>オリジナルフルアルバム

>タイトル:1974

>アーティスト:Caravan

>リリース日:2023年 9月 13日

>記事作成日:2023年 10月 16日






聴きました!


Caravanさん、3年ぶりのアルバムだそうです。ニセレキシU-zhaanさんなども参加。




『惑星』

「Caravanと言えば!」のウッディでアコースティックな質感は残しつつ、でもアップテンポで程よく歪んだエレキの音も印象的な、動的な曲。のっけから心地よく、軽やかに聴ける。今年の夏はクソ程暑かったけど、ようやく秋の気配がしてきた今の時期に聴くのにぴったり。


『Kid』

これまた良いなぁ。渋みがあって、でも同じくらい遊び心もある。大人の遊び心って感じの気持ちいいミドルポップチューン。

色んなしがらみとか、制約とか、そういうのにがんじがらめになった大人こそ聴くべき。歌詞もそうだけど、サウンドが、何かを“解放”してくれます。


『Timeless Dreamer』

更に渋みが増して。Caravanさんの歌声は圧倒的にキャッチーなので、渋みはあっても説教くさくはならない。そして、柔らかいメロディに乗って聴こえてくる、ハミング。波に揺られるように、音に揺られて心地よく揺蕩う感じです。気持ちいい。


『新しい星(Acoustic)』

アコギと、これはバイオリンかな? この組み合わせは、新鮮。アコギのストロークの小気味の良さと、ストリングスのしなやかでほんのり感傷的な音色との組み合わせが抜群。あったかい気持ちになるのに適度にセンチメンタルで、胸がキュッとなるのに安心出来る。“深み”が凄い。


『ミチノウエ』

前向きになれる歌詞が、アコギのアルペジオに乗せてナチュラルに胸に沁み込んでくる。青春時代ってやつですね。金はなくて、夢ばっかりあって。あの頃の、無敵感と不安が混ざって溶け合って訳わかんなくなってる感じを、俯瞰で見る感じ。混乱してる人を見ると自分は冷静になるとかいうけど、その感じ(笑)。あの頃の焦燥を思い出す事で、今目の前の人生を地に足つけて進める感じがするんだ。


『夜間飛行』

夜空を見上げた時かな、それともISS(今ならスターリンク衛星なのかな)の光を見た時かな…そういう、“静かなワクワク感”を存分に堪能出来るミドルチューン。間違っても、ジェットコースターが動き出した瞬間みたいな刺激の強いワクワクじゃないんだ。静かな、でも確かな胸の高鳴り。そういう曲。


『Road Movie』

スライドギターが浮遊感を醸し出す、ゆったりした曲。優しい…なんて優しいんだ。この方の作品はいつもそうだし、本作は特にそうだけど…音が、雄大な自然の営みを感じさせてくれるんだ。それが、特に強く出ている曲。スケール感が桁違いの自然の中では、自分の悩みなんか小さく感じられる…その体験を、音楽でさせてくれる感じ。


『扉の向こう』

ここ何曲かメロウでスロウな曲が続きましたが、この曲は小気味良いポップナンバー。とは言っても、浮ついたテンションなど皆無で、地に足のついた安定感のある曲。

サビのメロディ、好きだわぁ…どこまでも伸びやかに広がっていくような、自由で満ち満ちたメロディ。


『Oh Brother』

程よい遊び心で組み上げられた、軽やかな曲。よく晴れた朝に聴いたら、軽くスキップしたくなる。いい具合に疲れた夜遅くに聴いたら、軽く肩を揺らしてワインの一杯でも飲みたくなる。いつ聴いても心地いいし、いつ聴いても心を軽くしてくれる。


『Just Another Day』

なんか、ギターにビンテージ感がある。ビートルズとか、そういう時代の音楽を聴いてるような感覚になります。これもひとつの遊び心。

本作、徹底的に聴き手の肩の力を抜きにかかってくるな(笑)。そこらのリラクゼーションマッサージ屋さんよりも効果あるぞ。


『My Favorite Things』

ブルースハープが郷愁を誘う、爽やかにセンチメンタルなナンバー。『惑星』のところにも書いたけど、この曲もまた、秋の日に聴くのがぴったりのサウンド。『惑星』が午前だとしたら、この曲は夕方くらいがベストでしょうな(歌詞にも「秋の夕暮れ」ってありますし)。

自分の好きなものってなんだろう? 子どもが出来て、めっきり自分をかまってやれない生活になってしまいましたが…この曲を聴きながら、自分の好きなものを改めて発見し直すのは楽しいかもしれない。


『Cosmic Gypsies』

本作の中でも、特にCaravanさんの想いとか、願いとか、パーソナルな部分が色濃く出た歌詞のような気がします。

「戦争なんて反対さ」「戦争はいらない」など、直接的なワードが多い。それは、表面的には“反戦歌”みたいな捉え方も出来るんだけれども…ぼくは何かそういう解釈にもちょっと違和感があって。戦争の是非っていうよりは、“自分が何を大切にして生きるのか(生きていきたいのか)”っていう事の確認というか、宣言というか、そういう風に聴こえました。「目の前の大切なものを見誤らなければ、戦争って結論にはならなくない?」って言われてる気がして、うんうんそうだなぁと思った次第です。

ちなみに、U-zhaanさん参加曲。ぼく、この方のタブラってレキシさんの『takeda'』シリーズが一番印象に残ってるもので…最初ちょっと、コミックソングなのかと思ってしまった(全方面に「すいません」)。




そんな、計12曲。


良かった。えらく良かった。ひどく良かった。正直、想像の何倍も良かった。


この方の作品、音がスタイリッシュなのはずっと昔から変わらない。これまでの作品は、そのスタイリッシュなオケに乗る歌詞もこれまたスタイリッシュな事が多かったので、一定以上は近付けない感じが無くはなかったんですよね。クラスのオシャレグループに憧れる事はあっても、そこに入り込もうとは思わない感じ(笑)。ところが今回の作品は、歌詞がこれまでよりも人間臭くて、飾り気がなくて、だからもの凄く共感出来たんだと思う。


これは、ぜひ、今の時期に聴くべき。秋との相性が抜群に良い音。






お気に入りは、

#01 『惑星』

#02 『Kid』

#04 『新しい星(Acoustic)』

#05 『ミチノウエ』

#06 『夜間飛行』

#07 『Road Movie』

#08 『扉の向こう』

#11 『My Favorite Things』






この作品が好きなら、

・『眠れない夜のかがやき』/golf

・『OAU』/OAU

・『Rough Morning』/東田トモヒロ

などもいかがでしょうか。






CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/











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