私の読書週間は8月中旬から始まります。年間通して何かしら読んではいるのですが、一番ハイペースになるのが8月のお盆過ぎ。この時期は恒例の旅行に出ますが、私はなぜか旅行先での読書が好きなのだ。旅行なんだから、家でもできる読書なんかやってる場合か?見知らぬ土地の探検に全力を尽くせよ、って思われるでしょう。もちろん探検もするけど、旅行中って意外と空白の時間があるんだよな。


 例えば、私は早起きなので遅くとも7時には起きてるんだけど、他の家族はかなりのお寝坊さん。ここで私1人の時間が最低でも2時間は発生する。テレビもあまり興味ないので、ゆっくり読書ということになるわけだ。今回の能登金沢3日間を振り返ると、金沢では午後いっぱい単独自由行動で、先にホテルに戻った私はゆっくり読書。最終日の朝なんか、6時にホテルの朝風呂行って、上がってからずっと読書。去年の北海道でも飛行機の中、待ち時間でずいぶん読んだな。旭川市内と札幌市内で自由行動したから、その都度本屋に寄って、何か買っては読む。こんなに自主行動が多い家族旅行は珍しいだろうな。


 一昨年はもっと凄い。単独でフェリーに乗って小樽に向かったんだが、16時間もかかる上に殆ど揺れない豪華客船だから、これこそ読書に最適な場所だ。早朝に小樽に着いてからあちこち回って、お昼に旭川空港に着く弦太と合流の予定。旭川空港のロビーには1時間くらい早く着いたから、読書しながら待つ。まあこんな具合ですが、一つ困るのは、旅先で読み終わらなかった本の続き。これがどういうわけだか、家だと読む気がしない。これは旅の中で読んだ本!というイメージが強くなり過ぎるのかもな。仕方ないので、旅行から帰った直後にその本を持って、自宅や職場との接点が無いエリアまで移動して、喫茶店かどこかで続きを読み終えてくる、という面倒なことをやらなければならん(泣)


 ところで、旅先で読むのはどんな本なのかという点ですけど、基本的に小説で、選ぶ基準は特にナシ。ただし、あまり厚い本は、先述した事後処理(?)が大変になるので、できれば薄めのもの。東野圭吾さん好きなんですけど、この基準によって旅先ではボツ。今回は金沢で単独行動中、21世紀美術館を見たあと、香林坊にある紀伊国屋書店に寄る。

 選ぶアテは無かったのですが、ちょっと前に同僚の誰かが、「蛇にピアス」を読んで気持ち悪かったという話をしていたのを思い出して、文庫本の棚を探したら、おっ、手頃な厚さじゃん。芥川賞受賞作品だけど、かなり毒のある小説らしいので、怖い物見たさも手伝って購入決定!金沢の街を巡って、気分が落ち着いたところに「蛇にピアス」って、なかなかのミスマッチだな。もう読み終えましたが、衝撃的と同時に、考えさせられることも多い小説でした。毒のある小説がクセになりそう(笑)。