>オリジナルミニアルバム

>タイトル:サニーボトル

>アーティスト:Saucy Dog

>リリース日:2022年 7月 6日

>記事作成日:2022年 10月 12日






聴きました!


最新作! 7月リリースだったので、きっと今年の夏フェスでは本作収録曲がいっぱい披露されたんでしょうねぇ。

甘酸っぱくてほんの少しだけほろ苦い、耳馴染み抜群のポップロックバンドのミニアルバムです。




『404. NOT FOR ME』

もう、イントロの時点で、イイっ!(笑) 音の質感が、ぼくの好きなソレそのもの。もちろん、“本編”も大好きですが。ブルーノートの織り交ぜられた(多分)メロディラインは、力強いのに切ない。そこに、“柔らかい”ボーカルが重なれば、心地よく感傷的な曲になるに決まってますよね。

バンドが持つ特徴を、最大限に発揮してる曲。


あぁ、もう。

配信シングル。その時点で聴いた時は凄く大好きだったし、今回も変わらず「いい曲だな」とは思ったんですが、アルバムの流れの中で聴くと僅かに存在感が薄れた感じがしました。この曲がどうこうというよりは、この曲以外の曲が“タレント揃い”って事なのかもしれないけど。


『君ト餃子』

すごいタイトル…でも、本当にすごいのは、こんなタイトルなのに曲は一切ニンニク臭くないところ(笑) いつも通りに、何ならいつも以上に、爽やかで、ほんのり切なくて、甘酸っぱくて、そしてやっぱり爽やか。

歌詞の構造というか作風というかは、レミオロメン(特に初期)の藤巻亮太さんを思い出す感じです。生活臭が匂ってくる程に生活感のある描写に、独特の比喩を織り交ぜながら、“君”への想いを歌い上げる。『電話』とか『ビールとプリン』辺りを思い出します。


『優しさに溢れた世界で』

程よいアップテンポ。気持ちが上向いて軽くなるような軽やかさと、だけど押し付けがましくはなくて疲れる感じのない雰囲気とがいいです。

しかし…このバンドの楽曲の主人公は、リア充が多いですよね(笑) 日々の色んな葛藤はありつつ、彼女が居て、その人への細やかな配慮をする余裕があって、適度に色んなところに行って、それで笑い合う心のゆとりがあって。羨ましい主人公が多い。


『魔法にかけられて』

ミドルチューン。そして、これもまたリア充主人公。

ぼくは、このバンドの作品を聴くときに、大学生くらい〜20代半ばくらいまでの登場人物を想像しながら聴くんですが…「こんなに達観してる20代、居る⁉︎」と思う事は多い(笑) 日常の何気ない一コマに幸せを感じられる20代って、どれくらい居るのかな。それとも、「そう思える人で居たい」っていう願望を歌にしてるのかな。

ぼくは、この歳になってようやく、この曲の歌詞が言ってるような事が何となくわかるようになってきたけども。


ノンフィクション

配信シングル。

単発で聴いた時から、とにかくメロディが好きでした。メロディというか、メロディへの言葉の充て方というか。音符の数に対して言葉の数が多めなんだけど、それが凄く流暢に聴こえてくるんですよねぇ。“喋る” “歌う”というより、“流れてくる”感じ。凄く気持ちがいい。


『Be yourself』

サウンドの質感が良いですね。「CDの音を聴いている」というよりは、「目の前で演奏している」感じだし、もっと言うと「自分(たち)で鳴らした音の返りを聴いている」感じに近いナマ感。この曲を聴いていると、凄く、楽器の音を出したくなるんです。




そんな、計7曲。


今回も、期待を裏切らないクオリティ。普遍的なアレンジなのに、凄くオリジナリティがある。描かれるストーリーは甘酸っぱいんだけど、サウンドにはなんか達観したような安定感があって、それが面白いんだよなぁ。


一方で…さすがにちょっと、作風に既視感を覚える曲が増え始めたかも。既視感というか、「もうひとつ“何か”が欲しいな」みたいな。本作が1st.や2nd.くらいだったら、文句のつけようがない名盤だと思うのですが。これだけ作品を重ねてくると、欲張りなぼくとしては、「前作までとは違う“何か”をもう一つ…!」って思っちゃうんですよねぇ。

ぼくは、槇原敬之氏が、“ポップソング” “J-POP”としてのキャッチーなメロディラインを量産出来る最高峰の人だと思っているんですが。そんなマッキーですら、ある時期から、“誰もにハマるキャッチーなメロディライン”を生み出す事に限界が来て、アレンジのテイストをイジる方向に移ったりコラボをしたりする方向に行ったという印象を持っていて(あくまで個人の感想です)。Saucy Dogのコンポーザーである石原さんも、マッキー路線の素晴らしい(J-POP向きの)作曲家だとは思うのですが、メロの良さだけでイケる時期を超えたその先も見据えて、アレンジに少しずつバリエーションを持たせていくのが良いんじゃないかなぁ?と、余計なお世話ながらに思いました。

…いや、今でも全然好きですし、本作もすごく良かった事には疑いようの余地は無いですからね?(笑)






お気に入りは、

#01 『404. NOT FOR ME』

#03 『君ト餃子』

#06 『ノンフィクション』

#07 『Be yourself』






この作品が好きなら、

・『DAYS』/the shes gone

・『Invitations』/ドラマストア

・『風景になって』/kobore

などもいかがでしょうか。






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