>オリジナルフルアルバム
>タイトル:You need the Tank-top
>アーティスト:ヤバイTシャツ屋さん
>リリース日:2020年 9月 30日
>記事作成日:2020年 11月 5日 





聴きました!

「いやもう、さすがにそろそろネタ切れしてくるんじゃないの⁉︎」なーんて、心のどこかで思ってしまっていたダメな顧客、ぼく。
実際のところは…?



『Give me the Tank-top』
のっけから、エモい系チューン。サウンドはとにかく華やかでパワフルに、メロディはキャッチーに、そして歌詞は適度に青春している。説教臭くもなく、ウジウジもしておらず…ドライに、青春。心地良い。

『泡 Our Music』
スクラッチの音なんかも聴こえてくる、とにかく豪華で“聴き応えの特盛り”みたいな曲。でも、こんなに華やかなんだけど、シングルで聴いた時には何故だか「ちょっとエッジの鋭さが無くなった⁉︎」なんて思わない事も無かったんだけど…今回のアルバムの流れの中で聴いたら、もうキレッキレだった(笑) “アルバムの中の一曲”として聴いて、好きになりました。

『J.U.S.C.O.』
ハードロックのサウンドに乗せて語られる、ジャスコ愛…愛なのかは知らんけど(笑)
今回のアルバムの情報リリースの際に、ジャスコってワードがネットで話題になったみたいですね。でも、ぼくの感じ方的には、この曲は次の曲を映させるためのフリっぽく感じてしまう。

『珪藻土マットが僕に教えてくれたこと』
という訳で、今回のアルバムの中でもかなり特徴的というか、全編でアコギやピアノを絡めたメロウなロックバラード。この曲のメロウさを際立たせるために、ストレートなハードロックチューン『J.U.S.C.O.』が配置されているようにすら感じるのです(『J.U.S.C.O.』には前座的な小粒感しかないとか、そういう話では一切ないですよ!!!)。
アレンジ的にもメロウではありつつ、やっぱり一番は、歌詞の感傷でしょうね。夢なんて叶わねぇという絶望感と、それが終盤にて覆され希望に溢れたメッセージへ…って、何言ってんだぼく(笑)

『原付〜法定速度の範囲で〜』
本作中で一番好きな曲。120kmは出てそうな爽快感とアメリカンのバイクみたいなヘヴィなサウンドのハイブリッドによって展開するのは、、、原付(笑) 「時速30kmを超えるな これが 俺の精一杯」と歌う歌のテンションは120kmのアメリカン。もう、最高じゃないですか。
そして、サビのメロディラインのキャッチーさとかももう、群を抜いてる。こやまさんの、コンポーザーとしての凄さを改めて見せつけられました。

『sweet memories』
シングルのカップリングでしたね。実話っぽいから怖い(笑) このメモリーに、スウィートな要素を見つけられねぇ。
まぁ、いつも聴いてて引っかかるのは、“上履き味”が蘇る可能性があるのは“俺”じゃなくて“かわいいあの子”なんじゃないだろうか、と(笑)

『はやく返してDVD』
怒りが、哀しみが、戸惑いが、爆音の重厚ロックサウンドから伝わってきますね。“単に1枚のDVD”ではなく“BOXセットの中の一枚”である事に、借り手の罪深さを感じます。嗚呼神さま、人というのはどうしてこうも罪深い生き物なのでしょうか。

『NO MONEY DANCE』
本作随一の、社会派ソング。格差が広がる社会、コロナ禍における情勢不安、強者に優しく弱者に厳しい税制構造、杜撰な運用により信用を失った社会保障制度とベーシックインカム議論…などを、一切感じさせないポップチューン(笑)
ちょっと、マキシマムザホルモンっぽい気もする。

『げんきもりもり!モーリーファンタジー』
もう、パワーワードの連続。「君の名前を教えて 君の名前は森本 それは違うよ 人によるよ」「森本って苗字の人の大体は 森森っていうあだ名になりやすい その場合 木が6つやし 環境に良い」などなど…是非、多くの人に噛み締めてほしい歌詞がいっぱい(笑)

