことをしたら業界のいろんなバランスがくずれるし、うちの子たちが食っていけません。

うちの場合、仕事をしている子たちがちゃんと食えるほど手にしているのは給与体系が単純歩合とかそんなものではなく、効果的で綿密かつ高効率なマネージメントの進め方をしている結果だったりします。
ネット等では固定の歩合だと思い込んでる人達が殆どだと思いますが、例えば仕事によっては歩合が変動することがあります(これにより、実は最高100%の手取りになることもある)。
このため、10代の新人たちでさえも昨年の早い段階で既に「声優としての仕事で」本人たちより上の世代のサラリーマンより遙かに高い手取りを受け取って、それを維持しています。
この計算方法はここ10年変わっていません。
やめた子たちもみんな同じです。

食っていけるように工夫する、
要はやりかたや工夫でプロとしてやっていけるようになるということです。

とは言え、毎年毎年、もの凄くたくさんの新人声優さん達が出てきます。
そして新人声優がどんどん出てくる現状に合う程 出演の場が増えている訳ではありません。
ということは即ち誰かが引退しない限り、仕事をもらえない声優が年々増えてゆくということになります。
これは必然です。
そして誰にも止めることはできません。

仕事を頂くことができなければ食っていけません。
声優というのは作品なくしてはやっていけない職業です。

声優にとって、仕事があるということはどういうことなのか、
声優を目指す人は今一度きちんと考える必要があります。

作品を作っている方々から「必要とされる」ことが大事。
だから声優は作品を大事にしなければならないし、
この業界からギャラを頂く以上はこの業界全体を大事にしなければならない。

「必要とされる状態」を維持継続できる人が「食っていける人」の第一歩です。
声優を目指している人はそうなれるよう心に刻んで下さい。