>カバーアルバム
>タイトル:ジブリをうたう
>アーティスト:Various Artists
>リリース日:2023年 11月 1日
>記事作成日:2024年 2月 19日





聴きました!

ジブリ映画の主題歌を、名だたるアーティストさんたちがカバーしたコンピレーションアルバム。
まぁ、正直に言うと、ぼくの“守備範囲”のアーティストさんが少なかったなぁとは思いつつ、でも素材が良いのでどうしたって素敵な聴き心地にはなりますよね。
という訳で、素敵なアルバムでした。

ちなみに、アルバムを通して、武部聡志さんがプロデュースなさっているとの事。そこもまた、興味深い。



『となりのトトロ』/岸田繁
ソロの岸田さんは、トトロにリラックマに、可愛いものとタッグを組む傾向(笑)。
この曲(オリジナル)は、カテゴリとしては“ポップソング”というよりは童謡に近いと認識していたのですが…岸田さんのこれは、とてもポップソングで、とてもJ-POPだった。こんな事出来るんだぁ…っていう驚き。曲調は全然違うけど、『はじめてのチュウ』をああアレンジしたHi-STANDARDへの驚きに近い。
ピアノとキーボードがゴキゲンで、アコギが心地良い、爽やかさ極まる軽快ポップチューン。

『カントリー・ロード』/松下洸平
ブラックミュージックテイストの、爽やかで華やかなアレンジ。初期の平井堅さんとかを思い出しました。
ちょっと…聴き方に困ってしまった感はありました。ゴスペルっぽい躍動感とフェイクなども多用した垢抜けたスタイリッシュさはとても聴き心地が良かったけれど、この曲の良さは純朴さや素朴さのような気もして。でも、そんな事を言うなら黙ってオリジナルを聴いときゃあ良いわけで。良い曲だというのは間違いがないんだけど、まだちょっと自分の中で落とし所を見つけられていない(笑)。

『いのちの名前』/幾田りら
最初、クレジットを見ずに聴いて、「良い声だなぁ」と思ったんだけど、まさかのYOASOBIの方だった。YOASOBIでのケロケロ声もぼくは好きだけど、生感が強めのこの歌声も中々です。曲自体が持つ壮大なスケール感を、壊さずに再現出来ているなぁと感じました。
ハープの芳醇な音が印象的なアレンジもGood。

『君をのせて』/家入レオ
フォルクローレ風の、勇壮かつ孤高なオケが特徴的。全体的な雰囲気としては、ちょっと中島みゆきさんの『地上の星』テイストを感じました。
程良い緊張感があって、でもアレンジ的には凄くキャッチーで。ツンデレ(死語)を感じました(笑)。
家入さんの歌声は、こういう雰囲気のオケに本当によく合う。

『テルーの唄』/Little Gree Monster
リトグリというとハーモニーのイメージが強いですが、この曲は割と、パート分けされていて個々の歌声を堪能する感じになってますね。この曲だからそうしたのか、メンバーチェンジ以降はそういうスタイルになってるのかは存じませんが。
オリジナルに準じた、厳かな雰囲気のアレンジ。

『人生のメリーゴーランド』/角野隼人
お見かけした事のないお名前だなぁ…と思ったら、ゴリゴリにクラシックの方だった。クラシックを軸に、フジロックとかにも出るような方だった。この曲の端々から滲み出ている凄みのようなものは、そういうの由来なんだな…。
まさしく“人生”のような、多様な曲。ゆったりと穏やかな瞬間もあれば、激流を流され落ちるような激しい時もあり、かと思えばどことなくユーモラスな所もある。歌詞はないインスト曲だけど、このアルバムの中でいちばん色々考えさせられたかもしれない。
…でも、こういう曲って、武部さんはどういうふうに関わるんだろう。

『風の谷のナウシカ』/玉井詩織
玉井さんって、確かももクロの方ですよね。
シンセが効いた、デジタルなオケ。一方で玉井さんは柔らかくて可愛らしい歌声なので、そこのギャップにほんの少し違和感を覚えてしまいました。歌声がふんわりしている分、オケがオラついて聴こえてしまったというか(苦笑)。
別に曲として変とかおかしいとか言いたい訳では全然なく…単に、武部聡志さんに「どういう意図でこういうオケを用意したんですか?」と聞いてみたい気持ちがあるという感じ(笑)。

