>オリジナルフルアルバム

>タイトル:vanitas

>アーティスト:(sic)boy

>リリース日:2021年 12月 8日

>記事作成日:2022年 8月 1日






聴きました!


気分だけでもロッキン2022”シリーズ、その⑲!

幼児の居る我が家では野外フェス参戦などもってのほかなんだけど、夏フェス気分は味わいたいという事で、ロッキンに参戦してた頃にやってた予習(まだ聴いた事のないアーティストの作品を聴いて、参戦するかどうかを決める作業)だけでもやって、気分を盛り上げたいなぁと。


今回は、お名前も存じ上げなかった(sic)boyさん。ソロアーティストさんのようですね。

ビジュアルを拝見して、本作のジャケットも拝見して、フィーチャリング参加している面々の名前を見て、本当に簡単にですが過去のインタビュー記事も読んで…全体的に、アウェー感(笑) ぼくが普段聴く界隈の音楽の、その外側に居る感じの方。異文化に触れる…ワクワクでした!




『vanitas』

重厚なストリングスが先導する、なんともおどろおどろしい雰囲気の曲。おどろおどろしいんだけれども、同時に凄く整然としてもいる。ゴシックなヨーロッパ感。


『Crow』

Gottzさんをフィーチャーして。

ノイジーな曲。低音がこれでもかってくらいにうねる。トラップ感強め。

この(sic)boyさんというお方、元は滑らかで透明感のある歌声な気がするんですが、わざわざダミ声にして歌うのが好きなんですかね? まぁ、このオケにはその歌い方が合ってるとは思いますが…元来の声の質とやりたい音楽との差をデスボイスで埋めてる感じがして、その辺になんかソロのHYDEさんっぽさを感じる気がするんだよなぁ。


『Creepy Nightmare』

lil aaronさんなる方をフィーチャーして。

この曲の印象も、前曲に近いものがあるかなぁ。なんか、無理して喉を閉じて歌っているような…。いや、ぼくが勝手にそう感じているだけなのかな。そうなんだろうな。


『FLN』

Jez Diorさんという方をフィーチャリング。

ギターの音が前にきた、ロックサウンド。リズム隊も太い。尚且つかなり歪んでる…打ち込みなのか?

前の曲までのところで「ヒップホップの人なのね」という認識になりつつあったんですが、この曲は結構歌モノ。歌モノというか、メロディアス。

ちなみに、初めてこの曲を聴いた時、ぼくはちょっとELLEGARDENぽさを感じました。


『落雷』

釈迦坊主さん…あの釈迦坊主さん⁉︎をフィーチャーして。聴いたことのある人の名前が出てきた!

急き立てられるような、追い立てられるような、そんなビートにドキドキします。“気持ちが高揚”というよりも、“運動したあとの小道具”に近いドキドキ感(笑)

この曲、なんか好きだ。フックが凄くキャッチーだからかな。


『Misty!!』

シンセがゴリゴリ。煌びやかというか、ギラギラ感。ネオン街の光みたいな、適度に不健全な匂いがする(褒め言葉)。

リリックに目を向けると、結構…というかかなり、アツい事言ってるんですよねぇ。もっと低体温な、斜に構えた感じのリリシストなのかと思ってたけど。そのギャップにヤラレかけます。


『水風船』

また知ってるお名前! AAAMYYYさんをフィーチャー。

物憂げな、気怠げな、なのに人懐っこいAAAMYYYさんの声が、最近結構好きなんですよねぇ。ひと昔前の言葉で言うと、ツンデレ感(笑) ぼくはDAOKOさんが好きなので、そりゃあAAAMYYYさんの声も好きだよなぁ…なんて今更ながらに思った。

ダンサブルで、だけど“うわついた”というよりはずしんと重みを感じるような雰囲気。それが、嫌いじゃない。


『BLACKOUT SEASON』

phemさんなる方をフィーチャー。

ここまで、結構重苦しい(?)曲が続いたような気がするけど、ぼくは、この曲はちょっとだけ陽性の匂いを感じたかな。重たく立ち込めた雲間から、薄明かりが射すような。リリック的にはそんな感じでもないのかもしれないけど、オケからそんなイメージを受けました。


『Last Dance』

Wes Periodさんという方をフィーチャーして。

急に聴こえてくるアコギ。情感たっぷりなアルペジオと、ボーカルの歌い方に、ぼくは平井大さんを想起しました。平井さんのような、小洒落ていて、なのに真面目で真っ直ぐな感じも併せ持つ作風。


『Heartache』

澄んだエレキのリフが美しくも物悲しい、ミドルチューン。正にアルバムの〆!といった感じの、いろんな意味で“分かり易い”曲。感傷的な歌詞は、ネガティブなワードを使いつつも後ろ向きでもない肯定的なニュアンスも含み。アレンジも、分かりやすく感傷を誘う構成で。聴き手は、圧倒的に切ない気持ちになりつつもでも絶望ではない気持ちを抱きつつアルバムが終わる。「傷つき、疲れ果て、それでもなおもう一歩」という感じの曲。




そんな、計10曲。


誤解を恐れずに言うなら、あらゆるアーティストのあらゆる要素を感じました。“J-POPメガミックス”みたいな印象。パクリだとか、モノマネだとか、そういう短絡的な事を言いたいのではなく…“先人”たちの作ってきた色んな要素が、各楽曲に溶け込んでいるなぁという感じでした。なので、凄く“イマ風”な作風ではあるんだけど、「“あの頃”のJ-POPを聴き込んできた人なんじゃないかなぁ」という印象を受けた感じです。いや、完全に見当違いの可能性も大いにあるんですが(笑) あくまでも、「ぼくはそういう印象を受けました」という話。


何でしょうね…凄く、重苦しさを感じました。葛藤というか、怒りというか、諦めというか…でも、聴き込みが足りないからか、それが何に対する感情なのかというのが今ひとつ汲み取れなくて、だから感情移入が出来なかった。そんな堅苦しい聴き方じゃなくて、もっとライトに「アレンジ、カッコ良さげ〜」「ビート、気持ち良さげ〜」みたいな聴き方をする分には、凄く良いアルバムなんですが。

音楽を“生きる糧”ではなく“ファッション”として聴くのであれば、物凄くお勧め。もちろん“生きる糧”として聴いた時にこのアルバムがヒットする人だって沢山居るのでしょうし、そこを否定するつもりは無いのですが、ぼくのフィーリングとはちょっと違かったかな?という感じ。

冒頭のように“異文化に触れる”という意味では興味深かったけど、「この先も聴き続けたいか?」「フェスで、生の音を体感したいか?」という意味では、正直そこまで積極的な気持ちにはならなかったかな。






お気に入りは、

#05 『落雷』

#07 『水風船』






この作品が好きなら、

・『ANTI』/HYDE

・『DIMENSION』/kZm

・『!!!』/LEX

などもいかがでしょうか。






容量減ったら削除かも…レベル(ノ_<)












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