>オリジナルフルアルバム
>タイトル:ウワサの真相
>アーティスト:RHYMESTER
>リリース日:2001年 12月 19日
>記事作成日:2022年 11月 15日
久しぶりに聴きました!
先日、最新曲『初恋の悪魔-Dance With The Devil-』を聴きまして。SOIL&“PIMP”SESSIONSとのコラボであるこの曲が、まぁ〜物凄くぼく好みで。
久しぶりにRHYMESTER熱に火がついた感じで、過去作を聴き返している最中です。
こちらは、メジャー1st.アルバム。当時、ヒップホップ界隈には殆ど手を出していなかったぼくでさえ、「え、まだメジャーデビューしてなかったの⁉︎」と思うくらい、既に名の通ったグループでした。
『勝算(オッズ)』
まぁ、イントロダクション的な曲なんだろうけど…既に鳥肌モノのカッコ良さ。即興感の強いラップが、こんなにいちいちキマってるだなんて。
もう、この曲が冒頭にある時点で、本作の勝利は確定してる。
『ロイヤル・ストレート・フラッシュ』
前曲を“枕”のようにしながら、一気にテンションが弾けるアッパーチューン。とにかくテンションが高い。テンションが高いのに、どこかダンディズムも感じられる。最高。
DJ JINさんのスクラッチが、変にカッコつけずに直球感のある音なのも良い。
『ウワサの真相 featuring F.O.H.』
タイトルチューンにして、Full Of Harmonyさんとのコラボチューン。やはりこのユニットは、“異種格闘技戦”が物凄く得意。コーラスグループとコラボして、こんなにカッコ良くなる事、ある⁉︎…いや、コーラスグループなんてカッコ悪いなんて言いたい訳では一切ないですよ? でも、コーラスワークが売りのグループの作品って、(ぼくの勝手なイメージですが)優等生的な雰囲気になりがちだと思うんですよ。ある意味、ヒップホップとは真逆というか。お行儀の良い感じ。それなのに、F.O.H.の良さを生かしつつも物凄くヒップホップ的なカッコよさを見せつけている。当時もすんげぇなぁと思ったし、今回聴き直して改めて思ったし。
『Lights, Camera, Action』
クセ強なオケ。なんて言うんですかね?ちょっとアラビアンな音と言うんだろうか。リフレインする旋律が、この曲の“妖しさ”を醸し出している。リリックは、非常に分かりやすく尚且つ聴き取りやすい。“やってて気持ちいい”のマスターベーション的MCじゃなくて、ちゃんと聴き手を意識してラップしてる感じが、Dさんにしろ宇多さんにしろ凄くあって、好き。
『Walk On -Hey DJ JIN Pt.2-』
カッコいい…DJ JINさんがオーガナイズする、「これがRHYMESTERですけど何か?」的世界観。全然間違ってない!
小気味の良いMIXは、聴きやすいのにアングラ感もあるんだ。
『This Y'all, That Y'all』
畳み掛けるように耳に入ってくるビート、そしてラップ。畳み掛けるようなスピード感がありつつ、でもあくまで余裕ぶっこいたユーモアも忘れてない。
『The Blackbelt』
PUSHIMさんをフィーチャーして。いやぁ、PUSHIMって、姐さん感が半端ないですよね。古参ファンとかではないけど、デビュー当時から既にオトナの色気ムンムンの感じがしとりました。この曲も、デビューからそう経ってない時点での曲だと思うんですが、既に“姐さん”感が。
『前略』
キャッチーなんだけれども常にちょっとだけ斜に構えた感じがする…それはこのユニットそのもののイメージなんですが、この曲は特にその雰囲気が強い。結構オラオラなリリックなのに、だけどちょっと斜に構えた雰囲気を感じるのは、オケの雰囲気なんだろうか。そのギャップが絶妙で、クセになって、離れられなくなる。
『プリズナーNo.1,2,3』
ぼくは映画をあまり観ないので元ネタは分かりませんが、これはきっと名画と呼ばれる類の作品からのオマージュなんでしょうか。
ここまでの曲とは一線を画する雰囲気のオケ。ちょっとジャジーな雰囲気があって、落ち着いたというか、スタイリッシュというか、そんな曲。結果論ですが、のちのSOIL&“PIMP”SESSIONSとのコラボとかを予感させる雰囲気。
『グッド・オールド・デイズ』
これはもう、“ネタ”ですね(笑) でも、本作中でも有数の好きな曲。幾つになっても、どんな立場でも「昔は良かった」なんて思うんだなぁという、とてもシニカルで示唆的なもので。笑いの中にシニックが混ざる構造は、大袈裟に言えばチャップリンとかの作風に近いのかもしれない。
『スタンプ・ラリー(KoNeKo物語)』
