>オリジナルフルアルバム
>タイトル:NIKKI
>アーティスト:くるり
>リリース日:2005年 11月 23日
>記事作成日:2020年 6月 18日





久しぶりに聴きました!

くるりはその時々でまっっったく異なる音楽を聴かせてくれますが、ぼくはこの時期のくるりが一番好きですね。王道なロックンロールというか、J-POP寄りの分かりやすくてキャッチーなロックが、ぼくには凄くしっくり来ます。



『Bus To Finsbury』
この“フィンズベリー”というのは地名なんですね。ロンドン方面にあるとの事で。そうやって聴くと、確かに、ブリティッシュロックの雰囲気を感じる曲だなぁと思いました。いや、ブリティッシュロックがどんなものかとか、よく分かってませんけど(笑) イメージの話です。
耳馴染みの良い、キャッチーなロックチューン。

『Baby I Love You』
ミドルバラード。こんなにヒネクレの少ないバラード、くるりの中では希少なんじゃないかと思います。サウンドは優しくて、歌詞は比較的ストレートな表現で。コーラスワークも美しく、何よりも岸田さんの歌声が“丸い”。なのにやたらと切なくて…。
なんだか、冬になると聴きたくなる。今(これを書いているのは梅雨真っ只中の6月)聴いても、充分にイイのだけれども。

『Superstar(Album Edit)』
このアルバムの少し前、シングル『ロックンロール』の辺りでくるりにハマったぼくには、この曲もドンピシャでしたね。非常に聴きやすい、快活なロックチューン。アレンジには圧倒的な王道感があって、岸田さんのクールな歌声にはニッチな魅力があって。
今でも、大好きな曲。

『雨上がり』
気さくな雰囲気のミドルチューン。これは、それこそこの時期(梅雨ど真ん中)に聴くのがぴったり。程々に湿度感があって、正に雨上がりの空気をそのまま曲にしたような曲。
ちなみに、この空気感を曲単位じゃなくバンド単位で醸し出しているのがレミオロメンだとぼくは思ってます。

『Tonight is The Night』
なんというか…サーカスを見てる時の感覚みたいな、魅力的なんだけどどこか怖ろしさみたいなものも感じる不思議な空気感のワルツ。
メロウなバラードでも痛快なロックンロールでもないんだけど、なんか気になって、なんか繰り返し聴いちゃう曲です。

『BIRTHDAY』
シングル曲。これもまた大好きですねぇ。本当に、この時期のシングルはどれも神がかってすらいる。ゴキゲンなリズム隊と、ちょっとケルトっぽい雰囲気のアコーディオンetc。そして、イノトモさんのふんわりと優しいコーラス。どこを取ってもキャッチーで、なおかつ軽快。心が軽くなる、軽くならざるを得ない。

『お祭りわっしょい』
呪いのような曲(笑) 一回聴くと、頭の中でサビの「お祭りわっしょい♪」が3日はぐるぐるし続ける。なんなんだ、この中毒性。如何ともし難いっ♪
ちなみに、「わっしょいわっしょい、ぎぃあ〜!!」のところも頭から離れなくなる。
是非、世の全員にこの曲を聴いてほしい。そして、週の半分を「お祭りわっしょい」で潰してほしい。

『冬の亡霊』
曲タイトルのイメージとは真逆の、終始ゴキゲンな曲。ストリングスが滑らかに歌い、バンドは愉快に鳴っている。イギリス辺りの酒場みたいな音楽(イメージでしかない)。あの、樽をテーブルにして賑やかに飲む感じの。

『赤い電車』
この曲を初めて聴いた時は、ぼくは“赤い電車”には乗った事もなかったんですが、今はヘビーユーザー。「ファソラシドレミファソ〜♪」の意味も、乗り始めてから知りましたよ(最近だいぶ減っちゃいましたよね、切ない)。
今まさに、赤い電車の車内で『赤い電車』を聴いている。ある意味で、贅沢。

『Long Tall Sally』
どこかひょうきんなこの曲。チンドン屋みたいな?(「音が」っていうんじゃなく、「テンションが」の話)。展開が目まぐるしく変わっていって、なんか組曲というか、ミュージカル曲みたいな感じ?

『虹色の天使』
爽やかで力強いロックチューン。シングル曲ではありませんが、『ロックンロール』『BIRTHDAY』『Superstar』の系統の曲だと感じます。世界がどこまでも広がっていくような、空がどこまでも高く抜けていくような、そんな自由を感じる曲。

『Ring Ring Ring!』
エフェクトのかかったブルースハープが渋い。歪んだギターは脳天を突き刺し、ボーカルは光の速さで目の前を横切っていく感じ。遊び心が満点です。これ、軽音部時代だったら絶対コピーしてたぢろうなぁ。下手くそでもそれっぽく聴こえそうだし(笑)

『(It's Only R'n R Workshop!』
ポップなメロディラインに、タンバリンなんかが軽快に絡んだりして、とにかく心地良い。ここまでブリティッシュロック的なアレンジの曲が多かったけど、この曲なんかは大滝詠一さんとかの、国内のポップミュージックの佇まいを感じるアレンジです。



そんな、計13曲。

なんとも健康的なロックンロール。音楽の喜びに満ちていて、それが適切なアプローチでアウトプットされているようにぼくには聴こえました。当然、この時のこのバンドが実際にどういう心境でこの作品を作り上げたのかなんてぼくには知る由もないのですが、ぼくには、そう感じられました。

当時ちょっと意外だったのは、「くるりが、こんなにシャッチーで健全な作品を出すんだ〜」という点。もうちょっと尖ってて、大衆に迎合するのを嫌ってヒネクレた感じの曲に仕上げるのがくるりというバンドだと思っていたので、変化球しか投げないピッチャーが急にど真ん中のストレートを投げたような意外さを感じたわけです。多分ぼくは、その辺りが良くて本作を好きになったんだと思いますが。

いやぁ、これは名盤ですよ。





お気に入りは、
#01 『Bus To Finsbury』
#02 『Baby I Love You』
#03 『Superstar(Album Edit)』
#04 『雨上がり』
#06 『BIRTHDAY』
#07 『お祭りわっしょい』
#09 『赤い電車』





この作品が好きなら、
・『HORIZON』/レミオロメン
・『STAND!!』/フジファブリック
・『マジックディスク』/ASIAN KUNG-FU GENERATION
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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