『日本の首都、そこは東京』
毎回恒例の、ありぼぼさん曲。当初は布ネタ(?)が続きましたが、今回は東京について。世の中に東京を題材とした曲は数多ありますが、ぼくは“華やかに東京を歌う” か “シニカルに東京を歌う”の2択しかないと思ってきたんです。でも、この曲は、そのどっちでもない。強いて言うなら、「東京について歌ってんな〜」くらいの(笑) だからナニっていうんでもなく。
アレンジ的には、デジタル色が強い。いつもシングルに入ってる“岡崎体育remix”のシリーズみたいな雰囲気。

配信シングルでした。関西圏の情報番組のタイアップ曲との事ですが、関東在住のぼくにはなんのこっちゃ分かりません(笑)
でも、曲が良い事だけは分かります。テレビ番組の20周年を祝う曲らしいですが、成人を迎える人に是非聴いてほしい。説教臭さはゼロのメッセージソング。

『癒着☆NIGHT』
これもまた、賑やかで華やかでノリノリな曲なんだけどシングルで出た時にはちょっとハマり切れないところがあった曲なんですよね。でも、今回改めて聴いたら、もうめっちゃ楽しくて良い曲じゃないですか。頭真っ白になるくらいエネルギッシュで…ライブ行きたくなる。

『寿命で死ぬまで』
泣くよ…泣く。こんな歌詞、泣くに決まってんじゃん。コロナの事とか、著名人の自殺のニュースとか、そんなんばっかの2020年に、もっともフィットしている曲だと思う。
このバンドは紅白に出る事を目標にしてる訳ですけれども、今年の大晦日ほどおあつらえ向きなタイミングは無いと思うし、ぼくはそこでこの曲を歌ってほしいなぁ。もちろん、出たとしても、知名度抜群の『ハッピーウエディング前ソング』とかダイナミックな“癒着”の『案外わるないNHK』とか、その辺りになるであろう事は分かってるんです。アルバム曲でしかない、しかもリリースされたばかりで認知度も高くないこの曲が選ばれるワケがないとは思うんだけど…でも、でも、ぼくはこの曲を今年1年の締めくくりに聴きたい。もしこの曲で1年を〆られたら、来年もまた頑張れそうな気がするんだ。



そんな、計13曲。

プラス、初回盤にはDVDが付いてたけど、それはそれでまた後日感想を書こう。

ぼく、冒頭でなんて言いました? 「ネタ切れするんじゃねーか」だって⁉︎ おい、土下座して謝れよ、ぼく。ネタ切れどころか、どんどん“引き出し”増えてるじゃねーか。
まぁ、強いて言えば、“構造で度肝を抜かす”感じは徐々に減ってきたとは思います。『We love Tank-top』の「おいっ、歌ってんの誰だよ!!」であるとか、『ネコ飼いたい』の「猫飼いたいしか言ってない!!」であるとか、ふんだんなストリングスで感動的なアレンジで肩幅について歌う『肩 have a good day -2018 ver.-』とか…そういうのは減って、歌詞の中身で笑わしてくる事が多くなったな、と。構造で驚かすってのは面白い歌詞を書く以上に難しい事だと思うので過度な期待は禁物ですが、この先、時々またそういう驚きを味わわせてほしいなーとは思います。贅沢なのは100も承知なんですけども。

いや、なんかそんな事ばっかりつらつら書くと否定的な雰囲気が出ちゃう気がするんですが…本作、充分傑作でしたよ!! 誤解のないよう、ちゃんとそれは断言しておかなければ。
『寿命で死ぬまで』を書いたこやまさん、プレイするお3人さん…カッコ良すぎる。





お気に入りは、
#02 『泡 Our Music』
#04 『珪藻土マットが僕に教えてくれたこと』
#05 『原付〜法定速度の範囲で〜』
#08 『NO MONEY DANCE』
#09 『げんきもりもり!モーリーファンタジー』
#12 『癒着☆NIGHT』
#13 『寿命で死ぬまで』





この作品が好きなら、
・『ロックンロール イズ ノットデッド』/サンボマスター
・『ぶっ生き返す』/マキシマムザホルモン
・『ロックンロール・マジック』/ザ50回転ズ
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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