>オリジナルミニアルバム
>タイトル:orbe
>アーティスト:orbe
>リリース日:2020年 6月 20日
>記事作成日:2022年 4月 19日
久しぶりに聴きました!
このところハマっているharuka nakamuraさんと、ギタリスト兼エンジニアの田辺玄さんによるデュオによる作品。今夏、初のフルアルバムも出るという事で。まずはこちらで復習。
だってもう、ジャケットのこの雰囲気が良いじゃないですか…ジャケットを鑑賞するという用途のためだけにでも、買って損はなさそう(笑)
『LAST HOME』
ギターの音が可愛らしくて、ウッディな温もりもあって、なおかつ爽やか。そこに、haruka nakamuraさんの軽やかなピアノが重なって。harukaさんのピアノはどちらかというと滲むような淡さに魅力を感じていたんですが、今回のこのアルバムではもうちょっと快活というかクッキリした感じがあって、それもまた良いんですよねぇ。田辺さんのギターと“温度感”がまったく一緒で、物凄くまとまりがあるというか収まりが良いというか相性抜群なコラボレーションである事がよく分かる。きっと、お互いの特徴と良さとを熟知しあってる間柄なんでしょうねぇ。
“ぶつかり合うコラボ”ではなく、“溶け合うコラボ”。美しい。
『夕凪』
それこそ、このジャケットにある風景を、そのまま音にしたような曲。ぼくにはそう感じられました。オレンジと濃紺が混ざり合う鮮やかな夕景…そこにある凛とした空気も、夕暮れの感傷も、日差しの名残のほのかな温もりも、全部が音で表現されている。あったかくて、切なくて、自然の穏やかさがあって、ビビッドなポップ感もあって。
『Same Song』
おなじみのLUCAさんを招いての、歌モノ。
LUCAさんの、儚げなのに芯もある独特な歌声が、炸裂。幻想的なボーカルと、水彩画のようなピアノ&ギター、対してバイオリン(多分)がクッキリハッキリとした存在感を出していて、その対比もまた素敵。
『BEAU PAYSAGE -Harvest Rain ver.-』
こちらも、LUCAさんと共に。こちらの曲は、ボーカル(というかほぼハミング)とピアノの両方が、淡く淡く淡く淡く滲んで沁みてくる。ほぼ歌声とピアノのみで、それが美しくそして静謐に響いてくる。切ないんだけどあったかくて、優しいんだけど物悲しくて…このジャケットのような景色とシチュエーションで聴いたら、多分泣く。
終盤の小鳥のさえずりに、なんか救われる。
『BEAU PAYSAGE』
2曲目の『夕凪』は、(その曲タイトルもあって)夕方の風景をイメージしたんですが、この曲は、何故だか明け方(朝方)の感じがしたんですよね。そうやって見ると、このジャケットも、ちょっと夜明け前に見えてくる。
透明感があって、快活で、そしてなんか木々の芽吹きみたいなそんな躍動感も感じる曲なんですよねぇ。ギターの乾いた音が凄く陽性の空気を醸し出していて、聴いていると心が少し軽くなるような感じがします。
そんな、計5曲。
どの曲も、全部良かった…。
一方で本作は、シチュエーションや“空気感”によって受ける印象がだいぶ違うなぁとも思いました。
本作は、これまでに何度か聴いていたんですが、これまでは今回ほどには印象に残らず、各曲も(失礼ながら)もうちょっとインパクトがあっても良かったなぁくらいに思ってたんです。でも、今回聴いたら、これ以上に何も足してほしくない、「このアレンジとこの音とが黄金比!」くらいに思えて。
これまでに聴いた時と何が違ったかというと、結局、季節だったんですよねぇ。今(これを聴いてる今は4月)のこの、草木が芽吹く活力や緑の匂いが軽やかな風に乗ってやってくるこの季節にこそ、最高のBGM。春の光景を肴にこの作品を聴いて、そしてこの作品を肴に春の光景を堪能する…なんて贅沢な時間なんだろうか。
これは、春に聴くべき。別に桜や梅みたいな華やかな風物詩がある必要なんてない。日常の光景の中にある風を、温度を、光を、陰を感じるだけで良い。それでいい。それがいい。
お気に入りは、
#01 『LAST HOME』
#02 『夕凪』
#03 『Same Song』
#04 『BEAU PAYSAGE -Harvest Rain ver.-』
#05 『BEAU PAYSAGE』
この作品が好きなら、
・『Echoes』/小瀬村晶
・『土と、白の色彩』/Kazunori Sugama, Mayu Gonto
・『Soundtracks for Everyday Adventures』/Lullatone
などもいかがでしょうか。
CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/
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