>EP盤
>タイトル:ヒトツボシ〜ガリレオ Collection 2007-2022〜
>アーティスト:KOH+
>リリース日:2022年 9月 14日
>記事作成日:2022年 11月 8日
聴きました!
ドラマ『ガリレオ』シリーズの新作製作が発表されるたびに、ドラマ(映画)自体を楽しみにする気持ち以上に、「KOH+の新曲が聴ける!」というワクワク感に包まれるんですよね。
それくらい、好きなユニット。
『ヒトツボシ』
アレンジが不思議な曲。イントロには、もはや演歌とも思えるような強烈な哀愁がある。ギターリフに演歌のイントロを感じるのかな。で、1A辺りで一旦“普通の”J-POP感が出てくるんだけど、直後の1Bでは一気にスパニッシュというか、社交ダンスとかが似合いそうな情熱的な雰囲気に変わる。そしてサビでは、ちょっと歌謡曲というか、ニューミュージック的なものを彷彿とさせる感じになる。新曲なのに、なんかちょっと懐かしさというか時代みたいなものを感じるテイスト。
そんな感じで、曲が終わるまで色んなテイストが目まぐるしく交錯するので、ぶっちゃけ、歌詞とか歌にまでなかなか注目が向かない(笑) 結構繰り返し聴いているのに未だにこの曲の歌詞が今ひとつ分かってないのは、きっとそういう理由。
サビのフレーズは、さすがに頭に入ってきましたが。曲の荘厳さが、歌詞の悲壮感をドラマチックに演出していて、だから物凄く切なく感じる。映画は観れてないけれど、きっと重厚な人間ドラマが描かれているんじゃないかなぁ?というのが伝わってきます。
『KISSして』
ここから数曲は、既発曲をリマスタリングしたものが収録されてます。当初、“リマスター”じゃなくて“リミックス”だと勘違いしながら聴いたんですよね。リミックスとして聴いていた時は、ぶっちゃけ、「フィジカルのセールスを担保するために、“同じ楽譜で、楽器の編成だけちょっと変えた(=ギターのメロディラインをストリングスっぽいシンセに置き換えるとか)だけ”のお手軽リミックスをこの人たちもやり始めちゃったのかぁ」って思ったんです。ほんのちょっとの“味変”だけで同じ過去曲を繰り返し繰り返しリリースするやり口の“昔のヒット歌手”は、山ほど居ますからね。この曲も、「なんかちょっと雰囲気は違うけど、何がどう違うのからもはやよく分かんないな」って。でも、あとから“リマスター”だと分かって、驚き。「え、マスタリング次第でこんなにも雰囲気変わるの⁉︎」っていう。まず、このおふたりに対して「こすい商売しやがって」みたいに思ってしまってごめんなさいというのと(笑)、「マスタリングって重要なんだな」という驚きと…この曲に関しては、そんな感じです。
『最愛』
元から、大好きな曲。ほんと好きで、古今東西の好きな曲を入れてくようなプレイリストを作る時には絶対入ってくるくらい好き。
散々繰り返し聴いてきて。しかも一過性ではなく折に触れて聴き直してきて。で、今回改めて聴いて、改めてグッと来るって…どんだけ良い曲なんだ。通勤時に電車の中で聴いて、涙が出そうになるのを堪える事になるとは思わなんだ。
『恋の魔力』
この曲は、未だにフラットな気持ちで聴けないんだなぁ…『ガリレオ』テレビシリーズ第2弾から、唐突に柴咲コウさんが外れて。でも主題歌はKOH+のこの曲で…柴咲コウさんとドラマの接点がほぼほぼこの曲しか無かったので、湯川学と内海薫のコンビが本当に好きだったぼくは、なんかすがるような気持ちでこの曲を聴いてたんだよなぁ。だから、快活でポップな曲なのに、なんかぼくの中では重々しい曲なんだ(笑)
『99(New Era Remix)』
重厚なリズム隊と、エモーショナルなホーン(トランペットか?)。なんちゅーか…コッテリした曲。肚にガツンと来る。福山さん、あんなにスタイリッシュなイケメンなのに、こんなに男臭い曲を作れるから凄い(しかも、披露する時にはいたってクールな表情で)。
柴咲さんのスキャットが聴こえる瞬間があり、「“一服の清涼剤”ってのはこういうのを言うんだな」としみじみ思ったり(笑)
『ヒトツボシ(Acoustic Arrange ver.)』
一般的に“アコースティックバージョン”と名の付くものは、(初期の)ゆずさんのようなコードをジャカジャカ鳴らす弾き語りスタイルか、大橋トリオさんなどのようにアルペジオとストリングスを組み合わせた幻想的な仕上がりにするかどちらかが多い気がするのですが…これはどちらでもない。確かに、アコギが鳴っている。クラシックピアノも鳴っている。そういう意味では間違いなくアコースティック。でも、凄く“濃ゆい”。ピアノがあまりにもドラマチックで存在感に溢れているからでしょうか。オリジナルから音が“引き算”されてるんだろうと思ってたら、“足し算”されてた感じ(繰り返しますが、楽器の数としては確かに引き算されてるんです。ぼくが言ってるのは、あくまで存在感の話)。
ぼくは、こっちのほうが好きだなぁ。
そんな、計6曲。
良い作品でした。
…良い作品でしたが、ぶっちゃけて言うと、「既発曲の良さを改めて感じる」のが中心だったかなぁ。新曲は、もちろん悪くはなかったけど、初期作品ほどにはハマれなかったかも。
KOH+の作風は、福山さんの作風とモロにリンクしているとぼくは思っていて(まぁ、当然なんでしょうが)。KOH+の初期の頃って、福山さんの音楽的にも、シンプルな音で言葉とメロのドラマを最大限に引き出すような構造だったように感じるんですよね。『KISSして』も、華やかではあるけどもアレンジ的には難解な事とかトリッキーな事はしておらず、ストレートにハジけてる感じ。『最愛』も、ボーカルのしなやかさと儚さを、ピアノ主体のシンプルな編成で聴かせていた。
対して、近年の福山さんは、割とオケを“盛る”傾向が強いと感じていて。言葉やメロよりも、オケが前に来る感じ。今回の『ヒトツボシ』にも、そして若干『恋の魔力』にも、そんな事を思ったりしたりしたりしたりしました。どっちが良いとか悪いとかの話ではないけど、ぼくの好みで言うとやっぱり『KISSして』『最愛』とか福山さんの『残響』の辺りのほうが好きではあります。
お気に入りは、
#02 『KISSして』
#03 『最愛』
この作品が好きなら、
・『誰か、海を。』/Aimer
・『Crispy Park』/Every Little Thing
・『THE BOOK』/YOASOBI
などもいかがでしょうか。
サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)
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