『ルージュの伝言』/木村カエラ
オリジナルの持つ特徴を抽出して、可能な限り純粋培養したような感じ(笑)。曲の主人公の“おしゃまさん”な感じを、サウンドが全力で再現してる。凄いと思う。そして、その世界観を表現するのに、木村カエラさんという人選は最適だとも思う。
聴いてると、否応なしに心がウキウキしてくる曲です。

『ひとりぼっちはやめた』/満島ひかり
満島ひかりさんは、役者さんとしてよりもボーカリストとしてのほうが印象が強い。歌、上手いですよねぇ。ピッチとか発声とかももちろんそうなんだけど、それ以上に、“演技力がある”。役者さんにそんな当たり前の事を言ったら逆に失礼にあたるのかもしれませんが…悲しい歌詞は本当に悲しそうに歌うし、楽しい曲は本当に楽しそうに歌ってる。この曲も、その瞬間その瞬間の主人公の“本心”が、声聞いてればわかる感じ。
ほんとに凄い。

『海になれたら』/GReeeeN
“おりこうさんside”のGReeeeNを堪能出来る曲…別に揶揄してる訳ではないですよ。GReeeeNは作風の幅が豊かなのでね。真面目で真摯な曲も多く、この曲もそういうテイストだという事。
しかし…知らない曲だと思ったら、『海が聞こえる』なんですね。ぼく、この映画は、みた事ないからな。なので、完全に、“GReeeeNのオリジナル曲”という認識になってしまう(笑)。GReeeeNの曲として、凄く良い。

『もののけ姫』/Wakana
存じ上げないボーカリストさん…と思ったら、Kalafinaの方って事で良いんですよね⁉︎   Kalafinaを、お名前しか存じ上げないので、歌声が一致してるのかどうか判断出来ないところですが…。
原曲の、神々しさと浮世離れ感。それが、全く違う角度から、キッチリ再現されていた印象。透明感のあるシンセと、凛としていてのびやかな歌声とが醸し出す、独特の世界観。ほんと、オリジナルとは雰囲気が違うんだけれども、オリジナルに通じる空気を感じる。パラレルワールド感。不思議。

『時には昔の話を』/渋谷龍太
ソロだけど、“逆太郎”名義ではないんだなぁ…と思いながら聴いたんだけど、これは確かに逆太郎とも違うのかもしれませんね。勿論ご本人の意図など知る由もありませんが、ぼくには、渋谷さんが、ビーバーでも逆太郎でもなく、純粋にご本人(いち個人)として体当たりでこの曲に向き合ってるように感じて、だから本名名義なのかな?と思いました。
オリジナルとは、また異なるエモーション。加藤登紀子さんのオリジナルには、朗々としたというか自信に満ちたエネルギーを感じましたが、こちらの渋谷さんバージョンにはもっともっと直情的な、言葉になる前のエモーションが迸っている感じを受けました。
オリジナルも大大大好きだけど、渋谷さんのほうもすんごい好きだわ。

『さよならの夏〜コクリコ坂から〜』/武部聡志
武部さん自らが登場。
圧倒的に美しい、ピアノソロ。2分半の短い曲なんだけど、物凄く引き込まれる。あったかいのに切なくて、でも切ないのにあったかい…そんな、ジブリ作品を見終わった後に残る感触とまったく同じものが、この2分半からは滲み出ている。
オリジナルも武部さんが編曲なさっていますが、それともまったく異なる雰囲気。



そんな、計13曲。

とても良かった。勿論オリジナルとは異なる雰囲気の曲たちだったんだけど(オリジナルじゃないんだから当然です)、そこここにジブリを感じられる作品集でした。
まぁ、やっぱり…勝手な事を言わせてもらうと、もう1〜2組くらいぼくの“守備範囲”のアーティストさんが参加してくれてたら、より嬉しかったんだけど。てか、ジブリなんて世の中の全員が好きなんだから(笑)、3枚組くらいにしたら良かったのに。それとも、シリーズ化?





お気に入りは、
#01 『となりのトトロ』/岸田繁
#03 『いのちの名前』/幾田りら
#06 『人生のメリーゴーランド』/角野隼人
#08 『ルージュの伝言』/木村カエラ
#09 『ひとりぼっちはやめた』/満島ひかり
#12 『時には昔の話を』/渋谷龍太
#13 『さよならの夏〜コクリコ坂から〜』/武部聡志





この作品が好きなら、
・『Disney Rocks!!』/Various Artists
・『ルパン三世トリビュートアルバム「Yous Explosion』/Varrous Artists
・『記憶の森のジブリ』/竹仲絵里
などもいかがでしょうか。





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