>オリジナルフルアルバム
>タイトル:Quilt
>アーティスト:Rei
>リリース日:2022年 4月 13日
>記事作成日:2022年 6月 7日
聴きました!
Reiさんの、“東京に出てきてから10年間で築いてきた音楽仲間たちとの繋がりを具現化するコラボレーションプロジェクト”だというQUILTの楽曲を集めた、コラボレーションアルバム。
例えばCHAIさんなんかは聴く前から何となく「こんな感じかな?」っていう想像が働いたし、逆に山崎まさよしさんなんかはまったくもって想像がつかず。そのどちらも楽しみでした!
『QUILT with Ryofu and Friends』
もう、冒頭から、ぼくが大好きな感じの曲。とにかくグルーヴィで、アッパーで、音のシャワーに吹っ飛ばされる。
Ryofuさんのラップと、Reiさんのギターが何ともよく似合っている。情報量が多いのに整然としていて、だから凄く聴きやすい。こんなに美しく畳み掛けられたら、アツくならざるを得ませんよ…BPMを上げる事でテンションを煽ってくる曲は多くあるけれども、この曲に関してはそういう安直な煽り方ではなく、あくまでプレイで煽ってくる。
ちなみに、ベースはこれハマ・オカモトさんなんですよね⁉︎ 切れ味が凄いのに物凄く野太さもあって、気持ちいいんだよなぁ。この人と休日課長さんのベースは、ほんと好き。
『CRAZY! CRAZY! with 東京ゲゲゲイ』
東京ゲゲゲイさん…存在は知ってるし、断片的に曲を聴いた事はあったけど、“ちゃんと”聴いたのは初めて。凄くクールで良い声してらっしゃいますね。クールなんだけど、一方ではエモーショナル。ソリッドなReiさんのギターに、よく似合ってる…いや今回、どの曲を聴いても「Reiさんのギター(もしくは歌声)に、よく似合ってんなー」と思うんですよねぇ。相性(相手選び)の結果なのか、Reiさんのギターは他者に寄り添うのが上手いのか。“相手に合わせてる”感は薄く、凄くReiさんらしいギターリフのオンパレードなのに、相手との相性が抜群なんだ。
『BPM with Cory Wong』
ぼくはこのCory Wongさんという方を存じ上げなかったんですが、ギタリストさんなんですね。しかも、海外の。
ぼくは立派な耳と卓越した感性とを持ち合わせている訳ではないので、音を聴いただけで「あぁ、こっちがReiさんの音色だ」「この聞き覚えのないテイストはコリーウォンだろう」なんてのは分かりかねるのですが(苦笑) なんとなく、直線的でパキッとした雰囲気のほうがReiさんで、パートパートで雰囲気の異なるギターは全部コリーウォンさんなんじゃないかと思っている。
リズム隊も含めて非常に野太くそれでいてグルーヴィ。レーシングカーと同じ速度で走れる戦車みたいな音(笑)
『CHOTTO CHOTTO with CHAI』
タイトルだけ見ると、ちょっと某双子芸人の顔が浮かんできちゃいますが(笑)
ReiさんにしろCHAIさんにしろ、音が可愛い作風なんですよねぇ。だから、「両者がコラボしたら何となくこんな雰囲気になるのかな?」という想像が付きやすかったし、実際そんな感じの可愛らしい曲でした。
ベースラインとボーカルラインがユニゾンしてたり、ギターはショートケーキで言うところのホイップクリームみたいにさりげなくでも可愛らしく重なっていたり。ダンスでも当てたくなるようなミドルテンポのリズムも可愛い。
カントリー調の、切ないんだけど気持ちの良い不思議な感触の曲。なんだかんだで、長岡亮介さんとの相性は抜群だよな〜とか思っちゃいます。コラボ曲なんだけど、良い意味で凄く“Reiの曲”感があって。楽しく弾いて、楽しく歌ってる姿が想像出来る感じ。
配信シングルで単体で聴いた時には「もっとReiさんのギターがキレッキレの曲を期待してたけど…」と思う部分も正直なくはなかったんだけど、今回のこのアルバムの流れの中で聴くと物凄くしっくり来る。
藤原さくらさん…ぼく的に不思議なアーティストさん。凄く女の子女の子したポップチューンを歌っていても、武骨で渋いフォーキーチューンを歌っていても、どちらも違和感がない。極論すると、西野カナと荒井由実が同居してる感じ(笑)
今回は、ちょうどその中間点って感じの曲だったかなぁ。
