>オリジナルフルアルバム
>タイトル:maze
>アーティスト:chelmico
>リリース日:2020年 8月 26日
>記事作成日:2020年 9月 





聴きました!

コンスタント…というかハイペースに新作をリリースしてますね。インディーズアルバムが2018年に出て、2020年の今年に通算4枚めのフルアルバム。順調にタイアップも増えて、ノリにノッてる中での本作。



『Eazy Breezy』
アップテンポの、ぶっ飛んだ軽さが特徴的なオモチャみたいな曲。配信シングルでしたが、ぼくは今回“アルバムの一曲”として聴いたときのほうが俄然しっくり来ましたね。このユニットは、そのパターンが非常に多い。なんでだろう…アルバムのほうが“奥行き”が感じられるので、深みを楽しめるのかな。アニメ『映像研には手を出すな!』のOPテーマでしたが…浅草氏が“設定”を大事にするのと、似た感覚でしょうか。

これも配信シングルでした。ポップさはありつつクールでダンサブルな要素が強い。
これもまた、配信シングルとして聴いたときよりも今回のほうが良かった。やはり、“独立した1曲”で聴くよりも“いろんな曲が入ったアルバムの中の1曲”として聴いたほうが、奥行きを感じやすいんだろうな。

『jiki』
低音のビートが効いた、クールな曲。このパーカッションはなんでしょうね、ちょっとアフリカンな匂いがするその音が、クール“なだけじゃない”一面を見せてくれていて、淡々としてるんだけれども彫りの深い感じになってる。
「こういう時期」を、リリックだけでなくサウンドでも表現している曲。

『どうやら、私は』
ラップはクールに、サウンドはドラマチックに。クレジットを確認出来てないんでハッキリとは分かりませんが、この曲にはなんか、生音の情緒を感じるんだよなぁ。

『maze』
籠もったウーファーが、恐ろしくカッコいい。クラブミュージック的な音質が分かりやすく用いられてる。
インスト曲ですが、この空気感で歌モノを聴いてみたかったかも〜。

Limit
これも配信シングル…なんだよ、ぼく、この人たちの配信シングルはいちいちタイムリーにチェックしてるんじゃん(笑) 自覚してる以上に、このユニットの事を好きなのかもしれない。
凄くアグレッシブな曲。スポーツで言えばスカッシュ、ギャンブルで言えばパチンコ、駄菓子で言えばパチパチ君…そんな曲(笑)

『いるよ』
なんだよ、怖い系かよ!いや、怖い系なのか?…ある意味怖いな。「正常ってなんだ?」なんて問われると、自分の“芯”が問われてるようで、なんか怖い。
結構、独創的(?)なリリックを書く人たちですよねぇ。これを、ライブで、どういう気持ちで歌うんだろうか。

『ごはんだよ』
この曲も、なんか、怖いぞ…いや、ぼくだけかもしんないけど。映画『アリスインワンダーランド』みたいな、ポップで華やかで煌びやかなのになんかほんのりと怖い、ダークファンタジーみたいな雰囲気をオケから感じるのです。
でも、好き。本作中で1、2を争う、華やかなトラックの曲。

『Premium・夏mansion』
サマーチューン!! いや、サマーチューンなんだけれども…サマーチューンと聞いてイメージするのは屋外の、青い空!白い雲!!みたいな感じなんですが…マンション!屋内!!(笑) 意表を突かれるとはこの事。ぼくの感覚が古いのか。
しかし、マジで、誰の許可取ってこんなに暑いんだよなー。

『Disco (Bad dance doesn't matter)』
かなりラップしてますね。ぼくの中でこの方々は、結構、ラップのスキルよりも楽曲全体の雰囲気のほうを優先している人たちだという認識なのですが…意外と(と言っては失礼ですが)、この曲は、キレッキレのラップが炸裂。時々そんな感じでドキッとさせられるから、イイ。

『エネルギー』
カタカナで『エネルギー』って、正直ちょっと頭弱そうですよね(笑) いやいやディスりたい訳ではなくて…例えば、最近で言うとなにかと「ぴえん」だの「ぱおん」だの言う人。ちょっとした頭悪そう感は醸し出してるけど、でも「時代に乗ってる感」はあるワケじゃないですか。その感じに近いというか…“学”じゃなくて“若さ”で勝負しているように感じて、それはもう揶揄などではなく純粋に羨望なわけですよ(そんな事を言ってる時点で自分の年齢を感じてしまうけど 笑)。この年代にしか出来ない事をちゃんとやってる気がして、なんかいいなーって。過去作『POWER』とかにも同じ事を思った記憶がある。そもそも、本当の馬鹿にはきっとラップなんて出来ない。

『milk』
アンニュイなメローチューン。アコースティックギターのセンチメンタルなサウンドに乗せて、それ以上にセンチメンタルなMCが乗る。この曲は、“ラップ”というより“ボーカル”ですね。歌モノ。こういうのもしれっと巧くやるからすごい。

『GREEN』
ラストは再び、ポップでハッピーに。親しみやすい呑気なパートもあれば、マシンガンラップのパートもある。なにげに、一粒で二度美味しい感じの曲です。



そんな、計13曲。

本作は、何よりも構成力が凄いですね。聴き手を飽きさせない、バリエーション豊かな楽曲群。一方で、聴いてて疲れるようなバラバラ感はなく、13曲通しで聴いてもしっくり来るまとまり感もある。程よく聴きやすく、程よくヤンチャ。アルバムとしての均整が、非常によく取れている。お二人のセンスなのか、トータルプロデューサー的な人が居るのかは分かりませんが。
…そういや、このユニットの共同作業者って、どういう人たちなんだろう。あんまり気にしてこなかったけど。今度ちょっと検索してみよう。





お気に入りは、
#01 『Eazy Breezy』
#02 『Terminal 着、即 Dance』
#04 『どうやら、私は』
#09 『Premium・夏mansion』
#11 『エネルギー』
#12 『milk』





この作品が好きなら、
・『ハルカリノオカワリ』/HALCALI
・『ごちそんぐDJの音楽』/DJみそしるとMCごはん
・『はじめての○○図鑑』/xiangyu
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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