>オリジナルフルアルバム
>タイトル:12 hugs (like butterflies)
>アーティスト:羊文学
>リリース日:2023年 12月 6日
>記事作成日:2024年 2月 1日





聴きました!

羊文学さんの最新作。
バンド名に大きなインパクトがあるけど、それよりもドラマーさんの風貌のインパクトが強い(笑)。けど、それに負けないインパクトを持つ音が、本作にはありました。



『Hug.m4a』
イントロダクション。
塩塚さんの囁くような歌声と、ポロロンと爪弾かれるアコギの音が、なんとも言えず幻想的。“起きてる”と“眠ってる”の間の、微睡のようなふんわり感。

『more than words』
“本編スタート”といったところでしょうか。グラマラスなのにシャープなベースとギターに、痺れる。
最初に本作を聴いた時、この曲でびっくりしたんだ。「このバンドって、こんなに“ぼく好み”な音を出す人たちだったっけ?」っていう。この肉感的な音…肉感的なのにスタイリッシュな音、大好物だ。

『Addiction』
疾走感のある曲。疾走感はありつつ、“パーリィうぇーい”みたいなノリじゃないのが良い(笑)。あくまでもクールな、ロックンロールな疾走感。ふんわりとしたボーカルとゴリっとした演奏の対比が、やっぱりぼく好み。

『GO!!!』
この混沌とした世の中。そして、ぼく個人としても色んな課題に直面している今。ぼくはよく神様に皮肉を言ったりするんだけど…そんなぼくの気持ちを、そのまま歌詞にしてくれたような曲。「ねえ神様、もしもし 聞こえてんのならば 落とし穴の地図でも送っといてくれよ」「ちょっと意地悪すぎるよ」…それな! そして、「正解は今僕が変えてみせる」に奮起。
この春の、ぼくのアンセムになるかもしれない。

『永遠のブルー』
小気味の良いテンポで展開する、気持ちいい音の曲。歌詞は手放しでポジティブな訳じゃないけど、なんとなくさらりと聴けるのが良い。さらりと聴きながら、時々ドキッとするようなフレーズが耳に刺さってくるのがいい。

『countdown』
USの匂いがする、湿度の低いゴキゲンロックチューン。ほんと、乾いた空気の気持ちいいナンバー。
しかし…カウントダウンしてる男声って、ドラムスの方なんですかね? ライブに行ったことがないのでボーカル以外の方がどの程度どういう動きをするバンドなのかの想像がつかないのですが…あの風貌で急にこんなデスボイス風の声を出してきたら、驚いて固まるかも(笑)。いや、かなり良いと思います。

『Flower』
一転して、スロウでメロウなバラード。憂いを帯びた歌声と、繊細なギターの絡み合いが素敵。
何でしょうね…感傷的ではあるんだけれども、同じくらいあったかさも感じて。胸をキュッと締め付けられればいいのか、ほっと和らいだ気持ちになれば良いのかの判断がつかない(もちろん人それぞれなんだけども)。

『honestly』
音圧でガーッと来る感じのアレンジではないんだけれども、リズムに跳ね感があって躍動的な曲。スポーティというか。サッカーで、小柄な選手が繰り出す華麗な足技を見せられる感じに近い。軽やかで、しなやかで、そして美しい。

『深呼吸』
淡々としたボーカルとギター。ギターボーカル(ボーカルとギターが同じ人)だから当然なのかもしれないけど、どの曲もギターとボーカルの“温度感”がぴったりと一致してるんだよなぁ。それが気持ちいい。
派手さはないけど存在感がある、ミドルチューン。

『人魚』
塩塚さんの歌の凄みみたいなものを堪能出来るロックバラード。通常は、割とさらりと歌うボーカリストさんのイメージなんですが…この曲では、凄く情感豊かに存在感たっぷりに歌い上げている。ディーバ感というか(笑)。こういうパターンも、なかなかに良い。
独特な浮遊感に包まれた曲。そう、まさに海にたゆたうような。

『つづく』
再び、タイトなリズムのポップチューンへ。
メロディが好き。キャッチーで、ほんのりファニーで。とてもセンスの良いクールなアレンジなんだけど、そこはかとなくユーモラスでもあると思います。いい意味で気楽に聴ける。

『FOOL』
ザクっとしたギターが印象的な曲でラスト。
どの楽器も、一つ一つの音がとてもクッキリハッキリと浮き立っていて、立体的で、気持ちがいい。まるでイヤモニで直接音を聴いているような、肉感的で躍動感ある音に痺れる。こういう音、そしてこういうアレンジがぼくは大好きなんだ。



そんな、計12曲。

良かった。予期せず、良かった(と言ったら失礼ですが)。
毎作品チェックしてきた訳ではないけれども、ちょくちょく聴いてきてはいたバンド。だから、何となく“知ってるつもり”になってたんだけど…今回の音の感じは、全然聴いた事のない感触だった。元々ソリッドな音ではあったけど、今回はますますその傾向が強まっていて、ご飯で言うなら「ひとつひとつの粒が立ってるぅ」って感じでしたよね(ブランチリポーターっぽく脳内再生して下さい)。高級な炊飯器で炊いたご飯の感じ(笑)。
で、更に、アレンジが秀逸だった。“引き算”のアレンジを出来るんだなぁと。無駄に音数を多くしないし、過度に派手にもしない。せっかく高い炊飯器で炊いたご飯に「カレーかけてハンバーグをトッピングしてウスターソースをまぶして…」みたいな事をせず、ご飯そのものの味を堪能出来る仕上がりになっていた。
………凄く素敵な音がするアルバムだと思って感動したんですが、ご飯の例えのせいで台無しですね(笑)。とにかく、いいアルバムだったんですよ!そこだけは、伝われっ!!!





お気に入りは、
#02 『more than words』
#04 『GO!!!』
#06 『countdown』
#08 『Honestly』
#09 『深呼吸』
#10 『人魚』
#12 『FOOL』





この作品が好きなら、
・『LUCKY』/Lucie,Too
・『Chilli Beans.』/Chilli Beans.
・『A revolution』/LOVE PSYCHEDELICO
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/













ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!