同棲生活も1年を無事乗り越えた頃、彼宛に封書や中身の見れないハガキが届くようになりました。

自分宛じゃないので開けてみるわけもなく、届くたび彼に渡していました。

だんだん、届く回数が増えて…

「これって一体なんなだんだろう?」

そう、疑問に思うことが多くなってきたのと同時にワタシは軽く不安を覚えました。

なにか、やばいことになっているのではないだろうか?

彼に封書やハガキのことを聞いても歯切れの悪い返事しか返ってこないのだから。

でも、開けてしまうのはさすがに…まずいと思い、気になってもどうすることもできませんでした。


そのうち、家の電話がよく鳴るようになってきたのです。

知らない電話からは大抵セールスや勧誘の電話が多いので出ないのですが…

(用事のある人は、その旨留守電に入れるので折り返すから大丈夫)


ぷるるるぅ ぷるるるぅ ぷるるるぅ ぷるるるぅ ぷるるるぅ ぷるるるぅ

「ただいま 留守にしています。ピーっとなったら…」

ガチャン ツーツーツー


こんな感じに留守電になると、切れてしまうのです。

着信履歴を確認していくと、同じ電話番号から何度もかかってきてるのがよくわかりました。

ほぼ4日おきくらいでかかってきていた電話もとうとう…

ほぼ毎日数回に変わってきて、電話の音でワタシは少し疲れてしまいました。

でも、思い切って出るのも怖いのです。

だって 何度もかけてきてる=用事がある

でも、用件は絶対入れない…相手が全くわからないのですから…。


そんな状態が2ヶ月ほど続き、電話の音がいやで外出し帰宅すると、着信7件。

そんな日も増えていきました。

彼へ届く封書も…ハガキも相変わらず届いていました。


そんなある日部屋にいると、いつものように電話が鳴り出し びくっとすると…

留守電に変わったのに切れなかったのです。


「○○さん ○○会社ですが、連絡とりたいのでお願いします。」


○○さん…彼宛です。

少し低めのしゃがれた声の伝言でした。着信した番号をみると

これまで 何度もかかってきた電話番号の中の一つでした。


えっ、どういうことだろう。

しかも、○○会社っていうのもよく封書が届いていた会社で見覚えがありました。

彼がなにかワタシに隠している?そう思えてしかたがありませんでした。

その日、彼に問いただしてみたものの…


「あー… 大丈夫だってなんでもないから」


本当になんでもないのだろうか…だったら連絡をとってほしい…

最初に留守電を残した会社以外にも、伝言を残すところがでてきた。

留守電から聞こえる「しゃがれた少し低めの声」が同じ言葉を繰り返す。

正直もう電話が鳴る音に軽く、恐怖心を覚えてしまっていて、落ち着かないのです。

ワタシの心配性が大きく動き出したような気がしました。

何事も なければいいのに…。

早くこの電話が鳴らないようになればいいのに…。







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