>オリジナルフルアルバム
>タイトル:Cure
>アーティスト:小西真奈美
>リリース日:2020年 11月 25日
>記事作成日:2021年 1月 4日
聴きました!
テレビでよく見る女優さんという印象があまりにも強くて。最初はちょっと「え、音楽⁉︎」って思うところがあったんですが…凄く良い歌声をしてるんですよねぇ。
天は何物も与えるんですねぇ。
『Cure』
オープニング曲は、タイトルチューンで、なおかつインスト。しかも、インスト“曲”っていうよりも、もはや生活音というか、日常生活で聴こえてくる“音”に近い。
『君とはもう逢えなくても』
なんとも不思議な感触の曲。霧に紛れるような幻想的な雰囲気があり、でも一方でとても存在感もある歌声。
サウンドにしても同様で、シンプルで聴きやすいんだけども不思議と印象にも残るんですよね。
こじつけかもしれないけど、役者としてのこの方のスタイルにも似ているかもしれない。
…つか、作詞作曲もご自身なんだ!!! すげー。
『ギブス』
椎名林檎女史の名曲のカバー。表現は良くないかも知れないけど…「その手があったか!」という感じ。林檎さんの作品は林檎さんが歌わないと成立しない部分があるように感じるのですが、このカバーは上手に競合を避けてるというか。オリジナルの持つ狂気や悲壮感や情念みたいなものに“張り合う”のではなく、別方向から攻めてる感じ。身を切るように歌う林檎女史とは異なり、演じるように歌う小西さん。ディレクションが巧いなぁ…と思ったら、プロデュースは亀田誠治師匠。相変わらずのお手並。
『Endless Summer』
もう、クレジットを見るまでもなく、「アジカン Gotchさん曲だな」ってのが分かる仕上がり。跳ねるリズムに、独特のチョイスの言葉が乗っかる。ゴッチさんもコーラスしてますしね。かなり、ゴッチ色の強い曲。
『Ain't Nobody Know』
ぼくは原曲を聴いた事が無いんですが、星野源さんの曲のカバーなんですね。星野源さん作、ゴッチさん+下村亮介さんプロデュースって、すごい布陣。
星野さん特有のクセのあるグルーヴ感が、小西さんらを通してもなおヒシヒシと伝わってくる。面白い。
『アンリーシュ』
ご本人が作詞作曲で、こちらはなんと堀込高樹さんプロデュース。もう、製作の布陣がいちいち半端なくてビビる。
洒脱なシティポップ。小西さんの歌声には、そりゃあ堀込兄のサウンドは似合うに決まってますよねぇ。スタイリッシュで、繊細で、そしてキラキラしている。
『Lost Stars』
ぼくは洋楽はからっきしなのでさっぱり分からんのですが、洋楽カバーのようですね。
英詞なのも影響してなのかもしれませんが、ここまでの曲以上に幻想的でファンタジックな雰囲気が強く、もはやミステリアスとすら言えそうな程です。
しなやかで妖艶なウィスパーボイスに、ドキドキしてしまいます。
『Again』
これも洋楽カバーとの事。ジャネットジャクソンさん?
エレピのとろりとした音色と、小西さんの滲むような柔らかい歌声との相性がとても良いです。なんか、耳にすーっと流れ込んでくるような音。
ちなみに、プロデュースは、最近急激にお名前を目にする機会の増えたKan Sanoさん。
『Don't be Afraid』
ラストの曲もKan Sanoさんがアレンジ。そして、小西さんが作詞作曲。
ほんと、クセになる歌声。張るような歌い方じゃないし、どちらかというと線は細い。けれども華奢な印象ではなくてしなやかで伸びやかな雰囲気で。
アレンジも、歌声に寄り添うような、独特な雰囲気。妖艶な部分もありつつ、一方で無垢で純真な雰囲気もある。
クセになるわ…。
そんな、計9曲。
そもそも、「俳優さんが音楽をリリースしました」みたいなのが、あんまり好きじゃないんです。その方々が実際にどういうモチベーションでやられてるのかなぞ知る由もないのですが、どうしても“片手間”を疑ってしまって(真剣にやってる皆さん、ごめんなさい)。
でも、本作を聴いて思ったのは、片手間では到底生み出せないような唯一無二の世界観があったという事。これ、だいぶマジじゃないですか…。これが“音楽的才能”だとしたらもうぐうの音も出ないし、例えば「女優魂で、本格派アーティストを演じているんだ」という事なんだとしたってもうそれはそれで常人には想像もつかないハイレベルな所業だと思う。
これは、一聴の価値あり。
お気に入りは、
#02 『君とはもう逢えなくても』
#03 『ギブス』
この作品が好きなら、
・『十九色』/清浦夏実
・『PASSION BLUE』/土岐麻子
・『籐子』/tohko
などもいかがでしょうか。
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