『ぎゅ with 細野晴臣』
御大登場。もちろん、この方の輝かしい足跡は存じております…が、リアルタイムで追っかけるような世代では全然ないので、何というか…ビートルズとかに近い印象かも。「昔いた、すごい人」みたいな(なんかすいません)。
そういうイメージがあってこの曲を聴いてるからかもしれないけど、なんちゅーか、おじいちゃんと孫感が…。
『Stay Awake with 長岡亮介』
本作中で、一番のんびりしてるかも。「BPMが」の話ではなく、雰囲気の話。スチールギターではないんだけど、それっぽい牧歌的な響き。ちょっとハワイアンっぽいイメージ。カントリーミュージックの音でハワイアンを奏でてる感じというか。
凄く柔らかくて、あったかい気持ちになる曲…英詞なんでね、ぼくの理解出来ないところで物凄くグロいストーリーが展開している可能性もゼロではないけども(笑)
『TAKE A BREAK with Cory Wong』
再び、コリーウォンさんと。
プラスも重なって、華やかな音。華やかではあるんだけど、リズム隊もギターもめっちゃタイトにソリッドにスピーディに畳み掛けてくるもんだから、冗長な感じはゼロ。各駅停車しか停まらない駅のホームで、目の前を特急が走り抜けていく感覚を思い出した。
カッコいいなぁ。こんだけ楽器が出来たら、こんだけ高度なセッションが出来たら、幸せだよなぁ。
『月とレター with 山崎まさよし』
なんと、まさやん。こんなところでまさやんのお名前を見かける事になるとは。
今回は、歌唱ではなく楽曲提供(作詞はまさやん、作曲は共作だそうな)で参加。これだけのギタリストなので、演奏のほうにも参加してるのかな〜と思って検索してみたら、まさかの「ドラムスとコーラスで参加」。ギターじゃないんかーい!(笑)
メロディには、もう物凄くまさやんを感じました。3連のリズムにゆったりとしたビートが乗り、柔らかいんだけどそこはかとない切なさが襲ってくる感じ。サビの展開とかも物凄くまさやんを感じたけど、でも作曲はReiさんとの共作なんですよねぇ。叶うなら、どの部分をどちらが作ったのか尋ねてみたいもの(笑)
『CACTUS with 渡辺香津美』
ラストはインスト曲。ぼくは失礼ながら存じ上げなかったのですが、渡辺香津美さんはジャズギタリストさんなんですね。
もうほんとに、“2つのギターによるアカペラ”って感じの、他の音が削がれてギターだけがそこにあるという曲。この曲を聴いて、「あぁ、ぼくはこういう音のギターを弾けるようになりたかったんだなぁ」って、何となく思いました。ガツガツしていないのに存在感が凄くて、深みがあるのにポップ&キャッチーでもあって。そして、とにかく渋い。こういう音は本当にジャズ界隈でしか聴けないし、ジャジーなギターって相当カッコ良くないですか? もう、そんな感じで、ドキドキしちゃう曲。
そんな、計11曲。
カッコよかったです。どの曲も、カッコよかった。
前半は“若者向け”というか、いわゆる“チャートインしそうな曲”が多かった印象。そして後半は、大人の渋みにくらくらする感じ。凄いのは、その両方に、取ってつけた感がゼロだったという事。渋い曲には本物の渋みと円熟味が乗り、ポップな曲はまごう事なきキャッチーさと華やかさとを帯びていた。どっちも“本物”で、ドキドキしました。
欲を言えば、普段のReiさんのゴリゴリかつキレキレかつキラキラのパンキッシュなアッパーチューンがもう一曲くらい欲しかった気はする。
お気に入りは、
#01 『QUILT with Ryofu and Friends』
#02 『CRAZY! CRAZY! with 東京ゲゲゲイ』
#05 『Don't Mind Baby with 長岡亮介』
#08 『Stay Awake with 長岡亮介』
#09 『TAKE A BREAK with Cory Wong』
この作品が好きなら、
・『VXV』/OKAMOTO'S
・『SAMURAI SESSIONS vol.1』/MIYAVI
・『Soul to Soul』/布袋寅泰
などもいかがでしょうか。
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