1学期の授業もほぼ終わり、この時期恒例の「熱気球実験」を実施しました。かれこれ30年も続けているネタで、いつの時代のどこの学校の生徒たちも、けっこう興味を持ってくれます。一昨年、あるクラスで実験中に、気球が感熱センサーに触れちゃって、全校に非常放送が流れて、たくさんの先生方が血相変えて飛び込んできたのも、今となっては良い思い出だ(笑)

YouTubeに何種類か動画が上がっていますが、私の流儀に一番近いものを紹介しておこう。

https://www.youtube.com/watch?v=3DDOLS75Jls

 

この実験を最初にやったのは秋留台の時で、ネタ本は「いきいき物理わくわく実験」。家庭用のゴミ袋、先が曲がるストロー、アルミ製のケーキカップなど、近所のスーパーで手に入るものばかりで組み立てられるところが画期的だったな。初期の頃は、燃料として固形燃料が紹介されていましたが、重すぎるので、ガーゼにメタノールを染み込ませるのが、今は主流になってます。メタノールもドラッグストアで購入できますが、純度は低くてエタノールが2割くらい混ざってます。この実験にはまったく問題なし。

毎年のようにこの実験をやりながら、私が独自に改良した部分がいくつかあるので、全国の熱気球好きな理科の先生方は参考にしてください。

 

①ガーゼが意外と重たい。メイク落としの方が軽くて、尚且つ燃料を吸い込みやすい。

②燃料入れのアルミカップをそのまま使うと、上が広がっているために炎も広がり、炎上事故が起きやすい。ズンドウ型に整形したら、炎上はほぼ無くなった。

③ゴミ袋の厚さ・・・0.03以上は重くて上がらない。最近は0.015が普通に売ってるから、これを使う。もっと薄いと炎上リスクが高まる。

④糸の先端に願い事を書いた厚紙をぶら下げる。これが無いと、手を放した後、気球が傾いて火が袋に燃え移りやすい。願い事カードは、実は気球を安定させるためのおもりである。

 

⑤口上・・・初めに実験の手順を説明する際、何をどんな風に言うかは重要だ。

教『カードにはみんなの願い事を書いてください。見事気球が上がれば願い事が叶います』

生「え~っ?ほんとなの?」

教『墜落した班は自力で叶えるように。あ、願い事には質量があるので、欲張ると重くて上がらなくなります』

生「やっぱりうそっぽい」

 

では皆さん、よい夏休みを過ごしましょう!