＞配信シングル
＞タイトル：週末グルーミー
＞アーティスト：Saucy Dog
＞リリース日：2021年 6月 2日
＞記事作成日：2021年 7月 1日
聴きました！
新譜を出したら必ずチェックするレベルで好きなアーティストさんが、軒並み新曲をリリースなさっているので。今週はシングル作品Week。
今回は、最近のバンドの中でイチ押しのこのバンドの新譜。
いや、「そろそろもう息切れするでしょう」「もうさすがに今回はぼくにハマる感じじゃなくなってるでしょう」なんて思いながら、ここまでずっとぼくの中でのヒットを飛ばし続けるこのバンド（笑） もう、なんか、ハマったあとに徐々に最初と違う感じになっていって、「あれ、このバンドどうしちゃったのかなぁ」みたくなっていく人たちを沢山沢山見送ったので、疑心暗鬼になってるんでしょうね。
というわけで、さすがにそんなに良い曲ばっかりが続くわけがないから今回こそは今ひとつだろう…と思いながら再生したこの曲は…。
『週末グルーミー』
…めっっっちゃ良いじゃないですかぁ（笑）
甘酸っぺぇ。実家を出て、ダンボールに囲まれた四角い部屋で一国一城の主になって…チャンネルは独占、エアコンの設定も自分好み、電話が来ても気兼ねなく出られるし、変な時間におやつだって食べれるし、寝たい時に寝て起きたい時に起きれる。そんな完璧な城なのに、何故だかほんのり切なくなる気持ち。声を出して笑ってたバラエティ番組を無言で眺める、なんだか少し変な瞬間。そんな、あの日のはじめての一人暮らしの日にぼくの鼻腔をくすぐった、甘酸っぱくくすぐったく少し冷たい空気が、この曲にギュッと濃縮されて詰まっている。誰にも見られていないのに、自分に対して「寂しくなんてないさ」と強がる夕暮れのオレンジが見えた気さえする。
圧倒的に親しみやすいメロディラインには、柔らかくて丸いけどアツさも帯びた歌声がよく似合う。アレンジには普遍性が強く、派手ではないのに胸に強く残る独自性もある。頑張って練習すればぼくにでも弾けそうなギターとベース、そしてドラムス…なのに、この感傷を表現する事なんて絶対に無理だ。この音は、このバンドじゃなきゃ鳴らせない。このバンドが鳴らさなきゃ意味がない。
そんな、計1曲。
はぁ…いい。
このバンドの曲は、違う世界を描くんじゃなくて自分の目の前の世界と地続きの世界を描写してるから良い。電車で、しかもPASMOでふらっと行ける範囲の世界を歌ってて。
「きっと次こそハマれない」のチキンレースの記録を、今回も無事踏みとどまる事が出来ましたよ。どこまで行ってくれるんだろうか。
お気に入りは、
#01 『週末グルーミー』
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