リリックの内容が云々とか、オケの作り込みがどうこうとか…そういうのよりも、とにかくフックの「レッツタンッスタンプラァリッ♪」というフレーズに頭を持っていかれる曲(笑) 聴き終えたあとに、このフレーズだけが頭に居残り、ずっとグルグルグルグル…するんだ。
『ブレックファスト・クラブ』
ファンクの匂いが強い曲。でも間違いなくヒップホップだし…ヒップホップもファンクも、同じブラックミュージックにルーツを持つというのが、音として分かる曲。いや、リリックも含めながら聴くと、別にそんな教育的でも壮大な曲でもないけど(笑)
多分、2022年になっても世の中の世知辛さは増す一層なので…ブレックファスト・クラブに入りたい人は、未だに多いのでは(笑)
『10 Balls+2 featuing Kick The Can Crew』
当初ぼくは、RHYMESTERの事をアンダーグラウンドの人たちだと認識してたんですよね。対してキックは、ゴリゴリにオーバーグラウンドの人たちという認識。何なら対立すらするんじゃねーかっていう組み合わせに、度肝を抜かれた訳です(前述の通りこの時期はまだヒップホップ系なんて殆ど未知だったので、FUNKEY GRAMMAR UNITの事なんて知る由もなく)。でも、聴いてみたら物凄いコンビネーション。畳み掛けるように波状攻撃を仕掛けてくる、言葉とビート。MCが5人も居るのに一切ゴチャつく事もなく、かと言って例えば『We Are The World』のように個々が薄味になる事もない(『Weー』好きの方に袋叩きにされそうなので一応言っておきますが、「楽曲自体が駄作だ」と言いたいのではなく、「ボーカリストが多過ぎて統一感に欠け、個々の歌声を楽しむというよりは“豪華メンバーが集結したその状態”を楽しむべき曲」という意味です)。
『The Showstopper』
再びPUSHIMさんを招いて。
なんというか…フロアでの楽しみ方の取り扱い説明書みたいなイメージでしょうか。ぼくはクラブなんて場所とは無縁の人生だったので分かりませんが、もしも今後こんなパーリーに出くわす事があった場合には、この曲にあるように紳士的に、尚且つエキセントリックに振る舞いたいと思います。
『ツーリング・ブギー』
ぼくはこの曲が凄く好きで…好きというか、魅了されているというか、魅入られているというか。時々ふっとこの妖しげな旋律が頭に浮かぶ程、この曲の呪縛にやられております。
毒っ気がありつつも熱い想いもこもってるリリック。でも、それも冗談なんじゃないの?って思っちゃう程に“虚実入り混じる”感じのオケ。自動アナウンスの声が、ユーモラスでもあり、でもなんか物凄く恐ろしくもあるんだよな。、そのせい(?)このユニットが、どこまで真面目でどこから不真面目なのか、どこまでがユーモアでどこからがシリアスなのか…そういうのが全然わからなくなる。そして、その、腹の底が見えない感じは、RHYMESTERというユニットそのもののイメージとも完全に一致するんだ。未だに、どこまでが本心でどこからがオフザケなのかが全然わかんなくて、良い意味で翻弄され続けてるんです。
そんな、計15曲。
15曲も入ってるのに、割とさらりと聴けちゃうんですよね。でも、だからといって“薄味” “パンチが弱い”って事では一切なくて。各曲は色んな方向に“コッテリ”してるのに、ノンストップで聴けちゃう怖さ…知らないうちに日々の料理に味の素を使われてて、だんだん量を増やされてて、気づいた頃にはもはや味の素なしでは満足出来ない体にされちゃってる感じ(笑)
ヤンチャなのに、そこはかとなく紳士。このユニットへのイメージは、メジャーデビュー作である本作の時点で既に完成済み。昔、ap bank fesでMr.Children/Bank Bandの櫻井さんが「荒々しい中にも、物凄くジェントル」と評していましたが、まさにその通り。
今回知ったんだけど、本作、アナログ盤があるんですね! プレミアとか付いてるのかなー。是非とも欲しいなぁ。
お気に入りは、
#01 『勝算(オッズ)』
#02 『ロイヤル・ストレート・フラッシュ』
#05 『Walk On -Hey DJ JIN Pt.2-』
#08 『前略』
#09 『グッド・オールド・デイズ』
#13 『10 Balls+2 featuing Kick The Can Crew』
#15 『ツーリング・ブギー』
この作品が好きなら、
・『MASTERPIECE』/RIP SLYME
・『Case』/Creepy Nuts
・『#7』/KEN THE 390
などもいかがでしょうか。
CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/
ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!