>オリジナルミニアルバム

>タイトル:Are U Romantic?

>アーティスト:UA

>リリース日:2022年 5月 25日

>記事作成日:2022年 8月 24日






聴きました!


UAさんは、初期のシングル作品は特によく聴いてました。『情熱』『甘い運命』『悲しみジョニー』『ミルクティー』…どれも、未だに口ずさめる。

そこからしばらく遠ざかっていたのですが(UAさんご自身も、新譜のリリースが途絶えてましたし)…本作は、ゲストにハナレグミさんやKjさんなどなど。そうなってくると、聴かないという選択肢は無くなりますよね(笑) なんだこの、(UAさんも含め)豪華なメンツ。




『微熱』

往年の名曲『情熱』を思わせるタイトル。タイトルだけでなく、音からも相関を感じさせられる。珍しいなと思ったのが、歌詞とかメロディとかじゃなく、“音の質感”が過去作を彷彿とさせたという点。例えば、続編だのアンサーソングだのという表現で言葉を使って過去作を想起させるなんてのは常套手段で。メロディに過去作の旋律を混ぜ込むというのもよくある。でも、この曲(というかこの作品)は、音の質感(感触、ニュアンス)でそれをしてるんですよね(ほんの一瞬だけ、『情熱』のメロディラインが聴こえる瞬間はありますが)。音の質感で過去作とリンクを張るなんて、なんて高度な遊びなんだろう。

ちなみに、楽曲提供はマヒトゥ・ザ・ピーポーさん。


『お茶』

…いやどんなタイトルよ? と思ったら、ハナレグミさん提供曲。途端に「あぁ、それならば」と納得(笑) 真ん中を外すセンスは、永積さんそのもの。

曲自体も、ハナレグミ感抜群だと思います。『Primal Dancer』とかみたいな、ちょっとクラブミュージック的なグルーヴも感じられるほうのハナレグミ。

という訳で、低音がうねりにうねりにうねりにうねるクラブミュージック風ミドルチューン。ものすっっっごくお洒落な音。タイトル『お茶』なのに(笑) クラブの空気と和室の空気を融合出来るのは、ハナレグミ以外に居ないっすわな。

永積さんもコーラス参加してるんですが…“出番”少ないのに存在感凄い。“コーラス”というより“デュエット”のイメージ。ボーカルのクセが強い二人のアーティストが、まさかこんなに馴染むなんて。和の食材と洋の食材がミラクルフィットした、抹茶チョコみたいなもんか。

ラップのとこが、マジかっこいいんだよなぁ。


『アイヲ』

柔らかいアコギの音に先導されて、ゆったりと始まる。でも、野太いビートが重なって、更にありとあらゆる音が重なって、なんとも形容しがたい独特の空気感を生み出す。“15種類の食材を使った”みたいな、重層的な味わいの料理みたいな曲。聴く時々によって、勇気をもらえる瞬間もありそうだし切ない気持ちに浸れる時もありそう。何かの作業中のBGMにも出来そうだし、逆に“ヘッドフォンでボリュームMAX、この曲だけを浴びたい”って事にも応えてくれそう。

一筋縄ではいかないヒネた感じ、さすがの岸田繁さん。


『蜂蜜とミルク』

Nulbarich・JQさん提供。洒脱でシュッとしていて、クールなのに遊び心も香ってくる。JQさんらしい感じ。一方で、そんな“イマ風”でスタイリッシュな空気感に、個性的で存在感の強いUAさんのボーカルがよく馴染んでいてびっくり。頭でっかち(=ボーカルの存在感だけで成立させてるようなバランス)でもなく、逆に下半身デブ(笑)でもない。非常にバランスが良い。シティポップとしても聴けるし、“90年代J-POP”としても聴けるイメージ。


『Honesty』

中村佳穂さん提供曲(中村佳穂さん、最近めっちゃ色んなところでそのお名前を目撃するなぁ)。

少ない音数のウッディなオケのために、ボーカルのメロディラインと歌声が物凄くダイレクトに伝わってくる。生半可な気持ちでは受け止められないくらいに、歌の存在感が。オケの雰囲気もあるのかもしれないですが、“歌を聴いてる”というよりも“演劇を観てる”ような感覚になる。そこには独創的な物語があって、個性的な表現者が居て、そして感情を揺さぶられる。


『Okay』

なんと、Dragon AshのKjさん提供。このお二方にどんな接点があるんだろうなぁ、ぼく的には本作中でもっとも意外な組み合わせ。

Dragon Ashは時期により大きく作風が異なりますが、そのどれとも、この曲の雰囲気は違う。何となくですけど、昭和のキャバレー感を感じました。「古臭い」ではなく、「モダン」の話。

こんなに“ディーバ感”のあるUAさんは、初めてなんじゃないですか? そして、ギターはブルージーだし、ベースはセクシー。とにかくオケの雰囲気が抜群。そんな、素敵なオケとUAさんの歌声の相性はなお抜群。




そんな、計6曲。


良い意味で、「あれ?UAさんてどんなアーティストなんだっけ??」というのが分からなくなる作品。本作収録の6曲も、それぞれが雰囲気を全く異にしているし。ヒットチャートの常連だった時期の雰囲気とも、これまた異なる。「UAと言ったらこんな感じ」的な先入観を、良い具合に崩してくれます。フラットな気持ちで、「良いボーカリストさんだなぁ」と思えた。

一方で、音の質感的には、『情熱』とか『ミルクティー』とかあの時代の感触も再現されていて、それはそれで嬉しかった。キャッチーなんだけど独創的で、おうちで気軽に聴けるのにクラブ仕様で。

かなり良かった!






お気に入りは、

#01 『微熱』

#02 『お茶』

#03 『アイヲ』






この作品が好きなら、

・『』/CHARA+YUKI

・『タンデム』/冬にわかれて

・『Swing for Joy』/EGO-WRAPPIN'

などもいかがでしょうか。






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