汚れた羽根で書く

幻想でしかない小さな物語



綺麗な翼はありません

抜け落ちるのは、汚れきった羽根ばかり

戻らない羽根の色に 今日もまた

静かに 囁きます



広い地上界に下りた小さな天使の話 それは"黒白"

自らを傷つけ 深みにはまっていく虚しい女の話 それは"深紅"


暗薄いお屋敷

眠れないお嬢様

"貴方様のだけに存在する"という者との

深夜の会話 それは"蒼茫"


閉ざされたカーテンを開けることもなく

暗い部屋で 世の中から隔離された青年に届く電子郵便

それは"灰黄"



汚れた羽根で書き綴った僕の物語



3人の人物は各々の役割を終えた

僕は彼らを生かせなかった


僕の描く物語は

ハッピーエンドなんてない



幻想と現実の狭間で

悶えていた僕と

何も変わらない



美しいだけ

彼はきっとそこにいる




今日、

窓の外を見たよ


外はやけに明るくて

太陽に説かされしまいそうだった



閉め切った僕の部屋には

名前も顔も知らない

電子郵便が来る媒体だけがある


汚れた羽根は

足もとに抜けおち


僕はもうヒト

天に昇れない哀れなヒト



お話はここで終わり