メイプルリーフ備忘録 -2ページ目
と、いうことでまたブログを始めることにしました。
2年ぐらいまえにブログやってて、更新するのが億劫になってやめてしまったんですが、再びなんか表現したいなあと。

以前はビンテージものだけあさってればいいやなんて思っていたりもしましたが、今年は特に新録でぐっとくるものが多かったのが印象に残っております。音楽を聴くものとしてはやっぱりリアルタイムの音に共振できるのは幸福なことなのだなあと。

しかしこう眺めてみるといかにエル・スール・レコーズ(というか原田店長)に音楽生活を支配されてきた一年だったかと思います。

こういうランキングなんて要は自分の露出癖を満足させる以上の意味はありませんが、雑誌のランキングなんかをみるより、一個人の偏った選盤を眺めながら、同好者同士で酒でも飲みつつああでもないこうでもないいうのが一番楽しいんではないでしょうか。

10位 鄧麗君 宇宙唱片 ORIGINAL 復刻 CD



個人的にこの復刻は2014年最大の音楽ニュースだった。鄧麗君の最初期音源の復刻シリーズ。年間ベストで全20集のシリーズを挙げるのは反則か?関係ない。このシリーズでどれを買うのがおすすめか?愚問の極みだ。テレサが歌えばすべて名盤だ。全部買え。以上。

9位 KING AYISOBA WICKED LEADERS



今年は特にアフリカものの新録にフレッシュパンチを喰らうことが多かったなあという印象。その中でも一番印象に残ったのはこれ。唸るダミ声と弦楽器。これぞブルース。ビューティフル・アフリカ。

8位 DEMITRA GALANI ALLIOS



これ、もっと上かもなあ。買ったばかりだからまだ聴きこんでないから。ギリシャのベテラン歌手の最新作。切々とした哀歌を聴くならやっぱり熟女が一番。

7位 MERYEM ZENGIN OZUR DILERIM



最近活気づいているトルコ古典歌謡シーン。粒が揃っているなあと思いつつも若干食傷気味、と思っていたらこんな名盤が出てくるんだからやっぱりトルコ歌謡界の層の厚さを感じます。

6位 HK Presente LES DESERTEURS



シャンソン?移民?シャアビ?よくわからん。難しい解説は偉い先生方に任せておいて、黙って冒頭のジャック・ブレルのカバー「Vesoul」を聴いてくれ。話はそれからだ。

5位 CARMINHO CANTO



気鋭のファド歌手の最新作。前作と比べて軽くなった印象だが、むせ返るようなサウダージは健在。古典回帰。この風は確実にきている。

4位 GIRIZGAH, Alaturka Records



20世紀初めらへんのトルコ古典歌謡のコンピレーション。静謐。大仰とはかけはなれた歌と演奏。2枚組だけど長さを一切感じさせないのは凄い。

3位 HARIS ALEXIOU  TA ONEIRA GINONTAI PALI



賛否両論あるでしょうが私個人としては賛。この人のキャリアの中で今が一番いいとさえ思う。全体を通してずいぶんハードボイルドな印象。冒頭のイントロで空気が変わる。真冬の空を睨みつけるハリスの眼光が頭に浮かぶ。

2位 VIRGINIA LOPEZ LA VOZ DE LA TERNURA



日本音楽業界の良心、ディスコロヒアの一連の復刻ではこれが最高傑作か(いや、サローマも捨てがたいが)。こんな素晴らしい歌手の作品が気軽に手にとれるようになったのは何より。

1位 モンナ・ベル  カンタ・コン・モンナ・ベル



2014年のベスト・アルバムとして半世紀以上前の復刻作(しかもCD‐R)を選ぶことに何のためらいもない。シルキー、ドリーミン。うたもの音楽の一つの頂点。

以上。やっぱり全体として古臭いうたものが多くなったなあという印象。そういえば「東南亜細亜大衆歌謡音楽愛好家予備軍見習」を自称しているにもかかわらず、東南アジアものが一枚もない。年明けぐらいにまた面白そうな復刻盤が出そうなんでまた来年もエル・スールの動向には要注目ですね。