>オリジナルフルアルバム
>タイトル:NEW GRAVITY
>アーティスト:Nulbarich
>リリース日:2021年 4月 21日
>記事作成日:2021年 5月 26日





聴きました!

ホント、相変わらずオシャレ。表現者が、「オシャレ」なんて陳腐な一言で作品を表されるのはきっと不本意なんじゃないかと思い申し訳ないのですが、だってオシャレなんだもん。
トレンドの先端を追って「はい、今これがオシャレでしょう?」という他人のフンドシ的ソレではなくて、もう独創的で唯一無二の作風でオシャレを表現してるから凄いんだよ。

ちなみに本作、2枚組。曲数も少なくトータル時間数もどんどん短くなっていっている音楽シーンにあって、こういう面でもオリジナル。



まずはDisc 1から。



『Intro』
落ち着いた雰囲気のエレクトロサウンドにドキドキ。ジェットコースターで言うと、最初の、先が見えずにやけに静かにそしてゆっくりと、カッカッカッカッカッと上がっていく感覚に近い。

TOKYO
配信シングルでしたね。『Intro』が物静かな感じだったので、そこから一気にギアを入れ替えてガツンと来たりするのかなー?とか勝手に思ってましたが、むしろ同じ空気感、同じ温度感が広がった感じでした。

『CHAIN』
今回は、これまで以上にアダルティでしっとりとした曲が多い印象。この曲なんかまさにそう、こんな曲を聴きながら首都高でもドライブした日にゃ、自分に寄っちゃって酒気帯びで捕まるわ(笑)

『Twilight』
落ち着いた空気感は保ちつつ、程よくアップテンポで小気味の良い雰囲気に。夜の匂いがする曲が多い本作ですが、確かにこの曲はトワイライトくらいのまだ少し明るいイメージを感じます。

『Lonely』
確かに寂しげというか孤独感を覚える雰囲気ではありつつ、でもこの曲のこの感じは「孤独を楽しむ」っていうタイプの主人公だと思う。
ほんと、大人の匂いがムンムンの本作ですが、この曲は特にそう。ドキドキしちゃう。

『Mumble Cast #000』
本作中、ここに来て初めて、“人気(ひとけ)が感じられる”曲になったような感覚でした。ここまでは、曲の主人公(もしくは聴き手であるぼくなのかもしれない)が、独りきりで街を俯瞰しているような感覚だったので。

『Skit #333』
インスト曲。基本的にはシンプルなサウンドが繰り返すだけなんだけど、それですらスタイリッシュってどういう事だよっ!

『Look Up』
JQさんの、一切張らない歌声がもう、ツボ。いつもより少しだけスモーキーに聴こえる声には、艶があるのに同時にハードボイルド感もあって。瞬間瞬間で色んな表情が交錯する感じは、もはやズルい。

『Break Free』
ここまでと、ちょっと雰囲気が違う感じがします。ダンサブルなベースが特徴的な、バンドが前に出た感じの曲…とは言っても、別に急にギターがパワーコードをかき鳴らすようなバンドサウンドという事では一切ないけど(笑)
なんか、アナログ盤で聴きたい曲。

『LUCK』
なんかちょっと、希望を感じる。ここまで、“ど深夜のクラブ”って感じの雰囲気が続いてきたけど、白い光が差す朝みたいな曲。このアルバムで、ここまで来て初めて動的なエネルギーを感じたかもしれない。

『Lost Game』
この曲にも、なんか突き抜けた希望のようなものを感じました。歌詞のフレーズをひとつひとつピックアップすると割と後ろ向きなものが多いんだけど、このメロとこのオケと一緒に聴くとオセロみたいに全部が希望にひっくり返るような気がする。気がするだけかもしれない。けど、ぼくはそんな気がした。

『In My Hand』
シンセの効いたオケにはシリアスさを強く感じるけど、歌声にはなんか肩肘を張らない等身大の温もりを感じる気がします。これもまた、「気がする」だけかもしれない。でも、確かにぼくはそう感じた。

 

そして、Disc 2へ。
こちらは、コラボ曲中心ですね。



『ASH  feat. Vaundy (n-buna from ヨルシカ Remix)』
ぼく的に、なんか予想外のコラボ過ぎる。Vaundyさんとナルバリにどういう接点があるんでしょうか。そしてそれ以上に、ヨルシカのn-bunaさんと。
でも、全然違和感が無く、ちゃんと(?)Vaundyさんの存在感もあるのにでも全体の雰囲気としてはナルバリ感強めという、理想的なバランスのコラボ。

『A New Day  feat. Phum Viphurit』
ぼくはこのPhum Viphuritさんというお方を存じなかったのですが…普通に聴いていると、普通な「ナルバリさんの曲」って感じ。

配信シングル。エエ声のJQさんとエエ声のBASIさんのコラボ…良くならないハズがない! そして、そんな期待を裏切らないご両親。
ふんわりと柔らかい空気に包まれ、でもつまんない予定調和はないコラボ。

『It's Who We Are (CraftBeatz Remix)  feat.唾奇』
予想外、唾奇さんとのコラボ。ぼくのなかで唾奇さんはヒップホップ界隈の中でもコワモテ方向に近いイメージなので、ちょっとドキドキ(笑) でも、曲は低音のビートがうねって煌く、重厚感があるのに聴きやすい仕上がりに。クールでカッコいい。

『Sweet and Sour (BACHLOGIC Remix) feat. AKLO』
AKLOさんのメロディックなラップとJQさんの都会的なボーカルのコンビネーションが絶妙。これ聴いてるだけで、オシャレピーポーに仲間入り出来そうなきがしてくる(笑)

『Be Alright  feat. Mummy-D (RHYMESTER)』
Dさんをこういうところでお見かけするとは。日頃から積極的に客演をされているかとは思いますが、今回は予期してなかった。
なんというか、とても紳士的な曲。アツさはありつつもあくまでクール、とても落ち着いていて“背中で語る”的な渋さを感じる。

『ASH  feat. Vaundy』
こちらが“オリジナル”なんですね。n-bunaさんのリミックスver.よりも音が先鋭的で、華やかな印象。甲乙つけがたいけど、ぼくはn-bunaさんver.のほうがより好きかな〜。



そんな、2枚組計19曲。
ちなみに、初回盤にはもう一つディスクが付いているそうな。

なんでしょう、非常〜〜〜にオトナな作品だったと思います。葉巻、ウィスキー、ベンツ…ぼくの乏しい想像力を総動員して、このアルバムの音楽が似合うアイテムを挙げてみた(笑)
別に“おっさんくさい”という事では全然無くて、あくまでも“オトナ”の音楽。
ぶっちゃけ、ぼくなはまだ「この良さが分かる」というよりは「こんなオトナな音楽に触れている自分に満足」のレベルなのかもしれないな…。





お気に入りは、
○Disc 1  
 #05 『Lonely』
 #06 『Mumble Cast #000』
 #09 『Break Free』
○Disc 2
 #03 『Together  feat. BASI』
 #04 『It's Who We Are (CraftBeatz Remix)  feat.唾奇』





この作品が好きなら、
・『THE ANYMAL』/Suchmos
・『POLY LIFE MULTI SOUL』/cero
などもいかがでしょうか。





サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)










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