>オリジナルフルアルバム
>タイトル:I Love You
>アーティスト:フジファブリック
>リリース日:2021年 3月 10日
>記事作成日:2021年 4月 12日





聴きました!

最新作は、ゲストボーカリストを招いたものも多く、やや企画色が強いアルバムだと感じました。



『I LOVE YOU』
タイトルチューンにしてインストナンバー。『I LOVE YOU』という名のついた音楽作品の中で、かつてこれ程までにアッパーな曲があっただろうか(笑) “BPMが速い”というよりは、“テンションが高い”曲。

『SHINY DAYS』
ぼくにとってフジファブリックと言えば、3人体制になって作風が“マイルド”になって以降のイメージのほうが強いのですが…それでもなお「これはフジファブリックらしくない程にキャッチーだなぁ」と思いました。フジファブリックが「拭き掃除〜掃き掃除するよ〜♪」なんて歌うとは思ってなかった(笑) いや、嫌いじゃないですけどね。

『赤い果実(feat. JUJU)』
タイトルの通り、JUJUさんを迎えて。フジファブリックのロックバンド然とした作風とJUJUさんのアダルティで妖艶なスタイルとがどう絡み合うのかと思ってたのですが、違和感ないですね。普段のフジファブリックよりは、少しJUJUさん寄りかな?って感じの印象。リズム隊がグルーヴィで、ギターが濡れていて、大人っぽい。でも、フジファブリックが持つポップさ、キャッチーさもちゃんと出てる。

『たりないすくない(feat.幾田りら)』
飛ぶ鳥を落とす勢いのYOASOBIのボーカリストさんを招いて。
YOASOBIの『THE BOOK』を聴いた限り、ボーカルにはオートチューンが強めにかかってるように感じたんですが、このテイクではあんまりそんな感じはしませんでしたが。今回どんな感じで制作したんですかね?
さらりとカジュアルに聴ける感じの、耳馴染みの良いポップチューン。

『楽園』
イントロから、クセの強さが全開。3人体制のフジファブリックは前述の通り“聴き易くてマイルドな感じ”が好きなんですが、それでもやっぱり志村さん時代から続く“独特のクセの強さ”も必須要件ではあるんですよね。今回のアルバムは、ここまで割とそういった“クセ”が見られず、「聴きやすい反面、ちょっと物足りなさもあるかもなー」って思ってたんですが、この曲を聴いて「うん、そうそう!」と(笑)

『Dear』
これもまた、『楽園』とは違った種類の“クセ”があっていいですね。アレンジ的には、重厚感があってちょっと緊張感も感じられるんですが、ボーカルラインには比較的希望が感じられる気がして。歌詞にもメッセージ性が強い。極端な言い方をしちゃうと、オケには陰を、歌には陽を感じる。そのギャップが面白い。

『あなたの知らない僕がいる(feat. 秦基博)』
秦さんと山内さん、声似てますね! これまで全然気にしてなかったけど、ツインボーカルとして並ぶと一瞬だけどったがどっちだか…。
歌詞の世界観も、メロディやアレンジも、どちらも、瞬間的に眩しくなったり真っ暗くなったり…感情が“揺れてる”感じがして、非常に切ない。強がったり落ち込んだりを複雑に繰り返しながら生きる(しかない)、実を結べなかった恋の面影を追う時の心情が伝わってくる。

『手』
今回のアルバムの中で、断トツで好きな曲。非常に可愛らしい、そして親しみやすいアレンジ。トリッキーなアレンジは一切ないんだけど、その素朴な雰囲気が胸を打つ。
そして、サビのメロディ。可愛らしさが、一気にセンチメンタルに変わる。オセロで、たったの一手で縦横斜めが全てひっくり返るように。胸がギュッと締め付けられる。その感傷も込みで、好き。ヴァースで笑って、サビで泣く。

光あれ
小林武史Pとタッグを組んだ、配信シングル。ほんと、最初にこの2組の並びを見た時にはかなりびっくりしました。「この組み合わせは想定してなかったわ〜」って。
非常に爽やかで、そしてちょっとノスタルジックな曲。昭和のシティポップ みたいな印象を、ぼくは受けました。



そんな、計9曲。

そんなに熱心なリスナーとは言えないぼくが言うのはおこがましいのですが、なんとなく「らしくない」アルバムだなと感じました。別に否定的な意味合いではなくて、単に「聴いたことがない感じ」っていう意味で。
そもそも、このバンドが『I Love You』なんてタイトルを付ける時点で、新鮮でした。もっと、斜に構えたバンドだという認識だったので(笑)

ぼくは結構、山内さんの作るメロディが好きなんですが、何となく今回は山内さんらしい(というか“ぼくが山内さんらしいと感じる”)メロディが少なかったかな?という印象でした。イメージで言うと“平成のJ-POP”って感じ…王道な。志村さん時代には王道感が殆ど無いのが良かった気がして、山内さんのメロディの場合は王道とマニアックが半々な感じが好きで、でも本作には王道感の強さが際立っていたような。





お気に入りは、
#05 『楽園』
#07 『あなたの知らない僕がいる(feat.秦基博)』
#08 『手』





この作品が好きなら、
・『STORY』/never young beach
・『東京』/サニーデイ・サービス
・『サーフ ブンガク カマクラ』/ASIAN KUNG-FU GENERATION
などもいかがでしょうか。





サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)










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