>オリジナルフルアルバム
>タイトル:Colon
>アーティスト:佐々木恵梨
>リリース日:2021年 6月 16日
>記事作成日:2021年 7月 12日





聴きました!

アニメ『ゆるキャン△』のエンディングテーマとして流れていたこの方の曲を聴いて、興味を持ちました。1st.シリーズの曲も2nd.シリーズの曲も、どっちも良くて。「これは、アルバムを待ってあらゆる曲を聴いてみたいぞ」と思い、本作が出るのをずーーーっと待ってました。



『Beep Beep Beep』
まぁ、ぶっちゃけ、「あぁ、こういう感じなのね…」みたいに思ってしまいました。「凄く、洋楽」。音数の少ないバンドと、存在感の強いシンセと。透明感がありつつドラマチックでもあるアレンジに、「まんま洋楽じゃん」と感じました。ビルボードチャートとかから頻繁に聴こえて来そうな雰囲気。
そして、英詞…「日本人が日本市場でリリースする作品を、英語で歌う理由は何なんだろう?」と常々疑問に思っているんですが、この曲にも感じてしまいました。英語圏でリリースする作品の逆輸入盤とかなら、全然気にならないんですけれども。
サウンドメイクに関しても英詞の件に関しても、「だいぶ、洋楽に傾倒してる人なんだな」という印象でした。

『Me Time』
ここからは、日本語。アレンジの雰囲気には、引き続き洋楽っぽい雰囲気を感じはしますが。
サウンドが大人びた雰囲気の割に、歌詞には若者感を感じます。そのアンバランスさ、ぼくは面白くて好き。背伸びしてる感じが、微笑ましいというか。

『BRITISH ROBOT』
ちょっと雰囲気を変えて。手数の多いビートが、波状攻撃を仕掛けてくる感じ。殆どの音がデジタルの硬質な感じで、非常にシャープな音符が攻めてくるイメージ。ここまでは“積み木”ってイメージの柔らかい音だったけど、この曲は“レゴブロック”のイメージ(笑) プラスチックの、カッチリした感触。

『YURUSU』
何だか壮大なタイトル。でも、歌詞的には、本作中でもかなりリアリティが強い部類。「リアリティが強い」というか、生活感とか日常感とかを感じるというか。ぼくが住む街から電車で行けるところの生活を切り取ったような描写が多い。
直接的な「言葉」とか「文章表現」というのともちょっと違うんだけど…この曲の主人公の情緒がそんなに安定してない感じがそこはかとなく伝わってくる感じが、好き。表現が巧いと思う。

『Orchis』
これまた不思議な…矢継ぎ早に聴こえてくる、音、音、音…。騒がしいとかゴチャついてるというのでは一切なく、むしろ音は幾何学的に整然と並んで居るんだけど…なんとも言えない焦燥感に襲われる。これはなんて表現すればいいんでしょうねぇ? とりあえず…とても面白い。

『遥かなる旅』
クロニクル的な感じの壮大なRPGのテーマソングみたいな雰囲気。雄大な雰囲気の中に郷愁もあり、厚い雲から一筋の光が差すような神々しさが感じられます。

『ふゆびより』
一転して、フォーキーなサウンドが軽やかで柔らかで可愛らしい曲へ。『ゆるキャン△』1期のエンディングテーマ…ぼくはこの曲でこの方を知りました。ふんわりと柔らかいボーカルがサウンドにマッチして、とてもあったかくて優しい雰囲気。

『Fireworks』
ちょっとジャズっぽいというか、むしろフォルクローレ風の感じがあるかも。飄々とした部分とと情熱的な部分とが不思議と共存する、不思議な曲。力強さと儚さが同居する花火と、イメージは似てるかもしれない。

『Part of Me』
再びアコースティックな編成で。柔らかくて温もりは感じられるサウンドだけれども、歌(歌詞、メロ、歌声)に関してはセンチメンタルが先に立つ印象。Aメロはメジャーの響きがあるから、尚更曲の感傷を強調してる感じに聴こえます。

『TIME AFTER TIME』
お洒落でモダンなサウンド。低音の効いたグルーヴには、フロア仕様の雰囲気を感じます。メロディは美しくて完全に“歌モノ”ではあるんだけど、ボーカル以上にサウンドを楽しみたい。

『Time To Wake Up』
今度は、ダンサブルな曲。「すごい高速BPM」であるとか「リズムトラックがドゥンズバ言ってる」とかそういう感じじゃないんだけど、でも聴いてると体の内側からアツくなってくる感覚。

『Dia vo Lhizer -Lattice Mix』
巻き舌込みの、オペラっぽい雰囲気すらある荘厳な曲。まぁ、オペラ歌手の野太さというよりは、他の曲同様に華奢で繊細でその分しなやかなボーカルではあるんですけども。

『Majstang』
今度は、割とJ-POP J-POPしたJ-POP(笑) メロに抑揚があって、言葉は譜割りに忠実に乗っかってる感じで。凄く“目鼻立ちがくっきり”したソングライティングに、ぼくはJ-POPを感じます。

『はるのとなり』
こちらは『ゆるキャン△』2期のエンディングテーマ。『ふゆびより』と『はるのとなり』の2曲しか聴いたことがなければ、それは“こういうタイプ”のアーティストさんだと思いますよねぇ(笑)
アルペジオが軽やかに鳴り、コーラスが柔らかく重なる。「少し寂しくてあたたかい」という歌詞そのものみたいな曲。

『魂の部屋』
なんだか物々しい程のタイトルですが、曲自体はこれもアコースティックの柔らかな音色が広がる温もりあるバラード。
ちょっと、賛美歌的な匂いすらする、静謐なメロディラインが素敵です。



そんな、計15曲。

なんか、翻弄されっぱなしの作品(笑)
最初に聴いた時、1曲目『Beep Beep Beep』の時点で、(失礼な言い方ですけど)「洋楽かぶれかー!」って思っちゃったんですよね。でも、アルバムを聴き進めていくうちに、「別にそういう訳でもなさそうだな」という事に気付き。
また、『ふゆびより』『はるのとなり』しか知らなかった身としては、「あ、そっちのほうが“イレギュラー”なのね」という部分にも意外性を感じたり。
東洋的なミステリアスさを纏う曲もあれば、ダンサブルな曲もあるし、静謐なバラードもある。

良く言えば、「バリエーション豊かな作品」だと思います。ネガティブに捉えると、「詰め込み過ぎて、どこが“中心”なんだか分かりづらいな」という感じ。
もうちょっと色んな作品を聴いてみないと、この方がどんな音楽を奏でたいのかっていうのが見えづらいかな?とは思いました。「色んな音楽をやりたい」という事なのかもしれないけど、“核”なくして手広くやっちゃうと、ただただガチャガチャするだけですからね。ちゃんと“核”があると、そう信じたい。





お気に入りは、
#03 『BRITISH ROBOT』
#04 『YURUSU』
#05 『Orchis』
#06 『ふゆびより』
#14 『はるのとなり』





この作品が好きなら、
・『十九色』/清浦夏実
・『SUPERMARKET』/藤原さくら
・『FLAT』/山崎あおい
などもいかがでしょうか。





サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)










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