>配信シングル
>タイトル:memo
>アーティスト:ナオト・インティライミ
>リリース日:2023年 6月 7日
>記事作成日:2023年 6月 11日
聴きました!
6月の、“最近気になったシングル曲を聴いていく週間”、その⑦。
今回は、先日の『愛してた feat.れん』に続いてのティライミ。
ティライミの作品では久々に、初めて聴いた段階で、泣いた。
『memo』
とにかくメロディが良い。凄くキャッチーで、ほんのりセンチメンタル。
とにかく歌詞が良い。希望じゃない、でも絶望でもない。エネルギッシュではない、でも負のオーラもない。パッとしない日々を、過度に悲観も無理に楽観もせず、淡々と書き連ねている。
とにかくアレンジが良い。歌詞が放つ哀愁と、全く同じ温度感の哀愁で、曲に深みを作っている。
とにかくボーカルが良い。張るでもなく、呟くでもない。友人との何気ない会話のような、そんなテンション。
全ての要素が徒党を組んで、ぼくを泣かせに来る(笑)。全ぼくが泣く。これは悲しい涙じゃないんだな。悔しい涙でもなければ、怒りの涙でもない。。。。。。じゃあ何だ? 分かんない…分かんないけど、多分、哀愁とか郷愁とか、そういうたぐい。疎遠になってしまった人を想うとか、ずっと前に失くしてしまったものを思い出すとか…そんな感傷。“今悲しい”じゃなくて、“悲しかったあの時の感覚を思い出す”みたいな距離感。その感じが絶妙過ぎて、だから涙が出てくるんだと思う。“擦り傷の痛み”じゃないんだ、“擦り傷から出来たかさぶたの、治りかけの頃の痒み”なんだ(笑)。それがもう、痒くて痒くて痒くて痒くて。そんな、痒みの歌(笑)。
そんな、計1曲。
ティライミでこんなにキュンとしたの、ぶっちゃけえらく久しぶりでした…。例えるならどんなだろうな…最近のティライミが“いちご味”だとしたらこの曲は“いちご”だし、最近が“コーヒー飲料”だったとしたらこの曲は“コーヒー”だし、最近が“最近のkiri”だとしたらこの曲は“クリームチーズを名乗っていた頃のkiri”(笑)。別に最近のティライミが“まがいもの”だなんて言いたい訳ではなくて…最近は、いろんな要素が重層的に重なり合ってるがために一言では言い表せない感じがあるのに対して、この曲は軸がシンプルで分かりやすいという意味。そしてそれは、初期のティライミのスタンスに近い。音自体はこんなにチルってて、まさに“最近のティライミ”なのに、です。
ところで…凄く短い曲だし、ラストがちょっとブツ切れな感じだし…さてはこれは、近々リリースされるというニューアルバムで完全版が収録される流れか??? そうだったら嬉しいなぁ。