>企画アルバム

>タイトル:ウワサの伴奏〜And The Band Played On〜

>アーティスト:RHYMESTER

>リリース日:2002年 10月 23日

>記事作成日:2022年 12月 1日






久しぶりに聴きました!


そもそもは、少し前にリリースされたSOIL&“PIMP”SESSIONSとのコラボ曲『初恋の悪魔』がめっっっちゃ良くて。久しぶりにRHYMESTER熱が再来して、『ウワサの真相』を聴き返しながら感想を書いて。で、「『ウワサの真相』を聴いたら、本作も聴き直すっきゃないでしょう!」という事で。

メジャーデビュー作『ウワサの真相』収録曲を中心に、それらをあらゆるアーティストとのコラボで再構築した作品を収録しているのが、本作。




『勝算(オッズ)session with ゴスペラーズ』

まずはゴスペラーズと。当時は「ライムスターとゴスペラーズ⁉︎」なんて思いもしましたが、よく考えたら、コーラスグループとの相性の良さはFull Of Harmonyとの楽曲の時点で既に証明されてましたね。

オリジナルのこの曲は即興性に魅力がありましたが、こっちは真反対で、作り込まれた完成度の高さが特徴的。ゴスペラーズはコーラスワークの完成度が高過ぎて“優等生”イメージが特に強いアーティストなんだけど…それが、良い感じにライムスターのラップをフォーマルに聴かせてくれてて、凄くいい感じ。


『ロイヤル・ストレート・フラッシュ session with 高橋達也と東京ユニオン』

この作品を聴くまで、失礼ながら存じ上げなかったんですが…高橋達也さん並びに東京ユニオンさん、メッチャ大ベテランなんですよね。そういう相手と、この対等感。もちろん、東京ユニオン勢の感性の若々しさもあるんでしょうし、ライムスター側のブレないスタンスもあるんでしょうね。

オリジナルとはまた違うユーモアと余裕に、ぼくは初めて聴いた時にイチコロでしたよ。


『肉体関係 part 2 逆featuring クレイジーケンバンド』

兎にも角にも、剣さんの「Oh〜Yeah〜♪」の存在感ですよね。オーイェーだけでこんなに存在感を発揮出来る人、他に居ないでしょう(笑) 横浜が生んだ大スターの、大スターたる風格が堪能出来ます。


『This Y'all That Y'all  session with SUPER BUTTER DOG』

これ…世に数多あるコラボレーション作品の、ひとつの極北と言って差し支えないんじゃないでしょうか。ファンクの匂いが強いヒップホップユニットと、ファンクそのもののバンド。但し、“質感が似てるから素晴らしい”のではなく、“1+1=100”って感じに仕上がっていて凄いんだ。バタ犬のスウィングをライムスターのグルーヴが煽り、ライムスターの躍動感をバタ犬のファンクが焚き付けている。物凄くグルーヴィで、なのに物凄く幾何学的。正直、この一曲のためだけでも、このアルバムを聴く価値がある(もちろん、他の曲や他の参加アーティストさんを軽視してる訳ではないですが)。

ところで、マボロシってこの辺りから誕生してたりするんだろうか…。


『Walk On session with TOSHI-LOW』

BRAHMAN/OAUのフロントマン、TOSHI-LOWさんとのコラボ。いやぁ、初めて聴いた当時は、ぶっちゃけ、良さが分からなかったな(笑) ぼくはOAUが大好きなので近年でこそそれなりにBRAHMANも聴きますが、当時は、BRAHMANに対しては「なんかイカツくて怖い人たち」くらいのイメージしか無く(笑) なのでこの曲も、「やっぱりイカツい」くらいの感想しか持てなかった。今回改めて聴き直した時に、初めて良いかもって思えた。とにかく、まずラウドなバンドサウンドとDさん宇多さんのラップとの組み合わせが絶妙だった。ガチンコの殴り合いというか…筋骨隆々な音&ボーカルと、危険な匂いを放つMCとの組み合わせが、とてもスリリング。でも、そこには“ヤンキーとチーマーの喧嘩”みたいな不穏な空気は無くて、純度の高いメッセージのぶつかり合いがあるだけでした。ヒリヒリはするけど、怖さはなくて。なんかアツくなる。

…しかしながら、あまりにもTOSHI-LOWさんの存在感とバンドサウンドの圧が強過ぎて、「こんな曲、『ウワサの真相』には入ってなかったよね⁉︎」ってしばらく思ってました(笑)


『プリズナー No.1,2,3 session with AQUAPIT & Yosuke Onuma』

失礼ながら、AQUAPlTさんはお名前を存じ上げず、Yosuke Onumaさんは通常表記の“小沼ようすけ”というのを見たところで初めて「お名前はお見かけした事あるな」程度の感じでした…が、音はもう物凄くカッコよかった! ジャジーなアレンジが冴え渡り、非常にフォーマルな雰囲気になっている。でも、ジャズ界隈特有のユーモアもしっかりと盛り込まれていて…そもそもRHYMESTERに対して持っている“ヤンチャなのに紳士的”というイメージが補強されてる感じがしました。


『The Showstopper session with Blue Beat Players』

こちらも、コラボ先の方を存じ上げないのですが…この曲にもジャジーな雰囲気を感じつつ、『プリズナーー』とか『ロイヤルー』辺りよりももっと賑やかで華やかで、誤解を恐れずに言うならばチンドン屋的な面白さを備えた音だと感じました。


『ウワサの真相 session with WACK WACK RHYTHM BAND & F.O.H』

ファンキー。凄くファンク! もちろん演奏陣が生み出すグルーヴによるものだとは思うんですが…宇多さんDさんのラップ自体が動的かつエモーショナルである事を、この曲にて改めて思い知らされる。F.O.Hさんは大人の色気ムンムンだし…なんか、大人がこぞって音楽で遊びまくってる感じが凄くする(いや、この曲以外もそうなんですけどね)。


『ライムスターイズインザハウス(LIVE) session with DJ JIN』

そうそう、「JINさん居ないなー」ってずっと思いながらここまで聴き進める訳ですよ(笑) 各コラボ相手とMC陣とのケミストリーは楽しめつつ、ターンテーブル要素がないまま突き進んでくるこのアルバム。ちょっとした物足りなさも感じつつ最終盤まで来て、でも、ちゃんとラストで“JINみ”が炸裂。

クールで、それなのにアツい。DJ JIN…というか、RHYMESTERが炸裂している曲。




そんな、計9曲。


“共演”というよりは“競演”色の強い一枚。もちろん、ケンカしてる訳ではないんだけど…馴れ合うつもりは一切なさそうな作品集。RHYMESTERは、ゲストを招いてるクセに俺俺感が凄いし(笑)、ゲスト勢も「RHYMESTERにソツなく合わせときましょ」感が無い(そもそもの音楽性を存じ上げなかった方々については、何とも言えませんが)。両者が、相手を俺色に染めてやろうと全力で仕掛けているように感じて、すこぶる気持ちがいいんだ。


オリジナルとはまた全然趣が違って…『ー真相』聴いてると『ー伴奏』が聴きたくなるし、『ー伴奏』を聴いてると『ー真相も確認したくなるというひとつの永久機関(笑)






お気に入りは、

#02 『ロイヤル・ストレート・フラッシュ』

#04 『This Y'all, That Y'all』

#05 『Walk On』






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などもいかがでしょうか。






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