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なほの読書記録

I'm really glad to have met you.



鬼怒楯岩大吊橋ツキヌは脳外科医・犬走キャットウォーク先生の飼い猫の面倒を見るペットシッターとして働き始める。
しかしその猫には秘密があり、首から上がなく面構えのない猫だった。

本書は、鬼怒楯岩大吊橋ツキヌによる、この「面構えのない猫」に関する随筆(考察)でした。

紙面はほぼ隙間なく文字で埋め尽くされており、段落変え・改行がほとんどなく、独特な文体と言い回しの散文で、全160ページでしたが読み進めるのに少々時間がかかりました。

後半は面構えのない猫の糞尿に関する話で、排泄した固形物の中の固形物が、いわゆる排泄物ではないことや、
ジャコウネコが糞とともに排出するコーヒー豆🫘で淹れる高級なコーヒーこそがネコババコーヒー(正式名称は、コピ・ルアク)といった、たわいのないお話。

ほかにも、赤塚不二夫さんのようなセンスの「猫を拾ったことがネコババになる」など、西尾維新さん特有の「言葉遊び」が盛りだくさんでした。

最後まで何の脈絡もないストーリー展開で、天才バカボンの主人公「バカボンのパパが書いた随筆」といったような感じで、何ともとらえどころのない、奇天烈で不思議な作品でした。


西尾維新さんのファンにはオススメの本だと思いました。